「課長、部長がお呼びしています」
うっかり、こんな言い方していないか
「および」は、目上の人が目下の人を呼んでいるときに使う尊敬語である。
普通、なんか用がるときは目下の人が目上の人のところまで出向くのがマナーで、
目上の人が酔うがあるときは目下の人を「呼ぶ」。こんな場合、たとえば部長が課長に用がるときは、
課長にとって上司になる部長に対して「および」という尊敬語を使うわけである。
しかし、この「および」が「およびする」や「およびします」のように「お~する」になると、呼んでいる当人を
謙らせることになるから日本語は厄介である。
たとえば「お連れする」といえば、目下の人が目上の人を連れて行くことで、目下の人は自分をへりくだっていること
になる。
つまり、「部長がおよびしています」といえば、部長が課長に対してへりくだっていることになってしまうのだ。
というわけで、正しくは、「課長、部長がおよびです」そして、部長のところに言った課長は
「部長、お呼びでございますか」とあいさつすることになる。