44.「~から」
●複文と従属節について
「頭が痛い」「沖縄へ行く」のように 1 つの述語(動詞・形容詞など)からなる文を単文と言います。
一方、「頭が痛いから病院へ行く」「沖縄へ行ったとき、初めて海にもぐった」のように述語を 2 つ以上持つ文を複文と言います。複文は従属節(「頭が痛いから」「沖縄へ行ったとき」)と主節(「病院へ行く」「初めて海にもぐった」からなります。
従属節には副詞節や連体修飾節などがあります。
1)副詞節
次の図に示すように、前文に接続する語(から・とき・ても、など)が付いて、後文にかかっていく従属節を副詞節と言います。上例の「頭が痛いから(病院へ行く)」「沖縄へ行ったとき、(はじめて海にもぐった)」は副詞節になります。
から、
前文 とき、 後文 ( 文末 )
従属節 たら、 主節
が、
ても、
・
・
2)連体修飾節
「山田さんが買った辞書を見せてください」の文では、「山田さんが買った」が「辞書」を修飾しています。この文では「山田さんが買った」が従属節(連体修飾節)で、「見せてください」が主節になります。
3)名詞節
「リーさんが帰国すること/のを知らなかった」の文では、「リーさんが帰国する」が「こと・の」によって名詞化されて、主節「知らなかった」の目的語になっています。このように「こと・の」で導かれる従属節を名詞節と言います。
4)引用節
「今晩雪が降ると思う。」「 田中さんは今行くと言いました。」の「今晩雪が降る」「田中さんは今行く」というように文の中に引用されている節を引用節と言います。
5)疑問引用節
「彼女がいつ来るかわからない。」「 明日行くかどうか教えてください。」の「彼女がいつ来るか」「明日行くか」のように文の中に引用されている疑問文を疑問引用節と言います。
●理由を表す「~から、~」(2文接続の「から」)について
理由を表す「~から」は前文が理由を、後文がその結果を表します。
「~から」は話しことばに用いられます。話し手の直接的な理由付けの気持ちを表します。
1)主節と意志表現
「~から」は主節の文末にいろいろな意志表現をとることができます
(1)寒いから、窓を閉めろ。 ( 命令 )
(2)ケーキを作りましたから、めしあがってください。 ( 依頼 )
(3)お腹が痛いから、病院へ行こうと思います。(意向)
2)「から」の前に来る語の形
「~から」文の文体については、基本的には(1)のように「普通体+から、普通体」または(2)のように「丁寧体+から、丁寧体」になります。ただし、場合によっては、(3)のように「普通体+から、丁寧体」になることもあります。「~から」を使って丁寧に話したいときは、(2)の形を用いるほうがいいでしょう。
●「~からだ」
「~からだ」は【例文】 (3) や次の文のような形をとります。
(4)今日来たのはあなたに話があるからです。
のは からだ/です。
この形は強調構文と言われ、「今日来た」ことの理由を明確にするために使われます。
●終助詞的な「から」
終助詞というのは、文の終わりに付いて、話し手の気持ちを表したり、聞き手に働きかける助詞です。代表的なものには「課・ね・よ・な」などがあります。
終助詞的な「から」は次のような形をとって、追加的な軽い理由付けを表します。
。 から。
前文 後文
(5)いいんです。もう終わったことですから。
(6)ちょっと待ってください。お茶を入れますから。