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日志

建物のしくみ

已有 543 次阅读2009-6-30 01:57

建物のしくみ 1

 人が生きていくためには「棲み家」の存在は重要です。また、文明的な
生活を送るためには、買い物をするための百貨店や公共サービスを行う
役所、ホテルや放送局なども必要です。これらのサービスが、雨が降ったら
ダメ、風が強いとダメ、では話になりませんので、それらを有効に動かしてい
くためには、建物という最大の施設を用意してから初めてできるようになるの
です。

建物の構成

 雨・風を防ぐために建物が必要なのですから、屋根は必要です。
当たり前ですね。それらを支えるためには、が通常は必要です。
また、柱をしっかりと地面で支えるために、基礎が必要です。

この程度は別に建築関係の方でなくても、常識として理解できるでしょう。
しかし、全ての建物が同じ構成(仕組み)によって建てられているのかと
いうとそうではなく、いくつかに分類することができるのです。


構造材料の4類型


 1) 木構造 (W造)
 住宅などでは最も一般的な材料です。「木」という天然の材料を森から
切り出してきて、乾燥させたものを使います。"wood"の頭文字を取って、
W造と言ったりします。
 現場に運ぶ前に、柱や梁に使う木材を加工します。これを刻みと言います
(機械によるプレカットもあります)。刻みの間に基礎工事を進めておきます。
刻みが終わったものを現場に運んで柱や梁を建てます。これが建方です。
建前ということもありますが、建前は上棟式のことを指す場合もあります。
建方の時は2階に梁を上げる作業などがあり、重機などを用意しなければ
ならず1人ではまずできないので、大工さんも応援を呼んだりして一斉に
とっかかります。結構壮大です。
棟上げが終わった時点では、工期としてはまだ半分もいっていないような状態
ですが、骨組みはすでに完成に近い状態で、建物が壊れるような構造上の欠陥
は、この時点で既に発生していることが多いようです。

木構造の特徴は、以下のような長所・短所があります。

長所

短所

強度が強い   
加工が容易
軽い

燃えやすい
腐朽しやすい
品質が一定でない

 一番の利点は、比重に対し強度が強いという点です。これは人によっては
意外に感じるかもしれませんが、鉄やコンクリートに比べて非常に軽い割には、
それほど材料として弱いわけではないので、材料が自分自身を支えるのに
苦労せず、部材の大きさに比べて、大空間を作り出すことができるのです。

 短所は、燃えやすいというのが大きいでしょう。構造材自身が火をあげて燃える
のは木構造だけだと言っても過言ではありません。また、湿気が多いと腐りやすく、
節や反りなどがあって全ての材料が同じ強度を持つわけではないので、設計に
問題がなくても材料の選び方によっては不具合になることもあります。

 ・2×4工法(ツーバイフォー工法)
 木造住宅には、在来の工法の他に、2×4工法というのがあります。
これは、横幅2インチ・縦幅4インチの部材を単位とし(1インチ=約2.54cm
これを沢山使用することによって耐力のある壁を作り、それによって建物を
支える工法で、在来工法が荷重を柱で支えるのに対し、2×4工法は壁に
よって支えているのです。そのようなことから、在来工法・2×4工法をそれ
ぞれ、軸組工法・枠組壁工法とも言います(こちらの呼び方が正式名称です)。

  ・2×4工法は万能か
 2×4工法を中心に扱っている住宅メーカーのサイトを見ると、いかに2×4
工法が優れているかということを強調して解説していますが、それほどのこと
もありません。在来工法でも2×4工法でも、同じような建物を同じくらいの
強度で作ることは可能です。壁で支えるので、余りに大きな窓を作って壁の量
が確保されないものは設計不可能になりますが、それは逆にメリットとも言え
ます。在来工法で筋交いが足りずにちょっとの振動で揺れる建物も多い中、
2×4工法では通常それは考えられないからです。
2×4は気密性が高いのもウリにしてますが、逆に湿気をため込んで腐朽しや
すくなることもあり得ます。これも設計によりけりで、もちろんメリットにすること
もできます。
 2×4工法の強化版で2×6(ツーバイシックス)工法というのもあります。



