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【天声人語】
2006年03月24日(金曜日)付
授業料の免除や給食費の援助を受ける生徒、児童が増えているという。その一方、学費がかさむ私立中の受験が増え、東京では4人に1人が受けたという進学塾の調査もある。新しい格差のようなものが、できつつあるのだろうか。
据说接受免除学费和餐费援助的学生、儿童一直在增加。但另一方面,报考学费较贵的私立初中的孩子也增多了,据一份升初中补习班的调查显示,在东京4个孩子中有1个参加了私立初中的入学考。这是否说明,一种新的贫富差别正在形成呢?
文部科学省によると、04年度の調査では、全国の都道府県立の高校で11人に1人が授業料の免除や減額を受けていた。地域や学校でかなりの差があるものの、全体の人数は8年で倍増した。
据文部科学省04年所作的统计,全国都道府县的公立高中里,11个学生中有1个接受了学费的减免。虽然地域和学校之间的差别很大,但接受学费减免的总人数在8年间增加了1倍。
公立の小中学校で、文房具代や給食費、修学旅行などの援助を受けた児童、生徒は、04年度までの4年で4割近く増えた。東京都内には、受給率が7割に達した小学校もある。
而在公立的小学和初中,接受文具费、餐费、毕业旅行费等援助的学生,到04年为止的4年间增加了近4成。在东京都里,有的小学接受援助的学生比例高达7成。
その学校で、卒業文集のテーマを「将来の夢」にしようとしたが、3分の1の子が何も書けなかったという。子どもたちが、夢や希望を思い描きにくくなってきているのなら、まことに痛々しい。
据说在那家小学,准备将《未来的梦想》定为毕业作文的题目,谁知有三分之一的孩子什么都写不出来。如果孩子们对描绘梦想和希望感到越来越困难,那真的是令人痛心的事情。
作家・村上龍さんは、近未来小説『希望の国のエクソダス』(文芸春秋)の中で、中学生にこう言わせた。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」
作家村上龙的科幻小说《希望之国大逃亡》里,一个初中生说了这样一句话:“这个国家里什么都有,东西真的是有好多好多。不过,单单没有希望。”
村上さんは、本紙のインタビューには、こう述べている。「子どもは、20年後、30年後の自分の姿を、いまのおとなに見ようとする。親たちの世代は、ちっとも楽しそうじゃない。おとなたちを見ていても希望が持てない」
村上先生接受本报采访时这样说道:“孩子们会从现在的大人身上看自己20年、30年以后的样子。要是父母这一代人看上去一点不快乐,那小孩子看在眼里,对将来也不抱希望了。”
その時々の子どもたちは、大人の姿を映してきた。いわば、大人の鏡だ。今、教育の現場に表れている格差のようなものも、大人の世界のそれを映し出している。
各个时代的孩子们的身上都映照出了大人们的样子来。可以说,孩子是大人的镜子。而如今在教育的现场——学校里出现的贫富之差,也正映照出大人世界里的贫富差别。 |
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