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汽车用语辞典
NOxとPMの長期規制値に対し、燃焼の改善だけでは対処しきれないものを後処理により低減させるシステムのこと。
酸化触媒方式をはじめ、パティキュレート・トラップ方式、NOx還元触媒方式など、さまざまな研究・開発が進められている。
转向不足
一定の操舵角度で旋回し、速度を上げると旋回半径が大きくなること。または、一定の旋回を続けるのにハンドルを切る事が必要な状態などをさす。
硫磺氧化物
一般称为硫化物,在自然状况下除存在与火山、温泉等处,
有代表性的如so2
大気中に一定以上存在すると人体に悪影響を及ぼすほか、窒素酸化物(NOx)とともに酸性雨の原因物質にも挙げられている。
硫黄分はディーゼル用軽油にも微量含まれていて、燃料系の潤滑の役割を果たしてきたが、最近は排ガス対策から削減される方向にある。
かつては石炭や重油を燃料として使う工場が主要な発生源だったが、日本を始めとする先進工業国では、1970年代以降脱硫装置などの導入を義務づけて排出を厳しく規制。
その結果、排出量は大幅に削減された。
しかしながら、争くの発展途上国では経済的な理由などから規制の導入が遅れており、それが酸性雨など「国境を越えた環境汚染」の原因になっているという指摘がある。
インタークーラー Intercooler
ターボチャージャーで急激に圧縮された空気は発熱・膨張し、シリンダへの充填効率が悪化してしまう。
この高温となった吸気を冷却し、シリンダへの吸気密度を高める装置。
■ターボチャージャー
ターボチャージャーは排気ガスでコンプレッサーを駆動させ、吸入空気の量を増大する機構です。排気量はそのままで、より多くの空気をシリンダ内に送り込めるため、燃焼効率が向上し、出力も増加させることができます。
■インタークーラー
ターボチャージャーで圧縮され、高温となった吸気を冷却する装置。シリンダへ冷やされた高密度の空気を送り込みます。
インディぺンデントサスペンション independent suspension
独立懸架方式サスペンション。左右両輪が別々に動くことが可能で、接地性に優れ乗り心地が良いのが特徴。スイングアーム式、ダブルウィッシュボーン式、マクファーソンストラット式がある。現在は、四輪独立式が主流である。
インパネ instrument panel
インストルメントパネルの略。計器盤のこと。ダッシュボード、ダッシュパネルとも呼ばれる。メーター類だけでなく、オーディオやエアコンの収納部品も含めていう。
ウォーターポンプ Water pump
水冷エンジンの冷却水を循環させるためのポンプ。渦巻き型の遠心式ポンプが、エンジン前部に配置されることが多い。クランクプーリー(クランク軸)からVベルトで駆動される。
エア・サスペンション Air Suspension 空気ばねを用いたサスペンション。
空気の弾性を利用するため細かい振動を吸収し、乗り心地が良いことと、圧力のコントロールによって車高を一定にできるという特徴があり、優れた機構であるが、コンプレッサーをはじめとする周辺機器が必要なので高価になるのが難点。
エア・ディフレクター Air Deflector 整流板
トラックのキャビンの屋根上に取り付け、空気抵抗を小さくするもの。燃費向上や騒音低減の効果がある。
また乗用車では、サンルーフの前に取り付ける「ひさし」状のものを指す。サンルーフを空けた時に、風の巻き込みや騒音を低減する効果がある。
大型/中型/小型トラック
一般的にトラックは大型、中型、小型、軽と分類されている。
道路運送車両法の保安基準では、軽トラックが軽自動車の規格に準じており、全長3.3m(3.4)以下、全幅1.4m(1.48)以下、全高2m以下、排気量660cc以下が軽自動車とされる。( )内数値は平成10年10月1日以降の製造車に適用。
これ以上の大きさのトラックは小型トラックと普通トラックに分類される。これは乗用車の小型5・7ナンバーと普通3ナンバーと同じ分類で全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2m以下、最大積載量2トン未満が小型に分類される。この線を境にして、税金や任意保険料が大きく変化し、小型車は4ナンバー、普通車は1ナンバーとされる。さらにすべての車両の上限として、全長12m、全高2.5m、車両総重量25トン以下という基準がある。
一方、大型トラックの分類は道路交通法による自動車運転免許制度によって分類されている。普通免許で運転できる車両総重量8トン未満、最大積載量5トン未満を中型トラックとし、それ以上のものを大型トラックと分類する。
種類 全長×全幅×全高 車両
総重量 ナンバー 免許 備考
小型 4.7m以下×1.7m以下
×2m以下 - 4 普通 積載量2t
以下
中型 12m以下×2.5m以下
×3.8m以下 8t
未満 1 積載量2tを
越え5t未満
大型 8t
以上 大型 積載量5t
以上
オイルパン
エンジン下部に取り付けられている受け皿で、エンジンオイルを溜めておくためのもの。形状が平なべ(フライパン)に似ているため、オイルパンと呼ばれる。
オイルパン・ヒーター
オイルパンを暖める電熱器のようなもの。エンジンオイルを暖め、粘性を低くすることで、寒冷時のエンジン始動性を高めるための装置。
オイル・フィルター Oil Filter
エンジンオイルの中の、金属摩耗屑等の不純物やカーボン屑等の変質物を除去浄化する装置。すべての循環するオイルを通し濾過する全流(フルフロー)式と、分岐管にて一部を通す分流(バイパスフロー)式、両方式を組み合わせたコンビネーション式がある。
オイル・フィルター・エレメント Oil Filter Element
エンジンオイルを濾過するオイル・フィルターの一部で、折りたたんでオイルの通過面を広くしてある濾紙や不織布、鉄線などの種類がある。
オーバーステア (oversteer)
一定の操舵角度で旋回し、速度を上げると旋回半径が小さくなること。または、一定の旋回を続けるのにハンドルを戻す事が必要な状態などをさす。
オーバーハング
前の車軸の中心より車体の先端までの長さをフロントオーバーハング、後ろの車軸の中心より車体の後端までの長さをリアオーバーハングといいます。
オクタン価/セタン価 Octane Value
ガソリンは炭化水素の混合物で構成されているが、そのうちのイソオクタンとノルマルヘプタンの混合割合をいう。
イソオクタンはアンチノッキング性が高く、ノルマルヘプタンはノッキングを起こしやすい。
従ってオクタン価が高いほど、ノッキングを起こしにくいガソリンであることを示している。
一方、セタン価とは燃料の着火性を表す数値で、ガソリンは低く、軽油は高い。
セタン価が高いほど、ディーゼルエンジンに適している。
オルタネーター 交流発電機。
従来の直流発電機「ダイナモ」から、オルタネーターに代わって、充電量が飛躍的に大きくなり、「バッテリー上がり」の故障も激減した。
発電機の構造はモーターと同じもので、磁石(電磁石)とコイルで構成されており、フィールドコイルに電流が流れて磁化された状態で回転すると、周囲のステーターコイルで発電が行われる。
オルタネーターは、エンジンによって駆動されており、オイルポンプと同様に、Vリブベルトでクランクシャフトプーリーからオルタネータープーリーに回転が伝達される。
温室効果ガス Greenhouse Effect Gas