 2) 鉄骨造(S造)
 個人住宅から超高層まで、用途や規模を選ばず採用することができる
工法です。"steel"の頭文字から、S造と言ったりします。
 鉄骨は、製鉄会社で大量に作られています。鉄鉱石などから製鉄→製鋼
→圧延と工程を踏んで、鋼材となります。
 実際に建物に使う鉄骨を加工し製作するのは、鉄骨製作工場です。
ここで柱と梁の接合部の溶接から高力ボルト用孔空け等、建物の設計に
合わせた様々な加工をして、現場に運びます。この製作工場には規模など
によってグレードが分けられていて、扱える鋼材から板厚に至るまで、細かく
規定されています。
 どんなものを作って、どのように運ぶのでしょう。木造とは違って鉄骨造の
場合、柱は柱用の部材、梁は梁用の部材と、1本1本分けて搬入するのでは
ないのです。柱は階高にもよりますが、2層から3層分、それに梁の部分を
1mくらいくっつけたものを1パーツとしてトラックで搬入するのです(下図の
矢印右側部分)。梁の部分を少し出した状態で1パーツを作るのは、梁に
掛かる力が少しでも少ないところで分けた方が構造上有利だからです。

木造では不可能ですが、鉄骨ですと溶接できますのでその方がいいのです。
たまに、大きなトラックが入れないような所の建物の場合、それによって
パーツを細かくせざるを得ない場合があります。

パーツを運んでは現場で組み立てていく、という作業を、完成するまで
繰り返して行きます。通常は高力ボルトを使用して、組み立てた鉄骨を接
合していきます。
 ここで重要なのは、建入れ直しです。高層になればなるほど、ほんの少し
の精度の悪さが大きな狂いを生じることになりますので、精巧な機器を使用
して厳密に確認しながら作業を行います。建て入れ直しの結果(測定結果)
は大事な資料ですので保存しておきます。鉄骨造の良否を決める上でも最も
重要な作業の1つと言えます。

鉄骨造には、以下のような特徴があります。

長所

短所

構造物として軽い   
工期は短い
高層建築物に対応

火災に弱い
揺れやすい(ラーメン構造)

 長所は構造物として軽量であるということがあります。鉄は、それそのものは
比重が7.8と、コンクリートの2.3と比べて遙かに重いのですが、鉄筋コンクリー
トより有利な断面形状として、上からの荷重に強いH形鋼や、中を空洞にした
ロの字形の角形鋼管を使用でき、また鉄筋コンクリートよりも長いスパンで
梁を渡すことができるので、結果的に有利になるのです。ただ、細い部材で
賄える反面、建物が揺れやすいという欠点が生じることもあります。
 短所は、火災に弱いということです。鉄は高温になると強度が著しく落ちるた
め、耐火被覆という、火に耐えられるもので包んであげるという作業が必要に
なります。鋼材は、それだけで不燃材料なのですが、耐火被覆をしないと耐火
構造にはならないのです。
 その他、建て入れ直しやボルトの本締め・溶接などによる施工精度の問題
もありますが、これは後述する鉄筋コンクリートの方が精度差が出やすいとも
言えますので、比較した時に欠点と言えるかどうかわかりません。

 ・ラーメン構造とブレース構造
 鉄骨造には、柱・梁で構成するラーメン構造と、柱・梁の他にブレースという
斜材が入るブレース構造というのがあります。ここで言うブレースとは、木造
の筋交いと同じ働きのものと考えて間違いありません。これにより、柱と梁の
接合部にかかる「曲げの力」を解消することができるので、構造上有利になり
ます。ただ、斜材が入るわけですから、大きな開口を取れなくなります。工場
などですと、ブレースが室内側に入ったままでも窓を設けたりしています。

