世界的ピアニストを多く輩出している「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」で、上の学園大学三年生の辻井伸行さんが六月に優勝したニュースは、私たちにさわやかな感動を与えてくれました。

　辻井さんは生まれつき全盲でした。しかし音の感覚が鋭敏で、四歳から本格的なピアノのレッスンを始めました。七歳で全日本盲学生音楽コンクール・ピアノの部で一位になり、十歳でオーケストラと共演してプロデビューを果たしました。

　多くの曲は耳で聞いてすべてを覚えるという辻井さん。「ピアノを弾くのが楽しく仕方がない」という彼のピアノの音色を、指揮者の佐渡裕さんは「天から降ってくるようだ」と高く評価しています。

　受賞式直後のインタビューで、「今は何よりも両親に感謝している。プロとしてスタートラインに立ったばかりなので、自分の音楽にさらに磨きをかけたい」とかたるように、感謝の心が辻井さんの努力の源になっています。

　私たちも感謝の心を努力という音色に変え、職場の中で奏でたいものです。

今日の心がけ　●　感謝の心で仕事に磨きをかけましょう。