54.「~と」
● 「~と」の意味用法
条件節全般については「~たら」のところで述べました。ここでは「~と」の文について、非過去と過去の場合について見ていきます。
1.非過去の場合
「~と」の非過去の文での用法は次の通りです。
1)前文のあと、すぐ起こったり、必ず起こる、続いて起こることを表す。
(1)メールを出すと、すぐ返事が来る。
(2)彼はお金があると、パチンコに行く。
2)一般的、客観的な条件・結果を表す。
(3)1と2を足すと、3になる。
3)現在の習慣・反復を表す。
(4)天気がいいと、毎朝ジョギングに行く。
(5)隣の犬は主人を見ると、飛んでくる。
4)「~ないと」の形で困難・警告を表す。
(6) 勉強しないと、わからなくなるよ。
(7) お金がないと困る。
2.過去の中の「~と」
「~と」が過去の文(確定条件)で使われる場合は、「発見、同一人物の連続動作、
過去の習慣」などを表します。
(8) ドアを開けると、小さな子どもがドアの前に立っていた。(発見)
(9) 男は部屋に入ると、友達に電話した。(同一人物の連続動作(=「~て」))
(10) 彼は酒を飲むと、暴力を振るった。(過去の習慣)
● 「~と」の作り方
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行かない |
忙しくない |
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●「~と」の特徴
条件文「~と、~」の特徴は次のようにまとめられます。
1)書きことばにも話しことばにも用いられる。
2)「~たら」「~ば」と同じく、前文(従属節)と後文(主節)に時間的前後関係を
必要とする。
(11)
北海道へ行くと、いつもラーメンを食べる。(
北海道へ行ってから、ラーメンを食べる。つまり前文が起こってからあと文が起き る。)
3)文末に意志表現をとることができない。
(12) ?子供が寝ると、出かけよう。
4)一般条件でよく使われる。(仮定性を表すというより、必然性を表す)
(13) 右に曲がると、郵便局がある。(一般条件)
(14) 春になると、このあたりは一面ピンク色になる。(一般条件)
5)前文と後文のつながりが大きい。
(15) このボタンを押すと、爆発する。(すぐに/必ず起こる)
条件節「~と」の主語は他の従属節と同じく、「が」をとります。
(16) あなたが行くと、みんなが喜びますよ。