建物のしくみ 2

 3) 鉄筋コンクリート造(RC造)
 事務所ビル・店舗・マンションなど、中規模以上の建物に使用されます。
後述する壁式構造を使用して、個人住宅を建てる場合もありますが、
実際には木造や鉄骨造より少ないと言えるでしょう。
"reinforced concrete"
(補強されたコンクリート) と書いて鉄筋コンクリート
という意味になり、頭文字からRC造と言ったりします。
鉄筋は引張に強く圧縮に弱い(細長いので曲がってしまう)、コンクリートは
圧縮には強いが引張に弱い(ヒビが入ってしまう)という特徴があり、それぞれの
欠点を補うように考えられてた優れた工法です。

 まずは、鉄筋型枠を用意します。コンクリートは、固まるまでは泥状のもの
なので、溶けたチョコレートを固めるように、出来上がりの状態に合わせた型枠
をセットし、そこに流し込むようにします。つまり、コンクリートの入れ物を作るので
す。これは、他の工法ではまず現れないやり方です。
 鉄筋や型枠は、現場に運ぶ前に、それぞれの担当の会社(鉄筋屋さんと型枠
大工さん)が、その現場の設計図を見て、鉄筋や型枠を工場(作業場)で加工して
運んできます。もちろん、現場でも帳尻を合わせたりすることもありますので、
現場での加工も頻繁に行われます。
 一般階では、最初に柱の配筋から行います。柱の配筋が終わった後、フタを
するように型枠を建てこんでいきます。その後、上階のスラブ(コンクリートの床の
こと)や梁の型枠を取り付けます。宙に浮いているようにスラブや梁の型枠を置く
ので、下には支保工という、型枠を支えるための仮置きの柱のようなものを建て
て支えてあげます。この数が凄まじく、直下の階は満足に歩けないくらい沢山建つ
ことになります。梁やスラブの型枠が出来れば、型枠の上を上階の作業場として
使えるようになるので、その上で梁やスラブの配筋をします。梁の配筋は、その
脇で鉄筋を組み上げた後、梁型枠内に落とし込むようにセットする方法が多く
取られます。

全ての型枠と鉄筋の工事が完了したら、コンクリートを流し込みます。これを
コンクリート打ち(コンクリート打設)と言います。この日は大変です。朝から
ポンプ車(コンクリートを送るポンプ車)がやってきて準備をした後、次から次へと
ミキサー車がやってきます。ミキサー車はコンクリートプラントが作ったコンクリート
を運んでくるのです。ミキサー車はポンプ車にコンクリートを流し、ポンプ
車が上の階にコンクリートを送り、職人さんが所定の場所に打設するのです。
ミキサー車は最大でも5立米分しかコンクリートを積めないので、ちょっと大きな
現場でも延べ100台以上のミキサー車が出入りします。

こんなことを階数分繰り返して、RC造の建物は建っていきます。

RC造の特徴を挙げてみましょう。

長所

短所

火災に強い
設計の自由度が高い
遮音性が高い

自重が重い
施工精度による差がある
工期が長くなりがち

 長所は火災に強く、RC造であれば、通常は構造そのものにそれ以上の耐火
対策をしなくても耐火構造となります(壁厚10cm以上・柱40cm角以上などという
条件はあるが、通常の設計であればクリアしている)。 後は開口部を防火戸に
すれば耐火建築物となり、都心の建物密集地に建てることができるのです。
 その他、コンクリートは型枠に合わせた形状になるので、曲線などの表現をしや
すいこと、重量度があるので遮音性が高いことが挙げられます。

 短所は、材料そのものが大変重く、建物の自重が他の工法と比べて圧倒的に
重いということがあります。RC造の場合、建物の用途にも依りますが、建物全体
の重量のうち9割程度を自重で占めることとなり、人や建物に据えられる設備の
重量は、ほどんど「構造の余力で支えている」というくらいの微々たるものなの
です。
 また、型枠を作って鉄筋を組んで…… という過程を経るので、それぞれの職人
さんの力量によって精度に差が出ることや、工程そのものが長くなるという欠点が
あります。