二醸化炭素(CO2)を始めとする一部の気体は、太陽からの紫外線や可視光線は透過するが、地表から放射された赤外線は吸収して、それを地表に向けて跳ね返すという特性を持つ。
ちょうど地球を被うガラスのように地表の温度を上昇させることから「温室効果ガス」と、呼ばれている。
地球はこうしたガスのおかげで動植物にとって住みやすい環境に保たれてきたが、18世紀の産業革命以降、工業化に伴う化石燃料の大量消費によって大気中のCO2濃度が上昇し、地表の平均気温が高まるという現象が起こってきた。
このまま放っておくと、海面の上昇や異常気象といった深刻な問題を招く恐れがあるため、現在各国政府間で温室効果ガス排出削減のための方策を話し合っている。
CO2以外の代表的な温室効果ガスとしては、
(1)メタン(CH4)
(2)NOx
(3)N2O
(4)オゾン(O3)
(5)フロン(CFC)
(6)代替えフロン(HFC3やHCFC3)
などがあり、温室効果はCO2を1とすると、
(1)メタン(CH4)が20。
(2)NOx
(3)N2Oが100。
(4)オゾン(O3)が2000。
(5)フロン(CFC)が10000。
(6)代替えフロン(HFC3やHCFC3)
もある。
回生ブレーキ Regenerative Braking
制動エネルギーをバッテリーの充電に活用するシステムで、現在バッテリーカーやハイブリッドカーなど、電動モーターを動力源とする自動車のほとんどに採用されている。
具体的にはフットブレーキやエンジンブレーキが利いているとき、通常は動力源として働いている電動モーターを発電機に変えて、車体の慣性エネルギーを電力に転換しバッテリー内に取り込む。
モーターと発電機の原理構造がほぼ同じ事を利用したシステムで、電気自動車のエネルギー効率向上と航続距離延長に貢献する。
カーゴ一般貨物運搬用トラックのことで、平ボディ、バン、冷凍車を総称してカーゴ・トラックと言う。
ガバナ Gabana
燃料の噴射量を機械的、または電子的にコントロールし、エンジンの回転を安定させる。
とくに低速時のエンジン回転の安定化や、高速時のエンジン過回転によるオーバーランの防止に不可欠である。
慣性過給 Inertia Charging
吸気管内の空気はバルブ開閉により疎密波が形成されている。
この波のエネルギーが大きくなるように吸気管をアレンジして吸入空気量を増大させる技術。
完全燃焼/不完全燃焼 Complete Combustion/Incomplete Combustion
燃焼した場合に、可燃性の物質がその燃焼生成物に全く含まれていないように燃えた場合を完全燃焼という。
これに対し、燃焼後に、燃焼生成物の中に可燃性の物質がまだ含まれたいる場合を不完全燃焼という。
燃料の有効利用やPMと黒煙の低減には、燃料を完全燃焼させることが必要である。
艤装 Trim
本来は、船が進水した後に航海に必要な装備を備えることであるが、自動車用語としては、インパネやシートなどの内装物を取り付けることを言う。
逆止弁
過給圧の高い運転域では、排気圧よりも過給圧が高くなる場合があります。この場合、新気がEGRガス通路に侵入し、EGRガスを押し戻し、EGRが作動しにくい現象が発生します。そのため、いすゞでは新気の侵入を防ぎ、EGRガスの逆流を抑える逆止弁を世界で初めて採用しました。
排気圧が過給圧より高い時は逆止弁を開きスムースにEGRガスを送り込み、逆に排気圧が過給圧より低い時には逆止弁を閉じ、新気のEGRガス通路への侵入を防ぎ、排気圧が次に高くなった時に瞬時にEGRガスを循環させることができます。このシステムにより、過給圧の高い運転域でもEGRガスを逆流させずに一方向(ワンウェイ)に流すことが可能となり、NOxをさらに低減することができました。
キャブ・サスペンション Cabin Suspension
キャブオーバー・トラックでキャビン(運転台)をスプリングとショックアブソーバーを介してフレームに架装し、乗り心地を良くしたもの。
空気過剰率 excess air ratio
エンジンに供給した実際の燃料と空気の混合比(空燃比)と理論空燃比との比率で、エンジンに吸入される混合気の空燃比を理論空燃比で割ったもの。
この逆数を等量比という。燃料を完全に燃焼させるのに必要な空気量に対して実際に供給される空気量の割合。
空車状態
原動機および燃料装置に燃料、潤滑油、冷却水などの全量を搭載し及び当該車両の目的とする用途に必要な固定的な設備を設けるなど運行に必要な装備をした状態。
クールドEGR Cooled Exhaust Gas Recirculation
EGRは、一度排出されたガスを再び吸入空気と混合し、燃焼温度を低下させることで、NOxを低減。
クールドEGRはEGRの再循環パイプの途中に水冷式のクーラーを設置。
燃焼によって高温化した排出ガスを クーラーで冷却してから吸気側に送り込み吸気温度を下げることで、通常のEGRよりさらに燃焼温度を低下 させ従来以上のNOx低減の効果が得られます。
空燃比 Air-Fuel Ratio
ガソリン・エンジンは、あらかじめ混ぜ合わせた空気と燃料をシリンダーの中で、圧縮して点火・燃焼させるが、その空気との質量の比率を表した数字。
空撚比14:1であれば、空気14gに対しガソリン1gということになる。
中でも空気中の酸素とガソリンが、いずれも完全燃焼する値を「理諭空燃比」といい、日本でレギュラーガソリンを使った場合、おおよそ14.8:1前後になる。
もっとも、エンジンパワーをフルに絞り出すためには、空撚比13~14:1程度のやや濃い混合気が必要で、逆に燃費は16:1以上の薄い混合気を燃やしたほうがいい。
しかし、現在一般に普及している、三元触媒を排ガス浄化装置として用いたガソリン車は、理諭空燃比よりも薄い混合気で走ると触媒の機能が阻害されて、NOxの排出が増える。
そこで、もっと極端に薄い混合気でも回るように設計したのがリーンバーンエンジンで、ガソリン車の燃費向上の切り札として期待されている。
クラッチ Clutch
動力の伝達を断続する装置。
通常は、エンジンの動力を駆動系に伝達、切断する装置をさす。
軽油 Diesel Oil
石油を分留してつくった液体燃料のひとつ。
ガソリンの沸点が30~200℃の間にあってその範囲で分留されるのに対し、軽油はより高温の200~350℃で分留される。
つまり、ガソリンと比べると気化しにくく引火温度も高いため安全性は高いが、その一方で自然発火温度はガソリンよりも低い。
そのため、スパークプラグを持たず燃料の自然発火に頼るディーゼル・エンジンに向いている。
現在一般に売られている軽油には硫黄分が0.5%程度含まれているが、ディーゼル車からの硫黄酸化物(SOx)の排出を減らすために、今後徐々に削減される方向にある。
最近は植物などを原料にした代替軽油(RME)や硫黄分などを含まない化学合成軽油の研究も盛んだ。
軽量素材 Light Weight Materials
製品を軽くするための素材。
自動車の場合、重量は燃費や動カ性能に直接関わってくる。
従来の鉄やガラスより軽い金属やプラスチックに代える発想は昔から存在したが、量産車の場合、コスト上の制約等が課題となっていた。
しかしながら、最近になってCO2の排出削減という新たな難問が浮上し、さらに衝突安全基準をクリアする上でも重いボディが不利であることが明らかになってくると、コストとの両立を巧く図りながらできる限り車体を軽量化しようという動きが、自動車メーカーのあいだで活発化してきた。
