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16、「可能形」
时间:2007-06-05 15:12:40  来源:日本語レッスン|http://homepage3.nifty.com/i-yasu/  作者:

16.「可能形」

今回は「漢字が読める」「一人で行ける」のような可能形を使った文(可能文)文を勉強します。

可能文のポイントは3つあります。

一つは可能形そのものの活用形の問題、2つ目は可能文における助詞の問題、3つ目は可能文の意味用法の問題です。

まず、可能形の活用から見ていきましょう。

すべての動詞が可能形になるのではありません。可能形にできるのは「食べる」「行く」「勉強する」などの意志動詞だけです。(「あく」「しまる」「つく」「消える」などの無意志動詞は可能形にできません。)

 

可能形はⅠグループ動詞が「行け」「飲め」などの命令形、「行けば」「飲めば」の「ば形」と似ています。また、Ⅱグループ動詞、Ⅲグループ動詞が受身形、尊敬の形と同じです。学習者の活用形の混乱が見られ始めるのが、可能形あたりからです。

 

Ⅰグループ動詞

Ⅱグループ動詞

Ⅲグループ動詞

行く ikeru 行ける

食べるtaberareru 食べられる

くる korareru こられる

飲む nomeru飲める

いる irareru   いられる

する suru   できる

遊ぶ asoberu遊べる     

 

帰る  kaereru帰れる

会う aeru  会える

話すhanaseru話せる

 

「する」の可能形は「できる」です。したがって、「理解する」の可能形は「理解できる」になります。学習者はcan understandのつもりで、「わかる」を「わかれる」や「わかられる」と可能形にしようとしますが、「わかる」自体の可能形はありません。

 

可能文に関わる助詞の問題は2つあります。1つは「できる」目的(対象)に「が」をとるか「を」をとるかということです。

 

 (1)私はドイツ語が/を話せる。

 

可能形は基本的には「漢字が書ける」「英語の新聞が読める」のように「が」をとりますが、「が」をとるか「を」をとるかはゆれている部分もあり、新聞などでも「を」を使っているのを見受けることがあります。

「食べる」「飲む」「書く」など日常生活の動詞は「を」より「が」の使用が好まれるようです。

「が」より「を」が使われやすいのは次のような場合です。

 

1)主語か対象か混乱が起きる場合

  (2)?彼は息子が引き止められない。

2)他動性の動詞、また、それ自体が長い音節をもつ動詞

  (3)?あの柵にこの犬が結び付けられない

3)従属節(連体修飾節、副詞節など)の中

  (4)好きな字を書き込める装置を開発した。(新聞記事より)

  (5)節約をできる階層は限られている。(〃)

 

可能形に関わる、もう1つの助詞の問題は「できる」主体に「に」をとれるのはどんな場合かということです。

 

 (6)?私にドイツ語が話せます。

 (7)○私はこれ以上話せない。

 (8)あの人できるのに、どうしてあなたできないの?

 

(6)の文は不自然ですが、(7)のような否定の文、(8)のような他者との比較の文では「に」が現れることがあります。(6)(7)に共通して言えることは、対比的な意味合い(否定文もそうです)のときには「に」が付くことが多いです。。

 

可能形は大きく「能力可能」と「状況可能」の2つに分けられます。

 

 (9)私は漢字が書ける。(能力)

 (10)手術中は中に入れません。(状況1)

 (11)この水はくさくて飲めない。(状況2)

 

「能力可能」は主体にとってそのことができる能力があるかどうかを表します。一方、「状況可能」は(10)のように状況が許可されるか否かの可能性(状況1)、また(11)のように対象物が持っている状態・性質によってその可能性が関わる場合(状況2)です。

学習者の母国語には、「能力可能」と「状況可能」を違う表現を使う国語もあるので、日本語の可能表現の特徴は説明しておく必要があります。

 

可能形は自動詞、自発動詞、「許可表現」などと絡んできます。

 

 (12)プラスチックのコップは落としても割れない

 (13)ピアノを移動したいが、重くて動かない

 

「割れる」「動く」は自動詞(他動詞は「割る」「動かす」)ですが、学習者は可能形にしたがり、「割られない」「動けない」などとしてしまいます。

 

可能形と同じ形をもつ自動詞には次のようなものがあります。

他動詞       可能形・自動詞

皿を割る             皿が割れる

棒を折る             棒が折れる

紙を破る             紙が破れる

米をとる            米がとれる

本を売る             本が売れる

 

可能形と同時に提出される項目に「見える・聞こえる」があります。厳密には自発動詞と呼ばれるものですが、可能表現と重なる部分もあるので、可能形のところで提出されているようです。

したがって、「見える・聞こえる」に関しては、「見られる・聞ける」という可能形との意味・用法の違い問題になります。

 

 (14)ここからアルプスが見える

 (15)笠間美術館へ行くと、ルノワールの全作品が見られる。

 

 (16)車の音が聞こえる。

 (17)千円も出せば、一流のオペラが聞ける。 

 

「見える・聞こえる」は自発動詞なので、(14)(16)のように「自然と目の中に入ってくる」「自然と耳に入ってくる」という意味になります。一方、「わざわざ行く」とか「お金を出す」などの人間の意志と手間が入ると、(15)(17)のように「見られる」「聞ける」が使われます。

 

可能形「書ける」「行ける」は、多くの場合「書くことができる」「「行くことができる」と言い換えることができます。では、可能形と「~ことができる」は同じ意味・用法を持つのでしょうか。また、使い分けがあるのでしょうか。

結論から言えば、可能形と「ことができる」は意味・用法は同じ場合が多いです。

両者の特徴をまとめると、次のようになります。

 

【可能形】

  ⅰ 話しことばによく使われる。

  ⅱ「飲む・食べる・買う」などの日常生活に頻出する動詞に使われやすい。

【ことができる】

  ⅰ 書きことば的である。

  ⅱ 論理的な動詞(「述べる」「まとめる」など)に使われやすい。

  ⅲ 2グループ動詞(一段動詞)では、可能形と受身形が同じ形なので、混同

       を防ぐために「ことができる」が使われることがある。

  iv 他動詞や動詞の使役形で「せる」で終わる動詞に使われやすい。

     早く済ませられる←→早く済ませることができる


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