壁式構造(WRC造)
 コンクリートにも壁式構造と言われるものがあります。これは木造の2×4工法
に似たようなもので、柱の代わりに壁によって支えるものです。"RC"の前に壁と
いう意味の"wall"の頭文字を付けて、WRC造と言います。
柱を無くすことにより、柱の出っ張りを無くすことができるので、広く整った空間を
確保できるなどの利点があります。
壁によって支えているので開口の大きさや位置に制約があるのが難点ですが、
それでもWRC造の利点を生かして、低・中規模のマンションやアパートに採用され
るケースが多いのです。同タイプの室を重ねることによって上下の開口位置を合わ
せることができ、またマンションの場合、戸境の壁には開口がいらないどころか、
遮音のために厚い壁にすることが求められるくらいなので、耐力壁を取るのが
容易だからです。



 4) 鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)
 高層の建築物を建設する際、コンクリートの中に鉄骨を骨組みとして入れる
工法があります。これを鉄骨鉄筋コンクリート造といいます。S造とRC造を合わ
せたようなもので、略称もSRC造と言います。
 つい最近まで、RC造で10階以上の建物を造ることは稀でした。やはり自重が
大きすぎて、それくらいの規模となると自分自身すら支えきれなくなるためです。
最近は、高強度のコンクリートを使用して、RC造で高層建築物を建てるケー
スが増えましたが、やはり中に鉄骨を入れたSRC造も多く採用されています。
鉄骨が入った分、ある程度断面の大きさを抑えることができ、粘り強い建物にす
ることが可能です。また、鉄骨造で問題となる、強風などによる揺れの問題も
SRC造にすることによってある程度解消できますし、コンクリートで包んでいる
ので、耐火被覆を必要とせず、鉄骨の座屈も考慮しなくていいというメリットがあ
ります。
 しかし、大きな鉄骨が入るのでコンクリートを充填しづらいという問題と、
どの工法よりも工程が複雑化するという問題があります。また、鉄骨があっても
鉄筋は省略できないので、鉄骨と鉄筋の交差部分の取り合いや、柱・梁接合
部をどのように収めるかなど、大変面倒な問題もあります。

 ・SRC造の逆? CFT構造
 SRC造は、鉄骨をコンクリートで包む構造ですが、その逆とも言える工法が
あります。鋼管状の鉄骨の中に、コンクリートを入れるのです。
"Concrete Filled steel Tube"
の略でCFT構造と言います。
この工法のメリットは、鉄骨の中にコンクリートを入れるので、型枠も鉄筋も
省略でき、しかも同じ大きさの鉄骨部材より強いということです。中のコンクリ
ートの膨張しようという力を鉄骨が拘束し、それが部材の強さとなるのです。
また、コンクリートは中にあるので劣化することが少なく、外を包む鉄骨の
耐火性能を上げる効果もあるので、高層建築物に向いています。

建物のしくみ 3

基礎の構成

 基礎は、建物を支える上で最も大切なものと言っていいでしょう。
基礎の形状は、上部の建物の規模や地盤の状態によっていくつかの形態が
あります。大まかに分けて見ていきましょう。

 1) 独立基礎
 小規模の建物で、地盤の状態も良いときに使用します。杭基礎に対して、
直接基礎に分類されます。それぞれの基礎が独立している状態で、基礎の
最も基本的な形です。地盤の浅い部分が良質な状態であることが求められる
ので、条件が揃わないと独立基礎は採用出来ません。

 2) 布基礎
 小~中規模の建物に採用されます。これも直接基礎に分類されます。
布基礎は、建物の荷重がかかる柱を基礎梁で繋ぎ、その基礎梁から
フーチングを出すことによって基礎として建物を支えます。独立基礎も
基礎梁で繋げることが多いのですが、独立基礎の時の基礎梁は、単に
繋いでいるだけの役目(つなぎ梁)なのに対し、布基礎の場合は基礎
梁そのものがフーチングを出すことによって基礎の役割を果たします。
 住宅から中規模のRC造・S造など、大変多くの建物に採用されています。

