45.「~ので」
●理由「~ので」(2文接続の「~ので」)
2文が接続して、理由を表す「~ので」は次のような形をとります。
ので、
前文 後文 (文末)
従属節 主節
1)主節と意志表現
「~ので」と「~から」は意味用法が似ていますが、「~ので」は本来、因果関係(理由と結果)や事実関係を論理的に述べるときに使われます。
(1)家賃が安いので、ここに引っ越した。
(2)きのう会合があったので、帰りが遅くなった。
「~から」は命令や誘いなどのいろいろな意志表現をとることができますが、「~ので」では命令などの強い意志を表すものとはつながりにくいようです。
(3)いい天気なので、散歩に行こう。(意向)
(4)もう遅いので、家へ帰りたい。(願望)
(5)すぐ参りますので、少々お待ちください。(依頼)
(6)?うるさいで、静かにしなさい。(命令)
(7)?うるさいので、静かにしろ。(命令)
2)「ので」の前に来る語の形
「ので」の前に来る語は普通形をとります。「な形容詞」「名詞+だ」の接続の仕方に注意してください。
動詞 | い形容詞 | な形容詞 | 名詞+だ |
行く 行かない +ので 行った 行かなかった | 忙しい 忙しくない +ので 忙しかった 忙しくなかった | 元気な 元気じゃ/ではない +ので 元気だった 元気じゃなかった | 休みな 休みじゃ/ではない +ので 休みだった 休みじゃなかった |
(8)明日は仕事が休みなので、徹夜しても大丈夫だ。
(9)明日は仕事が休みなので、徹夜しても大丈夫です。
文全体が(8)のように普通体でも、また、(9)のように丁寧体でも、「ので」の前には普通形が来ます。
ただし、丁寧な話しことばでは、次のように「ので」の前に丁寧形が接続することも多いです。
(10)ドアが閉まりますので、ご注意ください。
(11)あした伺いますので、よろしくお願いします。
●終助詞的な「ので」
「から」ほどではありませんが、「ので」が終助詞的に使われることがあります。
(11)ちょっとお待ちください。すぐ取ってきますので。
(12)A:どうしたらいいかな。
B:大丈夫です。私がやっておきますので。
●「~から」と「~ので」の比較
「~から」と「~ので」は多くの場合置き換えが可能です。ただし、両者には次のような違いがあります。
| ~から | ~ので |
文体 | 話しことば。論文などの書きことばで使ってはいけない。 | 基本的には話しことばであるが、書きことばに使うこともある。 |
主観性 | 理由付けに対する話し手の気持ち・感情を表す。 | 主に因果関係(理由と結果)や事実関係を表す。 |
意志表現 | いろいろな意志表現ができる。 | 命令などのあまり強い意志表現はできない。 |
丁寧度 | 話し方によって丁寧さを欠くことがある。 | 丁寧である。「~ます/ですので」を使ってより丁寧な表現ができる。 |
この比較は絶対的なものではなく、どちらかと言えばそう言えるという程度を示したものです。