現在実際に量産車に使われている軽量素材は、アルミニウムやマグネシウムに代表される軽金属類、各種のFRP(繊維強化プラスチック)やエンジニアリング・プラスチック、高張カ鋼などだが、最近はリサイクルしにくいFRP等に代わって、自動車の古典的な軽量化手段であるアルミやマグネシウムが、そのリサイクル性の良さから再び脚光を浴びつつある。
高圧噴射 High-Pressure Fuel Injection
燃料を高圧で小径多噴口のノズルから噴射することで噴霧を微粒子化する技術。
燃料と吸気との混合が促進され、短時間で効率の良い燃焼を実現する。
拡散燃焼時のPMやスモークの低減に効果がある。
公害対策基本法/環境基本法
公害対策上の政府の基本姿勢を明らかにするために、1967年に制定された。
事業者、国及び地方公共団体の公害防止に関する責務を明らかにし、環境基準を設定している。
その後、「公害国会」と呼ばれた1970年に改正。1993年には再度見直され、環境行政を総合的に進めるため、「環境基本法」として制定された
光化学オキシダントと環境基準 Photo-Chemical Oxidant
環境基準での光化学オキシダントとは、オゾン、PAN、その他光化学反応により生成される酸化性物質で、その部分はオゾンとみなされている。
「大気中濃度の1時間値が0.06ppm以下」とされている。
尚、PANはPeroxy-Acyl-Nitrate(パーオキシアセチルナイレート)の略。
目やのどに強い刺激を与える物質で、自動車排出ガス中に含まれる炭化水素や窒素酸化物が、太陽光線(特に紫外線)の照射を受けて生成される。化学記号はR・CO3・NO2。
高張力鋼 High Tention Steel
英語で、ハイテンション・スチールと呼ばれる引張強度50~100kg/mm2の特殊鋼。
普通鋼の成分を改良したり、熱処理や圧延加工を加えてつくる。
強度を保ちながら肉厚を減らせるため、ホディ軽量化の有効な手段として1980年代以降、自動重メーカーの間に普及した。
同じ軽量素材でも、アルミやプラスチックと違って、プレスや溶接に特殊な技術を必要とせず、補修やリサイクルも比較的容易。
コストは普通鋼より高いが、アルミなどと比べると割安だ。
そんなこともあって、自動車への便用はますます増えており、最近登場した新型車の中には鋼材の半分以上を高張力鋼にしているものもある
小型/大型粒子状物質測定装置 (分流/全流式希釈トンネル装置)
排出ガスと外気とをコンピューター制御によって厳密に混合した後サンプルを採取し、重量や透過率などを分析する最新の排出ガス測定装置。
黒煙 Black Smoke
ディーゼル燃焼により排出される黒色の煙を称することが多い。
測定単位は不透明度(%)が用いられ、全くの黒煙の無い状態を0%、光が完全に遮断された状態を100%とします。
コーナリングフォース cornering force
タイヤのスリップ角をもってコーナリングする時、接地面に発生する摩擦で、進行方向に対して直角に働く力をいう。英語では(lateral control force)とも呼ばれ、CFと略す。
コージェネレーション・システム
1種類のエネルギーから電力と熱など連続的に2種類以上のエネルギーを発生させるエネルギー供給システム。
コモンレール
コモンレールとは、高圧化した燃料またはエンジンオイルを蓄え、各インジェクターへ均一に与えるための部屋(オイルレールまたはコモンレール)を示します。
より高圧での燃料噴射を実現することでPM・黒煙を低減し、電子制御で噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)をきめ細かく、自由に制御することでNOxを低減します。
現在、燃料の加圧にエンジンオイルを利用するものと燃料を直接加圧する方式の2種類が実用化されており、いすゞではSUV用エンジンにエンジンオイルを利用したものを、また、大・中型トラックでは燃料を直接加圧する方式を採用しています。
従来の噴射ポンプの場合、噴射圧力はエンジン回転数に比例しており、低回転域では噴射圧力を上げることが困難だったため、燃料噴射ノズルの小噴口化と組み合わせていました。
コモンレールシステムはエンジン回転数に関係無く噴射圧力を自由に制御できるため、走行状況にかかわらず、つねにクリーンな排出ガスを実現します。
転がり抵抗 Rolling Resistance
自動車の燃費を改善するためには、エンジンの効率向上と並んで、走行抵抗を減らす努カが必要だ。
その走行抵抗は、車体が受ける空気抵抗・ギアボックスやディファレンシャルを駆動する上で生じる機械抵抗と並んで、タイヤの転がり抵抗が大きな割合を占めている。
一般に、タイヤの転がり抵抗は、路面との接触面積に比例する。
タイヤの幅を広げるとその分抵抗が大きくなるし、空気圧が落ちても接地面積が拡大して抵抗が増加する。
最近は、CO2排出削減という社会的要請を受けて、タイヤメーカーは、転がり抵抗の小さいタイヤの開発を進めており、それらを総称してグリーンタイヤと呼ぶ場合がある。
混合気 Air-Fuel Mixture
エンジンの燃焼過程において、空気と燃料が混ぜ合わされたものを「混合気」という。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンは、「自己着火」と「火花点火」といった着火方法の違いがあり、混合気の生成の仕方も異なっている。
ディーゼルエンジンが、混合気を燃焼室内で生成させる「不均一混合」であるのに対し、ガソリンエンジンは、燃焼室外で予め混合しておく「予混合」である。
コンプレッサー
圧縮機。自動車では一般的にターボチャージャーやスーパーチャージャーの部品としての圧縮機を指す。エンジンに吸入する空気を圧縮(過給)し、圧力を高める。
ターボチャージャーのコンプレッサーは排気タービンに直結したブレードをもったホイールを回すタイプが多く、スーパーチャージャーでは、二個のまゆ型断面のローターをハウジングの中で回すタイプが多い。
最小回転半径
最大舵取り角で徐行する場合で、外側のタイヤの接地面中心が描く最大半径の軌跡。12m以下と決められています
再生プラスチック Recycled Plastics
回収した廃プラスチックを原料にしたプラスチック部品。
プラスチックは燃えると有害ガスを発生したり、高熱を発してゴミ処理焼却炉を傷めたりする。
資源保護という観点からも再利用が望ましいが、そのためには同じ種類のものを大量に回収する必要がある。
再生コストそのものは比較的安いが、一般に質が低下するため、同じ用途には使わない。
最近は自動車業界でも再生プラスチックの使用量が急増しており、一部メーカーは既にバンパーやアンダーカバーなどの大物部品を再生プラスチックに代えている。
リサイクルを効率化するためには、材質コ一ドの刻印を徹底するとともに、使用するプラスチックの種類を減らす努力が必要だ。
最大安定傾斜角
空車状態の自動車を左右に傾けた場合、反対側の車輪の全部が接地面を離れる時の、接地面と水平面のなす角度。
左右それぞれ35°以下で、転覆しないことが条件になっています
最大積載量 保安基準に適合して安全な運行を確保できる範囲内において、積載することができる積載量のうち最大のもの。
最低地上高接地面と自動車の中央部分の最下部との距離。
グランド・クリアランスとも呼ばれ、乗用車では150-180mmが普通。
材質ラベリング Material Labelling
製品を廃棄後リサイクルしやすくするために、部品ごとに材質を表示したマークをつけること。
解体した部品を素材ごとに分類する際、作業効率を大いに高める効果がある。