 3) べた基礎
 中規模の建物に採用されます。これも直接基礎です。
 基礎の部分を1枚の版にしてしまって、版全体で建物の荷重を支える
基礎で、直接基礎の中では最もしっかりしている基礎です。
布基礎にしてもほとんどがフーチングで占められてしまうような場合、全部を
1枚の版にしてしまった方がいいことも多いので、そのような時にべた基礎
を採用します。また、地下水位が高い場合に、地面からくる湿気を抑えるために
採用することもあります。 
 最近では、個人住宅でも多く採用されています。

 4) 杭基礎
 中規模~大規模の建物に採用されます。地盤面下に長大な杭を打ちこんで、
建物を支えます。
 杭基礎にも2種類あり、地盤の深いところにある堅い層まで杭を到達させて、
その堅い層でもって支持させる支持杭と、土が杭に与える摩擦力でもって支え
摩擦杭があります。支持杭として設計していても、結果としてその大半が
摩擦力でもって支えられていることもあります。
 杭は、使用している材料や工法によっても分けられます。

  ・場所打ちコンクリート杭
 杭を打つ部分を掘削した後、鉄筋を組んだものをその中に入れ、コンクリート
を打設して作る杭で、大きな杭を作ることができます。既製のコンクリート杭と
分けて場所打ちコンクリート杭と言います。

  ・既製コンクリート杭
 既に完成されているコンクリート杭を使用する方法です。工場で作られた杭な
ので、場所打ちコンクリートに比べて、杭体は品質が良くコンクリート強度も大きい
のが特徴です。工事の仕方は、掘削を先にしてから挿入していく方法(プレボーリ
ング工法)や、掘削しながら挿入していく工法(中堀り工法)があります。杭を
直接叩いていく打込み工法もありますが、騒音が激しいので近年ではあまり採用
されていないと思います。

  ・鋼管杭
 既製の鋼管杭を使用します。既製コンクリート杭と比べて軽く、運搬が容易
です。また、鋼材の特徴として水平力に強い傾向にありますが、腐食に対する
検討を必要とします。工法は既製コンクリート杭と同じような方法が採られます。

  ・木杭
 木材を杭に使用します。木は完全な乾燥状態か又は完全な湿潤状態にして
おけば腐らないので、地下水位の常水面下部分に設置します。木杭は通常、
摩擦杭として使用します。

 このカテゴリは構造一般ということもあって、基礎の話はあまり深く立ち入り
ません。次に、最終的に建物を支えている地盤と、それを確認する地盤調査に
ついて見てみましょう。

地盤の構成

 地盤には、粒径(土を構成する粒の大きさ)によって、分類することが
できます。

粒 径

 

土 質

粘土 

シルト 

砂 

礫(れき)

 粒径の大小によって、特徴が分かれますが、この粒径の違いだけで
地盤の良否を正確に判断することは出来ないと言っていいでしょう。
それらを判断するのは、次に解説する地盤調査が不可欠です。
 また、土は自然のものなので、上記の様にきちんと分類できるわけでも
なく、「粘土質シルト」とか、「シルト質砂」「砂質粘土」など、細かく分けると
無数の組合わせになります。

 ・ローム層
 何万年も前に降り注いだ火山灰が元となっている土で、「赤土」などと
言われるものです。上記の表では粘土に分類されるものです。
非常に柔らかく使い物にならないという印象を持つ方もいるかと思いますが、
荒らされることの無かった良質なローム層は意外と地耐力(地盤が荷重に
耐えられる力の大きさ)があり、100kN/m2(約10t/m2)の地耐力を見込め
るものもあります。関東では関東ローム層が一般的ですが、地域によって
様々なローム層があります。

