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25、「~だろう・~かもしれない」
时间:2007-06-05 15:22:33  来源:日本語レッスン|http://homepage3.nifty.com/i-yasu/  作者:

25.「~だろう・~かもしれない

●「~だろう/~でしょう」の意味用法

「~だろう/~でしょう」は未来のことや不確実な事柄に対して用いられ

ます。

副詞「たぶん」「きっと」といっしょに用いられることが多く、やや可能性の高い推量を表します。「~だろう」は話しことばでは、主に男性が用います。

 

 (1)たぶん今晩大家さんが来るだろう。(女性:来るでしょう。)

 

書きことばや(2)のようにひとり言では男女とも使えます。

 

 (2)どうしてあんなことを言ったんだろう。

 

「~だろう」は疑問の形(上昇イントネーション)で、相手の判断・意見を聞いたり、確認するときにも使われます。

 

 (3)A:君もそう思うだろう。(女性:あなたもそう思うでしょう。)  

    B:うん、そうだね。

 (4)A:ちょっとお金、貸してもらえないだろうか。

    B:・・・。

 

上昇イントネーションの「~だろう」は未来のことや不確実な事柄を表すと同時に、自分で決めてしまわないで、判断の一部を相手に任せるという意味合いを持ちます。

 

●「~だろうと思う」

 (5)彼女は独身だろうと思います。

 (6)今晩台風が来るだろうと思います。

 

「~だろう」単独ではひとり言になりますが、「と思う」と結び付いて、自分の意見・推量を相手に伝えることができます。「~だろうと思う」とすることで話し手の判断を少しぼかすことによって丁寧さを増す働きもあります。「~だろうと思う」は男女共に使える丁寧な言い方です。

 

●「~かもしれない/かもしれません」の意味用法

「~かもしれない」も未来のことや不確実な事柄に対して用いられます。

ただし、「~だろう」と比べて、可能性の低い場合に使われます。したがって、肯定的内容だけでなく否定的表現とともに現れやすくなります。

 

 (7)田中さんは来るかもしれない。でも、来ないかもしれない。

 

「~かもしれない」は副詞「ひょっとしたら」「ひょっとすると」「もしか

したら」「もしかすると」などとともに使われることが多いです。

 

 (8)ひょっとしたら、彼はもう戻ってこないかもしれない。

 (9)もしかしたら、100万円当たるかもしれない。

 

    「~だろう」と「~かもしれない」の違い

「~だろう」と「~かもしれない」は両方とも可能性を表す推量表現ですが、文法的に異なる点がいくつかあります。

 

1)疑問文が作れるかどうか

「~だろう」は相手の判断を伺う働きがありますが、「~かもしれない」は

疑問文にはできません。

 

 (10)a.今晩台風が来るだろうか

   b.?今晩台風が来るかもしれませんか。

 

2)連体修飾節の中に入るかどうか

 (11)a.?彼女が欠席するだろう場合も考えておかなければならないよ。

 b.彼女が欠席するかもしれない場合も考えておかなければなら

   ないよ。

 

話し手の主観性が強いものほど連体修飾節には入りにくくなります。したがって、「~だろう」の方が「~かもしれない」より、話し手の主観性が強いと言えます。

 

3)うしろに「と思う」が付くかどうか

「~だろう」は「~だろうと思う」の形で使われることが多いですが、

「~かもしれないと思う」という形は使われません。

 

 (12)a.そろそろ景気が良くなるだろうと思う。

   b.?そろそろ景気が良くなるかもしれないと思う。

 

「~だろう」と「~かもしれない」の前には動詞、形容詞などが来ます。

「な形容詞」、「名詞+だ」の場合は「だ」が脱落するので、注意が必要です。

 

  動詞                 い形容詞          な形容詞/名詞+だ

行く            痛い               元気/休み

行かない+だろう        痛くない +だろう      元気/休みじゃ/ではない+だろう

行った  かもしれない     痛かった かもしれない    元気/休みだった    かもしれない

行かなかった        痛くなかった                          元気/休みじゃなかった

                           元気/休み

 

「~だろう/~でしょう」の、特にイントネーションを中心にした使い分けについて考えてみましょう。<>の矢印は上昇・下降などのイントネーションを表します。

 

1.推量

 1)A:バス、遅いですね。

   B:もうそろそろ来るでしょう。{話しことば}(男女)<↓>

 2)A:バス、遅いね。

   B:もうそろそろ来るだろう。{話しことば}(男)<↓>

2.確認

 1)A:あの人、田中さんでしょう?{話しことば}(男女)<↑>

   B:ええ、そうです。

 2)A:あの人、田中さんだろう?{話しことば}(男)<↑>

   B:ええ、そうよ。

3.疑い・心配(「~~でしょうか」「~だろうか」の形で。)

 1)A:お客さん、来てくれるでしょうか。{話しことば}(男女)<↓>

   B:大丈夫ですよ。

 2)A:お客さん、来てくれるだろうか。{話しことば}(男>女)<↓>

   B:大丈夫よ。

4.反語(「~でしょうか」「~だろうか」の形で。)

 1)A:こんなことでいいのでしょうか。{話しことば}(男女)<↓>

   B:いえ、よくないですよね。

 2)A:こんなことでいいのだろうか。{話しことば}(男>女)<↓>

   B:いえ、よくないよね。

5.(肯定的)推量(「(の)ではないでしょうか」「(の)ではないだろうか」

     の形で。)

1)A:彼は自殺するのではないでしょうか。{話しことば}(男女)<↓>

   B:・・・。

2)A:彼は自殺するのではないだろうか。{話しことば}(男>女)<↓>

   B:・・・。

 

(男>女)は女性も使うが、一般には男性が使うことが多いことを表します。

 

「~でしょう」「~だろう」を自然なイントネーションで使い分けることは、学習者には難しいことです。イントネーションが正しくない場合は、その度練習をするようにしてください。発音やイントネーションは一朝一夕で身に付けられるものではありませんから。


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