特にプラスチック製品の場合は、材質表示がないと種類の判別が困難であるため効果があり、日本でもぺットボトルなどは国際表示にしたがって材質コードを刻印することが義務づけられている。
自動車の場合は便用するプラスチックの種類が多岐にわたるため事は単鈍ではないが、最近は多くのメーカーが、ごくごく小さい部品を除いて材質コードを刻印する努力を行っている。
サーペンタインベルト serpentine belt
サーペンタインベルトとは、確実な動力伝達のために歯付きベルトや数個の補機を1本のベルトで駆動するものをいう。ウォーターポンプ、オルタネーター、パワーステアリングポンプなど多数のプーリー(滑車)をクランクプーリーで駆動する時に使われる。
サルフェート(硫酸ミスト) Salfate
SO2(二酸化硫黄)は、日光によってSO3(三酸化硫黄)に変化し、空気中の水分を吸収し、液体粒子として空気中を長時間浮遊しているが、これをサルフェート(硫酸ミスト)という。
硫化イオン+H2Oというイオン状態で、反応しやすくなっている。
また、粒子化されることによって人体の肺の奥まで届くことがあると言われている。
軽油中のわずかな硫黄分(S)が燃焼によって酸化されることが発生の原因。
すでに軽油に含まれている硫黄分の削減が行われており、今後もさらに低減される見通しである。
酸化触媒 Oxidizing Catalyst
自動車の排ガス浄化装置として使われる触媒のうち、酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)を酸化して無害化する機能を備えたもの。
最近のガソリン・エンジン車は、これに窒素酸化物(NOx)を還元・無害化する機能を加えた三元触媒を使うのが普通。
しかしながら、ディーゼルは機構上三元触媒が使えないため、EGRなどのNOx低減システムとこの酸化触媒を組み合わせて使ったりする。
酸化触媒はパティキュレート(浮遊性微粒上物質)を取り除く効果も高いため、排ガス対策の決め手として、最近乗用車を中心に多くのディーゼル車に採用されるようになった。
三元触媒 3-way Catalyst
ガソリン・エンジン車の排ガス浄化装置として現在最もポピュラーなシステム。
排ガスに含まれる3大有害物質、一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)・窒素酸化物(NOx)を、同時に酸化もしくは還元して除去する。
その場合、COとHCは酸化して、二酸化炭素(CO2)と水蒸気(N2O)に変え、NOxは還元して窒素(N2)と酸素(O2)に変えてそれぞれ無害化する。
ただし三元触媒は、排ガス中の炭素・水素・酸素の量的バランスがとれていないと機能しないため、これを採用した自動車は、排気側のO2センサーや吸気側のエアフローセンサーからの情報をもとに、燃料供給量を細かく調整して、エンジンの空燃比を常に理論空燃比近くに保ってやる必要がある。
そのため、機構上空燃比の精密なコントロールができないディーゼルには適用不可能であり、ガソリン・エンジンの場合も、様々な情報をもとに瞬時に燃料供給量を演算できる電子制御技術の発達があって初めて実現可能となったシステムであった。
自己着火(圧縮着火)/火花着火 Self Ignition
シリンダ内で圧縮された高温高圧になった空気中に燃料を噴射することで自然着火させる、ディーゼルエンジン独特の着火方式のこと。
これに対しガソリンエンジンはスパークプラグの火花を利用して点火させる火花点火方式。
湿式クラッチ (wet clutch)
クラッチ本体の中に油を入っており、摩擦が油の中で起こることにより冷却効果と摩擦保護を両立するクラッチ。
自動車NOx削減法 NOx Reduction Law
極端に交通量の多い地域のみ、ディーゼルエンジンのNOx排出量を規制する法律。いわゆる「総量規制」。
1993年2月から東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫の100市町村で施行された。
この規制をクリアできないと車検が通らないが、現在、適応されているのは貨物車だけ。RVなどの乗用車は対象から外されている。
正式名称は「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」。
車両重量 空車状態における車両の重量。
車両総重量(GVW)
定員が乗車し、最大積載量の荷物を積んだ状態での車両全体の重量のこと。
上死点/下死点 Top Dead Center/Bottom Dead Center
ピストンの作動工程のうち、ピストンの上昇限度を上死点と呼ぶ。
逆に下降限度を下死点と呼ぶ。
触媒予熱装置 Catalyst Pre-heating System
現在、ガソリン・エンジンを積んだ自動車の排ガス浄化システムは、その働きの多くの部分を触媒装置(キャタライザー)に頼っている。
排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)・一酸化炭素(CO)・炭化水素(HC)などを、触媒の働きで酸化・還元し、二酸化炭素(CO2)や水蒸気(H2O)に変えて無害化することで、有害物質の排出を減らしているのである。
しかしながら、触媒が働くためにはいくつかの条件が必要で、その一つは温度だ。
触媒装置の中の温度が最低でも300℃以上に達しないと、化学反応は促進されない。
そのため、エンジンの暖気が進んでいない状態では触媒が十分機能せず、相当量のCOやHCが排出されることになる。
最近は自動車メー力一もこの点に着目して、触媒の温度が少しでも早く上がるよう、キャタライザーの位置をエンジンに近づけるなどの工夫を行っているが、最終的な解決策として最近浮上しているのが、触媒を予熱する装置の採用だ。
ただし、触媒全体を予熱するためには多大な電力が必要で、時間もそれなりにかかるなど技術的課題も残っており、専門家の間にも実用化はいま少し先と見る人が多い。
水性塗料 Water Paint
揮発性の有機溶剤を含まない塗料の総称。
自動車産業では、1980年代末から1990年代にかけて、環境対策の一環として、大々的に導入された。
それまでのいわゆる「油性」の塗料は、乾く過程で溶剤が蒸発して、有害な炭化水素(HC)になる。
自動車排ガス中のHC同様、大気汚染の原因にもなっていた。
日本などは早くから有機溶剤の取扱いに関する法規制を整えていたが、ヨーロッパでは対応が遅れていたため、1980年代に入ると油性塗料の使用そのものが環境保護団体の攻撃の対象になった。
そのためヨーロッパの自動車メー力一の多くは、使用する塗料を順次水性に切り替える処置を採ることになった。
現在ドイツや北欧諸国などでは、自動車の塗装工場の多くは内部の空気が外に漏れないようカプセル化して、空気を浄化する処置を取っている。
そのため、たとえ油性の塗料を取ったとしても、HCはほとんど外に緋出されない
水素エンジン Hydrogen Engine
従来のガソリンの変わりに水素を燃料としたエンジン。
水素は燃やしても水蒸気になるだけで、地球温暖化につながる二酸化炭素や一酸化炭素、炭化水素などの有害物質を発生しない。
しかも元素としては地球上に無尽蔵にある。
まさに内燃機関を積んだ従来型の自動車にとっては、最後の望みとも言える燃料だ。
ただし問題は、従来の化石燃料と比べて供給システムの確立が難しい点。
気体として運ぶには、かさばりすぎるし、万が一にも引火すれば爆発の危険もある。
かといって液体化するには、マイナス253℃以下に冷やす必要があり、それを燃料として運ぶためには、きわめて強力な冷凍装置が必要だ。
