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学生の頃の話だが、店長をしていた韓国焼肉店で、オーナーは友達が新装開店したフランス料理店を祝うため、閉店を2時間早め、中央高速を1時間半飛ばして、山梨まで飯をと連れもらったことがあった。
本格的なフランス料理は初めてだったし、往復3時間も掛けて1時間ちょいの飯をし、帰りの高速を降りたとこで「腹減った!」と言って「藪そば」にもう一回入ったことをじゅうなん年もたった今でも覚えている。
その理由はこと大げさな食事であったのももちろんですが、向かう途中でオーナーが自分の失敗談を話してくれたのが忘れられなかった。焼肉やを開く前は無一文だったが、その前は大金持ちだった、ひょっとしたことで資金がショットになり、それを作るため、そして乗り越えようと気持ちを高めるために5万円を持って府中競馬場に行った。
勝ち負けを交互にメインレースまで手持ち3万円となった、それを万馬券狙いに大穴に掛けた、が、馬が一位のまま最終コーナーを回った所で転倒、骨折したそうだ。
自殺も考えたが、安楽死された馬のことを自分のように見えて、やり切れない気持ちになり、歯を食いしばって我慢してきただって。
「人間は先が見えない時にこそ、冷静に! せいぜい俺達みたいに可笑しいだけど、害の無い奇行でストレスを発散しよう!」、オーナーはそう言った。
10数年経ったけど、時々その言葉を思い出す。
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