次に、各土質の特徴(とくに欠点)を見てみましょう。

 ・液状化現象(砂質土の問題)
 大地震が起こった時には耳にすることがあるかもしれません。阪神・淡路
大震災の時も、液状化現象による被害が発生しています。
液状化現象は、
   1) 粒径がだいたい均一の砂質層で、
   2) 地盤が軟弱な上に
   3) 地下水位が高い
場合に特に発生する危険性が高くなります。
 普段は砂の粒子の空間にあって安定していた地下水が、地震で揺すられる
ことによって、砂の粒子間の隙間が変形し、地下水の水圧が高められて地上
に吹き出してきます。液状化現象のメカニズムは、実際にはもっと難しい理論
なのですが、ここでは割愛します。
 液状化現象が起こると、地盤の浅い地点を支持層として頼っていた建物は、
液状化の発生によって砂が水に浮いているような状態に変わった結果、
足元をすくわれたように倒れてしまうのです。
 粘土層ですと粒径が小さいので地下水は容易に動くことが出来ません。また、
礫層では隙間が多すぎて地下水の水圧が確保出来ないので、液状化にはなり
にくいと一般的に言われていますが、地震の規模によっては礫の液状化の発生
が見られたこともあるそうです。

 ・不同沈下(粘性土の問題)
 更地の上に建物を建てるということは、地盤に重さが掛かるということです。
それによって、どんな形であれ沈下が発生します。
 砂質土の場合、隙間が多く地下水がすぐに抜けるので、沈下はあっという間に
終わるのですが、粘性土ですと地下水が抜けるのに時間が掛かるので、沈下
するのに時間が掛かります。
 この時の砂質土の沈下を即時沈下と言います。即時沈下はその名の通り、
建物を建てている時点で沈下は終わっているので、長期的な問題になること
はほとんどありません。
 それに対して、粘性土の沈下を圧密沈下と言います。圧密沈下は建物が竣工
した後も沈下が続くので、思わぬ障害が発生することもあります。圧密沈下
が引き起こす障害の1つが不同沈下なのです。
 不同沈下とは、粘性土の層の厚さや堅さの違いによって、沈下の速度や
大きさが異なるために、建物の部分によって沈下量が変わってくる現象で、
それにより建物が傾むいたり、構造体に大きな亀裂が入ったりします。
 液状化現象は地震が起こらないと発生しませんが、不同沈下はある意味、
建物を建てた時点では表面化していないものの、すでに回避しようのない事態
に陥っていると言えるので、より一層厄介な問題です。
 これを回避するには、不同沈下を招くような軟弱な粘土層を貫いて、深い層を
支持層とすることや、地盤改良、または転圧を十分に行って竣工後の沈下を
減らす方法などがあります。基礎梁を強固なものにして一部分だけが下がる
のを構造で抑えるのも有効です。

地盤調査

 地盤がどれだけの荷重に耐えられるか、また上記の様な問題が発生する
のかどうか、地盤の状態を確認することは極めて重要なことです。これを
地盤調査と言います。基礎の大きさや、調査の必要がある深度・土質の
違いによって、いくつかの調査方法がありますが、ここでは4つの地盤調査
方法を紹介します。

 ・ボーリング調査
 地中深く掘り進んで、試料の採取を行います。これにより、その地点の
地層がどのようになっているかを知ることができます。後述する標準貫入
試験を行う際に必ず実施されます。常にセットで行われるので、標準貫入
試験も合わせてボーリングということもあります。

 ・標準貫入試験
 中規模以上の建物を建てる時には、必ず実施されます。
 矢倉のようなものを建て、ロッドと言われる細長い棒を、重さ63.6kgの重りの
落下によって打ち込んでいきます。その結果30cm打ち込むのに必要だった
重りの落下回数をN値といい、これが地盤の硬軟を評価する最も大事な数値
となります。基礎の大きさや種別も、このN値によって決まります。
 土質を選ばずに採用できますが、砂質地盤の方が正確な値が出やすく、
軟弱な粘土層に対しては、他の試験の方が適しています。
 打ち込むロッドの先端には、土を採取するためのサンプラーが付いています。
これが上記のボーリング調査用の試料となります。
 試験の結果を集計し、報告書という形で以下のような柱状図を作成します。
ボーリング・標準貫入試験の結果、その深度に該当する土質とN値を柱状図
としてまとめることによって、視覚的に地質が理解できるようになります。
 柱状図は最も大事な資料の1つです。