そうした理由から、水素エンジンの実用化は長い聞夢物語と思われていたが、最近になって水素吸蔵合金を燃料タンク代わりに使う研究が進み、にわかに実現の可能性が開けてきた。
もっとも、同じ水素を燃料にするのであれば、内燃機関である水素エンジンよりも燃料電池で走る電気自動重の方が、エネルギー効率が高く合理的という意見もある。
水素吸蔵合金 Metal Hydride
条件次第で水素ガスを大量に吸い込んだり、また吐き出したりする合金の総称。
ランダン・ニッケルや鉄・チタンの合金など、幾つかの種類が確認されている。
燃やしても水蒸気しか発生しない水素は「究極のクリーン・エネルギー」と呼ばれており、最近はフューエルセル(燃料電池)の燃料としても脚光を浴びている。
それに併って水素を安全に運ぶための様々な手段が検討されているが、水素吸蔵合金は有力候補の一つ。
ガスタンクの数分の1の容積で同じだけの水素を運べる上に、爆発などの危険がないのが特長。
水素自動車 Hydrogen-Powered Vehicle
水素を圧縮して高圧ボンベに充填する方法や、極低温容器に液化保存する方法、水素吸蔵合金を利用する方法によって貯蔵し、エネルギーとして使用する。
排出ガスは水とNOx(排出量はガソリンエンジン並)だけのクリーンなエンジンである。
燃料製造技術・貯蔵技術がまだまだ研究の余地を残している。
水冷式ディーゼルエンジン/空冷式ディーゼルエンジン Water-cooled/Air-cooled Diesel Engine
ディーゼルエンジンでは、燃料の熱エネルギーの約30%~34%を動力に転換することができるが、残りの66~70%が熱損失となり、外部に放出される。
この熱損失をできるかぎり抑え、エンジンを効率的に稼動させるためには、エンジンを高温になりすぎないようにする必要がある。
これを行うのが冷却装置であり、その冷却方法により、水冷式と空冷式とに分けられる。
冷却水を循環させるのが「水冷式ディーゼルエンジン」であり、空気を循環させるのが「空冷式ディーゼルエンジン」である。
ディーゼルエンジンでは水冷式のほうが多い。
スタッドレスタイヤ Studless Tire
氷雪上で用いるタイヤ。1980年までは、スパイクタイヤが用いられていたが、舗装路を削る事によって粉塵が発生する事から、環境問題へと発展し世界的に廃止された。このことにより、スタッドレスタイヤが登場した。
スパイク(スタッド)を用いない(レス)事からスタッドレスタイヤと呼ぶ。
スタッドレスタイヤは、通常のタイヤに比べ溝が深く 雪や氷を噛みやすい構造になっている。
ストラット式サスペンション Strut type suspension
ステアリング機構の一部と、コイルスプリング、ショックアブソーバーを、一体に組み合わせたサスペンション形式。GMの技術者、マクファーソンが発明したことから、マクファーソン・ストラット(Macpherson strut)とも呼ばれている。構造がコンパクトであることから、前輪のサスペンションに使われることが多い。
スパイクタイヤ Spiked Tire
氷雪上で使用されるタイヤ。トレッドに金属や硬質状のスパイクを埋め込み、グリップ力を高めている。舗装路を傷つけ、粉塵が発生し環境問題に悪影響を及ぼす事から、世界的に規制されている。日本では現在は販売されていない。
スモークリミット
ディーゼルエンジンの黒煙発生限界のこと(一般的には可視可能なスモーク)。
ディーゼルエンジンでは、ある回転で負荷や燃料噴射量などが過剰になり、ある限度を超えると黒煙の発生が始まる。この限度を『スモークリミット』という。
スワール Swirl
シリンダ内の空気の旋回流のことで、吸気ポートの形状をらせん状にするなどして作り出す。
吸気に適度の渦を作ることで空気と燃料の混合を促進し燃焼効率を高める。
燃料の高圧噴射との組み合わせによって、よりすぐれた燃焼を得ることができる。
ゼオライト Zeolite
種々の火成岩中に含まれる鉱物の一種。
吸着剤や分子のふるいなどに用いられる。沸石とも言う。
銅をイオン交換により組み込み、ディーゼルエンジンの触媒として使用可能となるが、還元率が低く、使用温度範囲が狭いなど、現時点では技術的課題が多い。
セルモータースターターモーターのこと。バッテリーの電源を使って、エンジンを始動するモーター。
旋回軌跡 工事現場に資材を搬入したり掘り起こした土を運び出したりするトラックが、どのような軌跡を描いて走行するかを示す図面。
全長車両の一番前から一番後ろまでの寸法。
但し、 SUV車などで、後ろに背負っているスペアタイヤ本体は、全長に含まれません。
全負荷・部分負荷
全負荷:そのエンジン回転でもっともトルク(出力)がでる点。
部分負荷:エンジン回転で全負荷の出力を出さない点。
一般には20%負荷、50%負荷等、表現される。通常の走行では部分負荷による走行がほとんど。
全幅車の最も広い横幅の部分で測定した寸法。
但しドアミラーの出っ張り部分は全幅に入りません。
層状燃焼 Stratified Combustion
エンジンの燃焼室内に送り込まれる混合気(空気と撚料が混じったもの)に、意図的に濃淡をつけて、そこでの燃焼を活発に行われる部分と不活発な部分に多層化すること。
ガリリン・エンジンの燃費向上手段であるリーンバーンを極限まで推し進めるための技術として、最近注目を浴びている。
リーンバーンは、通常よりも薄い混合気でエンジンを運転させる技術だが、混合気を単鈍に薄くすると着火性が悪くなるため、従来は空燃比(空気とガリリンの質量比)22~23:1あたりが限界といわれていた。
層状燃焼は、燃焼室内の温合気を点火プラグ近くでは濃い目に、そこから離れた部分では薄めに、というようにコントロールすることで、50:1を超す高い空燃比でも対応可能にしている。
もっとも、一般的なガソリン・エンジンは、吸気が燃焼窒に入る前に燃料を噴射して混合気の均質化を図っているため、層状燃焼の達成は容易でない。
そういう意昧では、層状燃焼は直噴ガソリン・エンジン特有の技術の一つと言ってもいい。
層流燃焼
層状混合気による燃焼のこと。層状混合気は濃い混合気と薄い混合気を層状にシリンダ内につくり、全体としては薄い混合気により燃焼を速やかに行なうもの。比較として、均質混合気による燃焼、不均質混合気による燃焼がある。
第五輪荷重
トラクタとトレーラーの連結部で、施回の中心軸となる部分を第五輪といいます。
第五輪荷重は最大積載量の荷物を積載したきの第五輪での過重負担のこと。
代替フロン Hydro-Fluorocarbon
タイミングリタード Timing Retard
燃料噴射のタイミングを上死点の直前まで遅らせ、予混合燃焼時の爆発的な燃焼を抑え、NOxを低減する技術。
タコグラフ Taco Graph
自動車の運行状況を連続的に記録する装置。
スピードメーターと時計を組み合わせ、白い塗料をぬった円盤状の記録用紙を時計で回し、速度計と連動して動く針の先で塗料をけずって時刻と速度をグラフに記録するようになっている。
タクシーやトラック、バスなどの営業車に多く装備されている。
ダブルウィッシュボーン式サスペンション
double wishbone type suspension
上下一対(double)のアームで車輪を懸架するサスペンション。アームがV字形をしており鎖骨(wishbone)の形に似ていることからダブルウィッシュボーン式サスペンションと呼ぶ。現在は、動きは同じでもアーム・リンクの形状はウィッシュボーンの形をしていないが、代表的な名前から現在でもそのまま残っている。剛性が高く、操縦安定性が高いが構造が複雑でスペースを要する。
