【課長がよろしくとおっしゃってました】
ビジネスマンも駆け出しのころは、なんでも仕事を言いつけられる。上司のメッセージを得意先に伝えるのも
大事な仕事だが、こんな時、メッセージをただオウムのように伝えればいいと思っていると失敗する。
それこそ、子供のお使い扱いされかねない。
たとえば得意先に出かけるとき、課長が「先方によろしくと伝えてくれ」とあなたに伝言を頼んだとする。
このとき、「課長がよろしくとおっしゃっておりました」と言ったのでは、相手のひんしゅくを買ってしまうだろう。
確かに「よろしく」という言葉を伝えたのだが、そのあとがまずい。社内の者に敬語を使わないというのは
ビジネス敬語の大原則である。自分の課長に敬語を使っては、この大原則から外れることになるのだ。
おそらく「やれやれ、敬語もわからない若者を部下にして、あの課長も大変だろう」などと、相手は思っているに違いない。
この場合、求められるのは「いう」の尊敬語「おっしゃる」ではなく、謙譲語「申す」である。
「課長がよろしくと申しておりました」と言えるなら、もう子供のお使い扱いさはれないはずだ。
駆け出し:新手,初出茅庐,駆け出しのくせに生意気だ。
オウム:鹦鹉