「対テロ戦争(WAR ON TERROR)は間違いだった」 英国のミリバンド外相の発言である。先週、インド・ムンバイでの演説やBBC、英紙でそう明言した。 这是英国外交部长David Miliband(戴维·米利班德)的发言。上星期他在印度孟买通过演讲、BBC和英国报纸明确表达这个看法。 8年前の9・11同時テロ以来、英国はブッシュ政権に寄り添い、アフガニスタンやイラクで軍事行動を共にしてきた。その外相が率直に語り始めた。 8年前9-11之后的反恐以来,英国紧跟布什政权,在阿富汗和伊拉克一直共同实施军事行动。Miliband外交部长开始坦率地说。 「あらゆる手段でテロを根絶しなければならない。問題は、いかにそれを成し遂げるかだ」。そうした立場から外相は「対テロ戦争」という言葉や考え方に三つの過ちをあげる。 “必须尽一切手段彻底消灭恐怖主义。问题是,该怎么达成目标”。从这个立场谈起,外交部长指出了“反恐战争”的说法和考虑问题方法的三个错误。 まず、さまざまなテロ集団を十把一絡げに敵と見立ててしまったことだ。テロとひとくちに言っても、背景や歴史はそれぞれ違う。結果として、異なるテロ集団なのに連携させ、敵を増やしてしまった。 首先,把各种各样的恐怖团体归拢到一起并当作敌人对待。即便通称为恐怖主义,其背景和历史也各不相同。这样做的结果是让不同的恐怖团体联合起来,增加了敌人。 軍事力は有用だとしても、それを過信した過ちもある。戦火と犠牲者の拡大が住民たちの反発を招き、治安を悪化させ、テロを拡散させ、かえって当初の目的を果たすのを困難にした。 即便军事力量有用,也存在过度迷信军力的过错。战火和死难者的扩大导致当地居民的对抗、引起治安状况恶化、让恐怖主义扩散、相反让达成最初的目标更加困难。 制圧を急ごうとするあまり、国際法がなおざりにされ、人権侵害を誘発した。キューバにある米国のグアンタナモ収容所での人権侵害は典型だ。 过于急切地镇压,罔顾国际法、诱发了侵犯人权。在古巴的美国的关塔那摩监狱发生的侵犯人权就是典型。 9・11事件は大きな衝撃を米国民に与え、ブッシュ大統領は「これは戦争だ」と言明した。その思いは理解できなくはない。だが、その結果もたらされたのは、今なお続く二つの戦争と、イスラム世界に広がる反米感情だ。 9-11事件给美国民众以巨大冲击,布什总统声称“这是场战争”。没有人不理解这种想法。但是,伴随而来结果的是持续至今的两场战争、和伊斯兰世界扩大的反美情绪。 欧州の国々は、長い歴史のなかでさまざまなテロを経験してきた。旧植民地にまつわる紛争もあった。それだけに、マドリードの鉄道やロンドンの地下鉄を狙ったテロ事件でも、国際的な捜査協力で犯人を追い詰めるなど、米国とは違う対応をしてきた。 欧洲各国在长久的历史中经历过各种各样的恐怖事件。也有旧殖民地相关的纠纷。尤其是针对马德里铁道和伦敦地铁的恐怖事件,依靠国际性的协助搜查捕获犯罪分子等,美国的做法与此相悖。 英国も2年前のブレア首相からブラウン首相への移行を機に、米国流の対テロ戦争とは距離を置き始めていた。米国の政権交代をとらえ、この転換を明確にしたということなのだろう。 英国在两年前借布莱尔首相向布朗首相移交政权为契机,开始与美国式的反恐战争保持距离。美国把握政权交接,应该会有明确的转变吧。 昨年11月、大規模なテロに見舞われたムンバイという地でインドとパキスタンの融和と協力を語ったのも、軍事力だけでテロを根絶できると思いがちな対テロ戦争の愚かさを際立たせたかったからに違いない。イラクなどで英国自らが払ってきた犠牲への反省もこもっていよう。 在去年11月被大规模恐怖问候过的孟买,印度与巴基斯坦提出的关系缓和与互助,肯定是明了单纯依靠军事力量就可以消灭恐怖主义的通常反恐战争想法的愚蠢。在伊拉克等地英国自己付出的牺牲也要明确反省。 オバマ新政権も、ブッシュ時代の対テロ戦略とは明確に一線を画そうとしている。国務長官に指名されたクリントン氏は今後は仲間を増やし、敵を減らす国際協調路線を目指すと語った。 奥巴马新政权也将会与布什时代的反恐明确地划清界限。被提名出任国务卿的希拉里说,今后要朝向增加朋友、减少敌人的国际合作路线靠拢。 テロは根絶したい。だが「敵か、味方か」といった単純な処方箋(せん)ではとてもこの難題を解くことはできない。この事実に正面から向き合おうという新しい風である。 对于恐怖主义当然希望彻底消灭。但是“是敌人还是朋友”这样简单的处方实在无法解决这个难题。这是正面面对现实的新风气。 |