沖縄県の尖閣諸島沖で、中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件で１９日、石垣簡易裁判所は中国人船長の１０日間の拘置延長を認めました。

　この事件は今月７日、尖閣諸島久場島の沖合いで中国漁船が海上保安庁の巡視船と衝突し、漁船の船長が公務執行妨害の疑いで逮捕・送検されたものです。船長の拘置期限は１９日で１０日の満期を迎え、検察が船長の処分をどう下すのか判断を迫られていました。

　那覇地検によりますと、船長の取り調べをさらに続けるため、拘置期限の延長を裁判所に求めたところ、２９日まで、さらに１０日間の延長が認められたということです。

　事件をめぐって、船長を除く中国漁船の乗組員１４人は事情聴取を受けた後に帰国しましたが、船長の取り調べは続いており、石垣海上保安部は違法操業の疑いでも調べています。

 

 

20日０５：２４船長の拘置延長を受け、中国外務省は強く反発しています。日中間の閣僚級以上の交流の停止など具体的な報復措置をとったことを明らかにしました。

　「直ちに無条件で船長を釈放しなければ、日本側が一切の結果を負うことになる」（中国中央テレビ）

　中国中央テレビは漁船の船長の拘置延長を受け、中国外務省が強く反発し、日中間の閣僚級以上の交流を停止する報復措置をとったと伝えました。中国の地方政府レベルでの交流を一時取りやめ、航空路線の増便に関する日中の交渉も中止したということです。

　また、中国外務省の王光亜次官は１９日夜、日本の丹羽宇一郎駐中国大使に電話して抗議し、「中日関係はすでに深刻な損害を受けていて、今後事態がどう発展するかはすべて日本側の選択にかかっている」と強く警告しました。

　日本大使館によりますと、強硬姿勢を示す王次官に対し丹羽大使は、「冷静かつ慎重な対応」を求めたということです。

　また、中国側が機材を搬入したことが明らかになった東シナ海のガス田「白樺」について、一方的な開発を控えるよう求めたうえで、「これまでの合意に反するようなことがあれば、しかるべき措置を検討せざるをえなくなる」という日本側の考えを伝えたということです。

　今回の衝突事件を受け、中国では各地で日本への抗議活動が相次いでいますが、１９日になって新たに日本の伝統芸能を紹介しようと、北京を訪れている一行が、屋外でのイベントへの参加を、急遽、取りやめました。

　「若い青少年を連れてきているので、安全面を配慮して参加しない。残念です」（日本伝統芸能青少年観光交流団　南部正孝団長）

　今回の報復措置で、日中間の対立はさらにエスカレートすることになりそうです。

 

 

 

 

 

　尖閣諸島沖で起きた海上保安庁の巡視船と中国の漁船の衝突事件で、逮捕された中国人船長に対し那覇地検は処分保留で釈放を発表しました。（24日14:40）