43.「疑問引用節」●疑問引用節について
「小林さんは今日何時に来ますか」や「小林さんは今日の会議に来ますか」という疑問文に、「あなたはそのことを知っていますか」「そのことを教えてください」などの文を組み合わせると、(1)(2)のような文ができます。
(1)あなたは小林さんが今日何時に来るか知っていますか。
(2)小林さんが今日の会議に来るかどうか教えてください。
このように、疑問文が主節の中に取り込まれたものを疑問引用節と言います。
疑問引用節には、上の(1)のように疑問詞を持つ疑問文が組み込まれる場合と、(2)のように、疑問詞のない疑問文が組み込まれる場合があります。
(1)の場合
[ 小林さんは今日何時に来ますか ]
↓
あなたは [ 小林さんが今日何時に来るか ] 知っていますか。
(2)の場合は
[ 小林さんは今日の会議に来ますか ]
↓
あなたは [ 小林さんが今日の会議に来るかどうか ] 知っていますか。
疑問引用節の中の主語は、通常、「が」で表されます。
疑問詞がある場合は、「疑問詞~か」という形を、疑問詞がない場合は「~かどうか」という形をとります。(書きことばでは、「~か否か」も用いられます。)
ただし、実際の文では(3)のように「どうか」が省略されることも多いようです。
(3)小林さんが今日の会議に来るか知っていますか。
(1)(2)の例は動詞文が引用節になっている例ですが、形容詞文、名詞文はどのように引用節になるのでしょうか。
「い形容詞」文
(4)a.あの店の料理はおいしいかどうか知っていますか。
b.この中でどれが一番安いか教えてください。
「な形容詞」文
(5)a.子供が元気かどうか教えてください。
b.田中さんがいつ暇か知りません。
「名詞+だ」文
(6)君の気持ちが本気かどうか言ってくれ。
この車がいくらか知りたい。
「い形容詞」文では「か」「かどうか」の前には普通形がそのまま来ますが、「な形容詞」「名詞+だ」文では「だ」が省かれるので注意が必要です。
●疑問引用節の主語
疑問引用節内の主語は通常、「が」で表されると説明しましたが、組み込まれる文が名詞文「名詞 1 は名詞 2 だ」の場合は「は」のままのこともあります。
[ 林さんの誕生日はいつですか ]
↓
(7)あなたは [ 林さんの誕生日が/はいつか ] 知っていますか。
[ ここは禁煙ですか ]
↓
(8) [ ここが/は禁煙かどうか ] 教えてください。
● 疑問引用節を受ける助詞
疑問引用節はそのうしろに助詞を伴って文の構成要素になっていきます。疑問引用節がどのような助詞をとるかは、名詞の場合と同じです。
(9)伊藤さんがいつ来るか(を)知っていますか。
(10) 伊藤さんがいつ来るか(が)わかりますか。
(11) 伊藤さんがいつ来るか(は)わかりません。
(12) 伊藤さんがいつ来るか(を)教えてください。
これらの助詞は話しことばでは省略されることが多いです。