炭化水素 Hydro-Carbon
窒素酸化物 Nitrogen Oxides
一酸化炭素(CO、炭化水素(HC)とならんで、自動車の排ガスに含まれる3大有害物質の一つ、ノックス(NOx)ともいう。
中間生成物
燃料が熱分解等で部分酸化したものを一般には言うが、最後は水とCO になる(COもある)。アルデヒド、オレフィン、ケトン等があり、ラジカルも中間生成物に含まれているが、中間生成物の特定は困難。
直接噴射式(直噴式) Direct-Injection
燃料をノズルから直接、燃焼室に噴射する方式。
その燃焼は「着火遅れ期間」「予混合燃焼」「拡散燃焼」「後燃え期間」の4行程からなる。
副室式と比べると燃焼室内の過流が弱いので、燃料と空気の混合が難しいが、最近では吸気ポートの工夫(シリンダ内にスワールを作る)や燃料の高圧噴射によって随分と改善されている。
また、この高圧噴射はNOxとPMの同時低減にも一役買っている。
直接噴射式は熱損失が少なく燃費が良いので、現在、物流の中心となっている中・大型トラックの主流となっている。
直噴ガソリン Direct-Injection Gasoline Engine
燃料を燃焼室内に直接噴射する機構を備えたガソリン・エンジン。
従来のガリリン・エンジンは、吸気管の途中にキャブレターや燃料噴射装畳を設け、吸気の負圧を利用して燃料を混ぜ含わせ、それをシリンダー内に導いて燃焼させていた。
それに対して直噴タイプは、シリンダー内にまず空気だけを導き入れ、燃料はシリンダーヘッドに装着された高圧噴射装置から直接燃焼室内に噴射する。
この方式を採用すると、層状燃焼が比較的容易に実現するため低負荷領域で極端なリーンバーン運転が可能となり、燃費が改善する。
また、燃焼室内に噴射された燃料は、気化する過程で周囲の熱を奪うため、燃焼室の温度が下がり、その分ノッキングの限界が上がって出力の向上も期待できる。
直噴ディーゼル Direct-Injection Diesel Engine
燃料をシリンダー内に直接噴射して燃焼させるディーゼル・エンジンの総称。
ガソリン・エンジンと違い、ディーゼルはもともと燃料を燃焼室内に噴射して爆発させる仕組みを採っている。
しかし、シリンダー内に直接噴射するには非常に高圧の噴射装置が必要で、燃焼制御も難しいことから、ディーゼル車の多くは長い間シリンダーの横に別の小部屋(副燃焼室)を設け、そこに燃料を噴射して徐々に火焔を燃焼室全体に行き渡らせるという方式(=間接噴射)を採ってきた。
しかし、パワー/燃費はやはり直噴のほうが有利であるため、1970年代後半からまず大型トラック用ディーゼルの直噴化が進み、次第に商用車全体に普及した。
乗用車用直噴ディーぜルは、商用車以上に高圧・高精度の燃料噴射装置が必要になることから実用化が遅れていたが、現在では日欧の複数のメーカーが商品化に成功している。
特にターボチャージャーと直噴ディーセルの組み合わせは、自動車用内燃機関としては現在もっとも燃費効率のいいシステムであり、CO2排出削減につながるエコロジカルな選択として、今日ヨーロッパを中心に多くの人々の注目を集めている。
ディーゼルハイブリッド車 Diesel Hybrid Vehicle
制動時に生じるエネルギーを回収し、発進時の高負荷時に補助動力として再利用するシステムを内蔵する自動車。
油圧を用いる「ディーゼル・蓄油圧ハイブリッド自動車」と電気による「ディーゼル・電気ハイブリッド自動車」の2方式がある。
路線バス等にすでに導入がはじまっており、実現性の極めて高い、省エネルギー・低公害車である。
ディスクブレーキ disk brake
ディスクブレーキは、車軸と一体になって回転するディスクをブレーキパッドで挟み、その摩擦によって制動力を確保するシステム。放熱性に優れ、高速からの制動に特に威力を発揮する。
トーションバー torsion bar
トーションバースプリングを略したもので、鋼鉄製の棒で作られたスプリングである。大きなストロークはとれないが軽量かつ単純な構造であるため、効率の良いスプリングとして知られている。
登坂能力
車両総重量の状態(定積状態)で、乾燥路面で停止状態からスタートして、水平距離で1m進んだと仮定した時、何センチの高さまで登れるかというもの。
単位はtanシータで表示。
トラクションコントロール・システム traction control system
駆動力制御システム。雪道等滑りやすい路面での発進、加速時に過剰な駆動力によってタイヤが空転しないようにコントロールするシステム。燃料の噴射量、点火時期、スロットルバルブの制御によってエンジンの出力を下げ、駆動力小さくする方式と駆動輪にブレーキをかけるシステムがある。
トラクター・セミトラクター Tractor/Semi-Tractor
トレーラーを牽引する車両で、フルトレーラーを牽引するものがフルトラクター、セミトレーラーを牽引するのがセミトラクター。
フルトラクターはトレーラーを切り離せば通常のトラックとしても使えるが、セミトラクターはトレーラーを牽引するだけ。
トランスアクスル transaxle
トランスミッションとファイナルドライブ(アクスル)ギヤを同じケースに組み込んだユニットで、ほとんどの車が採用している駆動系の機構。
普通はエンジンと一体となって配置されている。但し、ポルシェ928では、重量配分を良くするためフロントエンジンでリヤにトランスアクスルを配置している。
トルク(軸トルク/軸回転力) Torque クランクシャフトで発生する回転力のこと。
Kgmという単位で表され、爆発力が強いほど大きな値になる。
一本の軸に1メートルの長さの腕を直角に付け、その先に1kgの重りを付けたときの軸に加わる回転力が1kgmとなる。
トルクコンバーター torque converter
オートマチック車に使われている流体を使って動力を伝える装置で、トルクを増幅させる機能のあるもの。コンバーターは変換機の意味で、マニュアルトランスミッション車におけるクラッチとトランスミッションの働きを一部同時に行い、エンジンの回転力(トルク)を2~3倍に強める働きをする。普通トルコンと略していわれる。
ドーナツ形のケースの中に向かい合った羽根車をセットしてオイルを満たし、エンジンの動力によって回転するポンプ羽根車でオイルの流れを作ってタービン羽根車を回すという構造。トルクコンバーターには、動力の「滑り」があるため、マニュアル車よりも10~15%燃費が悪化する。
トレッド tred
空車状態で、左右のタイヤ踏面の中心と中心の距離。フロント側とリア側では若干の違いがあるのが普通です
内径×行程(ボア・ストローク レシオ)
エンジンのスペック(諸元表)として使われる表記方法。エンジンシリンダーの内径がボアで、上下に往復するピストンの動きの上下寸法がストローク。この2つの比率を「内径×行程(ボア・ストローク レシオ)」という。
同じ排気量でも、ボアが大きくてストロークが短いエンジンと、逆にボアが小さくてストロークが長いエンジンがあり、
(1) ボアとストロークの寸法が同じタイプをスクエア・ストローク・エンジン
(2) スクエア・ストローク・エンジンよりもボアが大きいタイプをショート・ストローク・エンジン
(3) ストロークの方が大きいタイプをロング・ストローク・エンジン
という。