スウェーデン式サウンディング試験(SS試験)
 標準貫入試験と比べて、小規模・軽量の建物を建てる地盤の調査に
適しています。戸建て住宅を建てる際の地盤調査として最も一般的です。
ロッドの先端がドリルのようになっていて、最初は軽い重りから載せて
行きます。非常に軟弱な地盤なら、この時点でズブズブとロッドが入って
いきます。1kN(100kg)の重りを載せた状態でも貫入しなくなったら、ロッドを
回転させ、25cmロッドが貫入するのに掛かった回転数をカウントします。
これらのデータから、N値に換算することもできます。

 当サイトは構造設計のサイトで、構造設計を必要とするような規模の
建物の場合は、上記の標準貫入試験を行うのが普通ですので、私たち
にとってこの試験はあまり一般的ではありません。しかし、資材も少なく
てすみ、試験の時間も半日~1日程度で、費用も数万~10万ほどと
決して高くないので、新築される場合には必ず調査するべきと思い、
ここで取り上げました。

新築される場合は、施工者や設計者に地盤調査のことを確認してください。

 ・平板載荷試験
 直接基礎(独立・布・べた基礎)の底盤の高さとなる予定のレベルまで掘
削し、そこに30cmの円形の載荷板を設置します。その載荷板の上から荷
重を掛けて、それによる沈下の量や変化などから、地耐力を求めます。
 この試験は深いところではできないので、杭基礎を想定している場合は
採用できません。また、載せる荷重が大変重く、重りとして重機そのものを
載せるくらいの重さが必要になることがあるので、この試験はかなり大規模
になります。地盤が頼りになりそうで、中規模の建物を直接基礎でやりたい
場合などに、この試験を行うことがあります。


 ここまで、建物の骨格から足元の基礎部分、そしてそれを支える地盤の
解説をしました。一般の方を対象に「触り」の部分だけを取り上げてきました
が、いかがでしたでしょうか。
 次ページでは、建築の設計ってどんなものがあるのか、特に構造屋とは
何をやっているのかを解説します。

 

建築設計の世界

 建築の世界で設計に携わる人は沢山います。設計の種類にも沢山あって、
細かく分けていくとかなりの数になると思いますが、大まかには以下の3種類
があります。

 ・意匠設計
 言わずとしれた、設計の中枢に当たる部分です。建築主となるお客さんから
新築する建物に対する様々なニーズや条件などを聞き、設計に盛り込んでい
きます。平面図等はもちろんですが、建具の形状を1つ1つ表す建具リスト、
仕上表など、図面の量・種類ともに膨大な数に及びます。
 建築関連の法規は、面積や高さに関するものはもちろん、避難経路・内装
制限・防火設備等の知識も持ってないと設計できません。

 ・構造設計
 意匠設計を元に、基礎や柱・梁・壁等の各部材の断面形状を計算により
決定していきます。RC造の場合は断面の中に入れる鉄筋量も含まれます。
一般の方は勘違いしている人が多いのが意外なんですが、構造設計も図面を
描きます。意匠設計ほどではありませんが、結構な量の図面を描きます。
それに構造計算書を付けて意匠の設計事務所に渡します。そう、構造設計
事務所にとってのお客さんは、意匠設計事務所なのです。なので、一般の方
と直接やり取りする機会はあまり多くありません。

 ・設備設計
 冷暖房の効率やダクト(風の通る道)の大きさ、上下水道の配管の大きさな
ど、建築設備も専門家によって設計する必要があります。設備設計も図面と計算
が必要です。構造設計よりもさらに目立たない存在と見られているかもしれませ
んが(設備屋さんすみません)、私は実際に、水圧が足りずに、新築したマンショ
ンの最上階でほとんど水が出なかったという話を聞いたことがあります。設備設
計の重要性も相当なものです。



