久々日本に帰って、やっぱり毒餃子の騒ぎに圧倒されてしまう。

中国にいた時でも息子からの電話で餃子はいらないと冗談がましく言われたし、ある程度騒いでいるとは思ったが、ここまで全チャンネル、全新聞、雑誌がフル回転で伝えているとは正直びっくりしています。SARSのときの様な感じさえするのである。

確かに、問題の本源は中国にあるとは思うし、昨今の中国国内の怨恨による毒入り事件や環境汚染から見ても、ついに海外へ飛び火したかと思われても致し方ない。しかし、それだからと言って憶測や恣意によって確かなる根拠もなしに報道や論評をしては、視聴率稼ぎや責任転嫁とも見て取れる政府、報道機関の姿勢が見苦しい、また、“チャイナフリー”という言葉の一人歩きもどうも気に入らない。大体、2007年の流行語大賞である“偽”がどこから出てきたかを日本人の皆さんが忘れたのでしょうか？それを思い出しても尚“もう中国商品を絶対買わない”といえるのでしょうか？

結局日本人は一人が何かを言い出すと、“皆さんがそうなさいます”と右へ倣えになる、たとえそれが日本企業であっても、中国企業であっても同じである、こと中国製になるとナショナリズムが働き出して、始末が悪い。

私に言わせれば、最初の中毒事件が発生して1ヶ月も経った今になって全民総騒ぎになる事こそ、問題の根本である！この間の政府、地方の対応のまずさこそ、テレビ、新聞などが糾すべきであろう。今の騒ぎ様は本当に中国側に落ち度があると結論がでた時点でやっても遅くはないではないでしょうか？大体、殆どの食料品を輸入に頼っているこのご時勢でチャイナフリーを煽ること自体、ナンセンスで話にならないのである。

まぁ、餓死する覚悟であればそれでも結構ですけど。

中国も中国で、素早く日本での騒ぎを非難する民意がどうしても歪んで見えてくる。百歩譲っても中国製の餃子を食べて沢山の人々が中毒している事実は否定できない事だから、中国のイメージを落としいれようとする謀略説は常識的に考えてもありえないことだろう！そこにもまた以前茨城で発生した中国人女子留学生惨殺事件時の中国国内の報道ぶりを思い出す、皆が自分の姉妹が殺されたように日本人に対し恨みつらみを書き続けるが、いざ真犯人が捕まり、それまた中国人であったことを分かった途端、報道やネット上の書込みが嘘のように一気に消えた。その時と同じ心理が今の中国人に働いているのではないでしょうか？オリンピックも控えているのだから、もっとうちからこの問題を反省してみる事も必要なのではないでしょうか？

でも、テレビで「天洋食品」社についての報道を見て、ふっと考えた、今回の騒ぎでそこまで会社の衛生管理体制を宣伝されては、“災いが転んで福となり”ではなかろうか。どうせ日本人はのど元過ぎれば熱さを忘れるのだから、また、輸入冷凍食品なしではどうにもならなくなるため、いずれは以前よりも増して、中国製食品を口に運ぶだろうし、その時、もしかしたら「天洋食品」がブランドになったりして、大儲けするかもしれないよ。

大体、日本に輸出出来ないこの間に、中国国内市場に打って出れば、愛国心と衛生管理のお墨付きで大ヒットするかもしれない、そこまで来れば、今度日本人が跪いて売ってくれと言われても、もうお前らには売ってやる物はない！と一発食らわすこともできるだろうなぁ。

もっとも見たくない結末なのだが・・・