一般的に、ショート・ストローク・エンジンは、高回転エンジンに仕立てやすく、出力は大きくなるが、燃費が悪くなりがちで、逆にロング・ストローク・エンジンは、高トルクエンジンに仕立てやすく、燃費は良くなるが出力は小さくなりがちな傾向があった。現在ではエンジンの材質の向上や、カム機構、ベアリング機構などの進歩で、ボア・ストローク レシオだけでのエンジンの性格判断はできなくなっている。
ニシボリック・サスペンション
平成2年3月に発売開始したいすゞニュージェミニに搭載されたナチュラル4WS(四輪操舵)サスペンション・システム。
コーナリング初期は後輪をステアアウト(外側を向く動き)させてハンドリングをクイックにし、その後は後輪をステアイン(内側を向く動き)にしてコーナリング中の走行安定性をさらに高めるという機能をシンプルなメカニズムで実現したもの。
コーナリング時の横力(横G)発生とロール(傾き)発生の時間差に着目し、コーナリング初期には、リアサスペンション・ブッシュのたわみによって後輪がステアアウト。この動きがクルマの鼻先をすばやくコーナーにむけるキッカケをつくる。その後車両のロール発生に伴いラテラルリンクの取り付け位置に工夫を凝らしたリヤサスペンションが後輪をステアイン。確かな走行安定性を発揮する。
尿素触媒 Urea Catalyst
尿素を加水分解して得られるアンモニアによって、酸素過剰中でも選択的にNOxだけを還元するもの。
もともと工業プラントなどで行われている手法で、技術的にも確立されており、すでに欧州では大型トラックのNOx対策の本命として、導入準備が本格化している。しかしながら、尿素を供給するインフラ整備や耐久性など課題も残っている
熱可塑性樹脂 Thermoplastic Resin
加熟すると軟くなって可塑性(型などに入れて形を与えるとそれを保持しようとする性格)を示し、冷やすと硬化するプラスチックの総称。
一般に、その加熟と冷却による変化は何度でも繰り返すことができることから、成形・リサイクルともに容易な材料といえる。
それに対して、熱硬化樹脂は加熱すると硬化してもとに戻らないプラスチック材で、強度・耐熱性に優れたものが多いが、リサイクルが難しいため自動車部品には最近使われなくなった。
熱効率 Heat Efficiency
エンジンなどのエネルギー効率を数値化したもので、燃料を燃やすことで生じた熱エネルギーのうち、どれだけが有効な仕事に変換されているか%で表したもの。
熱効率が高いほど、出力あたりの燃料消費は少なくなる。
現在自動車に使われているガソリン/ディーゼル・エンジンは、最高25~30%の熱効率を実現可能といわれるが、実際には運転状況などによって大きく左右され、そこまで達しない場合が多い。
特に低負荷走行での熱効率の悪さが課題で、その改善手段として現在、ガソリン・エンジンの直噴化や、電気モーターと併用して使うハイブリッド方式などが試みられている。
燃焼室 Combustion Chamber
燃焼状態は燃焼室の形状に左右されるので、コンパクトで燃焼時間を短くできること、混合気に適切な乱れを与えられることなどをポイントとした設計が行われている。
ディーゼルエンジンの形状は、簡単な構造(シリンダヘッド、シリンダ、ピストンで構成)の「直接噴射式」と、予燃焼室を設ける複雑な「副室式」の2つの形状に大別できるが、副室式は直噴式より燃焼室の表面積が広いので熱損失が大きく燃費が悪化し、耐久性にも問題が残る。
そのため、現在、物流の大黒柱となっている中・大型トラックの燃焼室は直噴式が主流となっている。
燃料消費率(燃費) Fuel Consumption Ratio
エンジンがある一定の仕事をするとき、どのくらいの量の燃料を消費するのかを数値で表したもの。
ある一定の回転数で全負荷の状態で、1時間に1馬力あたりに使用する燃料消費量をグラムで表したもので、g/PShという単位を使う。
燃料消費率が小さいほど燃費の良いエンジンといえる
燃料噴射装置 Fuel Injection System
ガソリンエンジンの2倍もの噴射圧力によって、燃焼室に必要量の燃料を吹き込む装置。
主に「噴射ポンプ」「タイマ」「ガバナ」から形成され、より効果的な燃焼を行うために噴射の圧力や微妙なタイミングをコントロールする。
このバランスによってディーゼルエンジンの性能が決まってしまうほど、重要な役割を果たす。
ノッキング Knocking
ガソリンエンジンでのノッキング現象は、圧縮行程の終わり付近で、スパークプラグによる点火を待たずに過熱によって混合気が自然着火してしまうことを言う。
振動と騒音を発し、トルクが得られない上に、燃費・耐久性にも悪影響を及ぼす。
逆にディーゼルエンジンのノッキングは着火遅れによって発生するが、本来自然着火方式であるためガソリンエンジンのような大きなダメージはない。
ハイオク
ハイオク・ガソリン(オクタン価の高いガソリン、96以上)のことで、レギュラー・ガソリン(オクタン価86以上)に対して使う。オクタン価は異常燃焼の起こりにくさを示す。
一般にガソリン・エンジンは、圧縮比を高めると、高出力・好燃費となるが、圧縮比が高すぎると異常燃焼(ノッキング)が起こり、場合によってはエンジンが破損することになる。それゆえ圧縮比の高い高性能車やターボチャージャー装着車には、ハイオク・ガソリンが使われることが多い。
排気物質 Emission Material
排気ガスは気管支炎や喘息の原因となり、中には強い発ガン性を持つものもあると言われている。
排気物質は、ガス(気体)で排出される「排気ガス」と粒子(固体や液体)で排出される「PM(粒子状物質)」に大別される。
ディーゼルエンジンの排気ガス中で、規制の対象となっている有害物質は、一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物の3種あり、中でも窒素酸化物はディーゼルの天敵である。
排気ブレーキ exhaust brake
エキゾーストブレーキとも呼ばれており、エンジンブレーキの効果を高める補助ブレーキとして、ほとんどのトラックに装備されている。排気管のバルブを閉じて、エンジン内の排気圧力を高める事により、制動力を発生させます。
排気量(シリンダ容積) Displacement
ピストンがシリンダ内部の上死点と下死点にあるとき、その間にできる容積がシリンダの排気量となる。
多気筒のエンジンではこれをシリンダの数だけ足したものが総排気量で、エンジンの大きさを表す一つの目安となる。(燃焼室は総排気量に含まれない)
排出ガス Emission
自動車の排出ガスには3種類がある。
排気管から排出される排気ガス、クランクケースから排出されるブローバイガス、燃料タンク及び気化器から蒸発する燃料の蒸気である。
ハイドロプレーニング hydroplaning
水溜まりのある路面を高速走行した場合、タイヤが水に浮き、車のコントロールが出来なくなる現象。アクアプレーニング(aquaplaning)とも言う。
パイロット噴射 Pilot Injection
本来の燃料噴射(メイン噴射)の前に微量の燃料を噴射する手法で、この微量燃料はピストンの上昇に伴う燃焼室内の温度上昇によって燃える。
この予備的な燃焼によって燃焼室内の温度を下げ、メイン噴射時の拡散燃料を活発化、燃料を噴射してから着火するまでの「着火遅れ時間」を短縮することができる。
着火が遅れると、シリンダ内に噴射されながら燃えていなかった燃料に、あるタイミングで一気に火が付き、燃焼温度が上昇する。
この結果、NOx の排出が増えるほか、エンジン騒音も大きくなってしまう
馬力(PS) Horse Power
エンジンの仕事量を表す単位。
