太郎はお姫様のところへ行って言いました。
「もう七日も竜宮にいたので、そろそろ家に帰ります。ありがとうございました。」
お姫様は言いました。「いつまでもここに居てほしいのですが、しかたありません。では、この
玉手箱を持っていってください。でも、この箱はけっしてあけてはいけませんよ。」
太郎はお姫様から玉手箱をもらって、また亀の背中に乗って家に帰っていきました。
太郎が海岸についてあたりを見回ると、どこがおかしい気がしました。
たしかに、ふるさとの村なんですが、路も家も変わっていました。
太郎はとおりかかっていた人にきいて見ました。
「私は浦島太郎ですが、私の家はどこでしょうか?」
すると、村の人が答えました。
「浦島太郎って、そんな人は知らないね。そう言えば、百年前も前にそんな名前の若者が海に出たまま
帰らなかったと聞いたことがあるけれど。」
「私は七日しか竜宮にいなかったのにここには百年もたってしまったのか?」
太郎は悲しくなりました。太郎はどうしていいか分からなくなりました。
「そうだ、この玉手箱をあけてみようか。」
太郎はお姫様にあけてはいけないといわれたことをわすれて、玉手箱を開けました。
すると、白い煙が箱から出てきました。このけむりを浴びた太郎はたちまち髪もひげも真っ白になり、
腰も曲がったおじいさんになってしまいました。
おしまい
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