「部長を他山の石として」
こういわれた部長は怒るだろうなあ
課長に就任したばかりの人が、スピーチで、「○○部長を他山の石として、粉骨砕身努力する所存であります・・・」
と言ったとする。
この課長、こんな言い方をしては新任早々、将来のリストラ候補にされてもやむをえない。
問題は「他山の石」である。この新任課長は、たんに「模範」といった意味で使ったのかもしれないが、
「他山の石」はとても模範になるような代物ではない。
この言葉は、中国の「詩経」の一節、「他山の石、もって玉をおさむべし」から生まれた言葉で、「よその山から
出たつまらない石でも、自分の玉を磨くためには役に立つことがある」といった意味。
転じて、自分とかかわりのない出来事や他人のよくない言行でも、自分の修養の助けになることのたとえとして使われる
ようになった。
つまり、他山の石にたとえられた部長は、課長より劣った、いわば反面教師にされてしまったわけで、これでは部長の怒り
を買うのも当然なのである。
他山の石【たざんのいし】:他山之石,前车之鉴,引以为训。
粉骨砕身【ふんこつさいしん】:粉身碎骨,鞠躬尽瘁,竭尽全力。
リストラ:裁员,解雇重组,再构造.
他山の石、もって玉をおさむべし:他山之石可以攻玉。
転じる:转。改换(方向、状态),亦指改变。