日志

会計情報利用者の情報要求

已有 244 次阅读2007-6-14 11:59

企業会計が提供する会計情報を利用する会計情報利用者には、株主、債権者、投資家のほか、さらに税務当局や、経営者、消費者、そして地域住民、従業員などが存在します。

そこでこれら各種利害関係者の情報要求の一部をまとめてみると次の表のようになります。

株主	企業に対する経営資本の委託者として企業がいかにその受託資本を管理し運用しているのか受託資本の管理運用状況を知りたい。そしてその結果によっては企業に対する資金提供（投資）をとりやめたり、あるいは儲かった利益に応じて利益の配当を要求したい。
債権者	企業が適正に利益を獲得しており、自分が融資している（貸している）お金が契約通り返済されるに十分な財政的裏付けが企業にあるのかどうか知りたい。新たにお金を融資する際には当然、融資するお金が将来、確実に返済されるかどうかを知っておく必要がある。
投資家	企業の将来性や収益性からその企業に出資（または投資）するかどうかの投資意思決定をする。また現在のすでにその企業に出資しているならば今後も出資を継続していくのかを判断するための会計情報が欲しい。
税務当局	企業がどれくらいの所得を稼ぎそしてどのような資産をもっているのかなどを知りたい。その上で課税所得又は保有資産に応じた公平な課税を行っていきたい。
経営者	会社運営上の長期的・短期的意思決定に必要な各種の会計情報や、現在の会社の業績を把握し財政状態等を判断するための会計情報が必要。
消費者	企業が販売している商品、製造している製品、提供しているサービスなどは消費者にとって生活必需品となっており、その生活に深くかかわっている。そのため企業がどのような製品を製造し販売しているかについて強い興味をもっている。製品の安全性、環境への対応など。
地域住民	企業は従業員として地域住民を雇用するため、その地域に消費所得の増加をもたらすことになる。そのため企業が適正に利益をあげ発展していくということはその地域に経済的によい影響を与えることになる。逆に企業が公害問題などを引き起こすことがあればその地域住民にたいへんな悪影響を与えることになる。そのため地域住民は企業経営が適正に運営されているかどうかについて関心がある（はずである）。

【企業会計の利害調整機能】
上のように、企業を取り巻く各種利害関係者の企業への情報要求はさまざまです。そのため、各種利害関係者相互間で互いに利害が対立することがしばしばあります。その代表的なものに株主と債権者との関係があります。

例えば、株主にとっては短期的には企業がより多くの利益を配当として自分たちに還元することが得なのに対し、債権者にとっては企業があまり多くの利益を配当金として社外に処分してしまっては会社の財務的基盤が弱くなり、自らが融資している資金の返済が受けられなくなってしまう危険があります。

そこで企業会計は会計情報を利害関係者に提供するという目的に加えて、利害関係者相互間の利害を調整する公正なルールとしての機能も担うようになります。それが企業会計の利害調整機能と呼ばれるものです。

企業会計が利害関係者相互間の利害を調整する利害調整役として機能するためには、企業会計が「企業会計原則」や「商法の会計規定」といった一般に認められた公正な会計基準を遵守していることが必要とされます。それによって企業が作成する貸借対照表及び損益計算書の公正妥当性の担保とされるからです。