 構造設計でやってること

 構造設計では、具体的には何をやっているのか。もう少し深く説明すると
以下のようなものです。

 ・構造計算書
 建築基準法第20条2項にある「構造計算によって確かめられる……」という
条項にかかる計算書です。これを確認申請の時、意匠図面・構造図面と共に、
申請書に添付します。この計算書は、計算ルートなどによって内容が大きく変
わるのですが、非常に大雑把に言えば、
  ・ 建物の用途に合わせて積載荷重を決定
  ・ 地震時に水平力となる荷重を算定
  ・ フレーム(ラーメン)の計算
  ・ その計算によって算出された各部材の断面計算
  ・ 基礎(直接基礎・杭)の計算
 などをまとめたものになります。最近は、フレームの計算をはじめとして、
計算書の大部分がパソコンの計算ソフトで計算した結果をプリントアウト
したもので占められています。しかし、この計算ソフトは構造の専門家で
ないと、データ入力も算定結果の判断もできませんので、パソコンが計算
してくれるからといって専門家の必要が無くなるということはありません。

 ・構造図面
 構造設計で描く図面も、物件の規模や種別(RC造・S造)によって大きく
異なります。これも大雑把に言ってしまうと以下のようなものです。

  ・床伏図(梁伏図)
 構造図面の平面図です。全ての階と屋根部分を描きます。構造部分の寸
法や、柱・梁・スラブ・壁のそれぞれに、断面の大きさ等をリスト化して指定す
るための符号を記入します。1フロアの中でスラブ高さに差があることもここ
で表現できます。構造図面の中でも最も大事な図面です。
 基礎レベルの伏図(基礎伏図)も描きます。基礎の位置や符号を表現しま
す。基礎が杭の場合には杭伏図とも言います。

  ・軸組図
 構造図面の断面図のようなものです。柱がほぼ1列に通っている部分を
「通り」と言って、これにも記号を付けて表現しますが、そのX・Y方向それ
ぞれの通りについて、断面を切ったような図面を描きます。各階の階高を
はじめ、構造体の高さ方向の状態がわかります。特に斜線制限などの関係
でセットバックしている建物の状態は、ここでハッキリ表現されます。ここに
も部材の符号を書き込みます。

 ・柱芯線図(柱キープラン)
 柱の通り芯に対する「寄り」や、柱と梁接合部の細かい寸法を表現します。
床伏図は1/1001/200の縮尺なので、細かい部分が表現できないので
この図面で表現しているのです。この図面の呼び方は、設計事務所に
よってたくさん種類があるようです。

 ・部材リスト
 柱・梁・壁・基礎など、図面に出てくる全ての部材の大きさ、形状を1/30
程度の縮尺で断面図を描いて表現します。RC造では中に入る鉄筋の本数
や鉄筋径なども断面内に描いて表現します。構造図面の全枚数の半分程
度を占める量になります。

 ・鉄筋詳細図(鉄骨詳細図)
 軸組図で描いたような図面の一部を、1/301/50程度で描きます。
矩計(かなばかり)図のようなものです。
 RC造の場合は、中に入る鉄筋の1本1本を描いていきます。S造の場合は
柱・梁の接合部の収まりなど、細かく描いていきます。



 非常に大まかではありますが、このような計算書と図面を作成するのが
構造設計者のメインの業務になります。もちろん、これらに関連する構造
の検討や、施工中に発生した構造上の問題の対処、配筋検査(RC造で
コンクリート打設直前に、鉄筋の配筋状況をチェックする検査)なども行い
ます。

 当サイトでは、そのようなことを生業とする人たちが、業務の中で知って
おきべき基本的知識を、管理人自身の勉強がてらまとめているわけです。
 見に来てくださった皆さんにとって、少しでも役に立てばと思います。

 

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