ここ数年、うちの製品の市場を中国語で言う“山寨厂”のノンブランドゲリラ軍が侵食し続けてきた。おかげさまで、ブランドはいいが、ノンブランド並みの卸価格でもシェアが上がらない、もちろん、違法または脱法ができないからだ。じり貧が続いている。
ここ数カ月、急にある考えが頭から離れなくなった。それは、“正規軍でも強力な武器を持ってゲリラ戦法をとったら、どうなの?”である。
“もろ刃の剣”であることも十分承知のうえ、どこまで“ゲリラ”できるのも把握しなければならないから、難しい、だが、やり始めてきたら、案外面白い、これからは正念場だ。
ひとつだけ学んだことがある、“思い付かないことがあっても、やれないとこはない”ということだ。
最近聞いた話だけど、よく中国で日系ブランドのコピー品、いわゆる「にせもの」が作られて、正規品の市場を圧迫する話を聞く、もちろん、海賊行為だからよくはないが、あろうことか、自社で自社の「コピー品」を作る有名日系がいることだ。
聞いたはじめは、しばし絶句した。が、やがてそのメーカーの賢さに脱帽せずにいられなかった。
やっぱり中国だから、その手が取れるのだ。異国にはその国に即した商習慣があるのだ、非難ばっかりしてはやがて負け犬の遠吠えしか聞こえなくなる。これはワールドワイドのビジネス世界での掟なのだ。
日本に安住している日本人達、いつになってそれを理解するだろう?