馬力にはメートル馬力(仏馬力)と英馬力の2種類があり、日本ではメートル馬力を用いている。
1馬力は75kgの物体を1秒間に1m引き上げる力のことで、この馬力をPS(Pferde starke)という単位で表す。最高馬力とは、このエンジンが出せる最も大きな馬力のことである。
尚、ISOでは出力の単位としてkwを使用することになっているが、改定時期は未定である。
パワートレイン
動力および動力伝達(駆動)駆動系のことを指す。パーツとしては、エンジン、クラッチ、トランスミッション(変速機)、プロペラシャフト、デファレンシャル・ギア、ドライブ・シャフト(アクスル)を言う。
いすゞでは狭義に「ディーゼル・エンジン」として使う場合もある
ピックアップトラック Pickup Truck
ボンネットがあり、後ろの座席を荷台にした軽量トラックを指す。
世界中の国々で広く愛されており、アメリカでは若いユーザーの遊び用のクルマとして、またタイでは高級乗用車として、また小型商用車としての用途まで幅広く使用されている。
ボディタイプは、シングルキャブ(一列シートの二人乗り)、スペースキャブ(シングルキャブの後部に荷物用の小さいスペースを設置)、ダブルキャブ(二列シートの四人乗り)の三種類。
ピックアップは荷物の積載性を高めるため、全長・ホイールベース共に長く、小回りが利かず、車庫入れなどは行いにくい。
ピッチング (pitching)
縦揺れのことをいう。車両の重心を通る左右軸回りの振動。段差走行等で発生する。
ファイナル・ドライブ Final Drive 最終減速装置
エンジンからトランスミッションを経由して伝えられた動力を、減速して駆動軸に伝えるファイナルドライブと、その動力を左右のホイールに分配するディファレンシャルギアとを組み合わせた装置。
副室式(間接噴射式) Prechamber
副燃焼室で発生させた燃焼ガスを主燃焼室に流し込み、激しい乱流を起こす方式。
燃料と空気が良く混合されるので、エンジンの高速回転化や振動・騒音の発生を抑えることができるが、燃焼室が2つあるので構造が複雑となり、熱損失が大きくなってしまう(燃費が悪化する)。
最も一般的なタイプは、燃焼を2段階に分けて行う「過流室式」で燃焼速度が速く高速化に適している。また、熱効率が低いが静かで柔軟性のある「予燃焼室式」もある。
浮遊性微粒子状物質 Suspended Particulate Matteers
大気中を浮遊している直径10ミクロン以下の粒子状物質。
最近では英語のパティキュレイト・マターを略してPMと呼ぶことが多い。
自然由来のものもあるが、問題となっているのは自動車や工場から排出される人為的なものである。
発生の仕組みは完全に解明されたわけではないが、ディーゼルの排ガスに含まれる煤(スス)・硫黄酸化物・可溶有機成分などを原因と考える人は多い。
実際、ディーゼルが出すPMは、すでに各国で厳しい規制の対象となっており、各自動車メーカーもその対応に努カしてきた。
最近は、排気管にフィルターを設けてPMを捕捉するシステムなども研究されている。
フラットロー
リアタイヤを小径化することにより、荷台のタイヤハウスがなく、荷台高が低くなる事によって荷物の積み下ろしをしやすくしたトラックを言う。
フルフラットローに比べ荷台高が低いのが特徴。
フルードカップリング (fluid coupling)
流体クラッチとも呼ばれている。ドーナッツ形のオイルケースの中に羽を持った車を向かい合わせにセットし、羽を回すとオイルの流速でタービンも回転するしくみの装置。ATのトルクコンバーターの原形。当初は、AT車、軽自動車に使われていたが、高速時の伝達ロスが多く現在では使われていない。
フルフラットロー
前後輪ともに小径偏平タイヤを装着し荷台のタイヤハウスがなく、荷台高が低くなる事によって荷物の積み下ろしをしやすくしたトラックを言う。
フラットローより荷台高は高いが、偏平タイヤを装着している事により最小回転半径が小さくなったり、積載量が多く取れるのが特徴
ベンチレーテッドディスク ventilated rotor
ベンチレーテッドとは、通気の事で内部に冷却通気孔があるブレーキディスク。スポーツカーには全輪に採用されており、セダン等でもフェード現象対策に前輪に採用されている事が多い。
ホイールベース(=最速軸距)
空車状態で、前後の車軸の中心と中心の距離。
タイヤの数がいくつあっても、最前軸から最後軸までの距離をいいます
膨張比 Expansion Ratio
燃料の吸気および排気時の、(入口全圧)/(出口全圧)の数値。
この数値が大きくなるほどエンジンの振動・トルクは比例して大きくなる
ボールナット式ステアリング Ball Nut Steering
ラック&ピニオン式に比べてリンケージ類が多いなど構造が複雑だが、動作がスムーズでステアリングギア比を大きくできるというメリットがあり、大きな操作力を必要とするトラックのステアリング形式に向いている。
ボトルカー
清涼飲料水運搬車。もともとは、瓶入りのジュース等を運搬する車であったが、現在では自動販売機の普及とともに、缶ジュース等を運搬する車へと荷台の使用も変わってきている。寒冷地では、運搬中に凍らないように荷台を加工しているものもある。
ミラーサイクル
通常の4サイクルエンジンはドイツ人オットーの発明によるもので、「オットーサイクル」とも呼ばれる。
ミラーサイクルは、本来燃焼ガスの温度を低くする技術で、吸入バルブが閉じるタイミングを遅らせて、実質的な圧縮開始を遅くするもの。これにより圧縮行程を短くして、低圧縮比と高い膨張率を両立できることで、異常燃焼が起こりにくくなり、過給による吸入ガスの高圧力化が可能となる。燃費も理論的には向上する。
無鉛ガソリン Unleaded Gasoline 四エチル鉛やアルキル鉛を含まないガソリン。
ユニット・インジェクター燃料噴射 Unit Injector
燃料を加圧するプランジャーと燃料を噴射するノズルを一体化(ユニット化)したもの。
プランジャーで加圧された燃料をノズルに送る高圧パイプがないため、高圧部の耐久性を考慮することなく噴射の高圧化をはかれる。
但し構造上、汎用性に乏しい。
ユーロ4 Euro-4
2005年から導入されるヨーロッパの排出ガス規制。
アジア諸国でも排出ガス規制基準として、採用している国が多い。
規制値NOx(窒素酸化物):3.5g/kWh PM(黒煙等の粒子状物質):0.03g/kWh
ユーロ規制推移
ライニング (brake shoe lining) ブレーキ摩擦材。
ラック&ピニオン式ステアリング Rack and Pinion
ステアリングシャフトの先にピニオン(小歯車)を取り付け、棒に歯を刻んだラック(歯ざお)に噛み合わせてピニオンの回転をラックの横方向の動きとし、ロッドを介してホイールの向きを変えるもの。
構造が簡単で軽く、ステアリングの剛性が高いので応答性の良いシャープな操舵感が得られる。
リターダー(強力永久磁石式リターダ) Ritarder
永久磁石式リターダは、強力な磁力によりプロペラシャフトの回転を制御する画期的なブレーキ補助装置です。
高速走行中や長い下り坂、一般道においても確実な減速能力を持ち、ブレーキライニングやタイヤの長寿命化にも効果があります
リーディング・トレーリングブレーキ
ドラムブレーキでドラムの回転方向にブレーキシュー(リーディングシュー)を押し付けるものと、逆方向にブレーキシュー(トレーリングシュー)を押し付けるものを組み合せたものでLTブレーキと略される
リーフ・スプリング式サスペンション
Leaf Spring Suspension
リジッドアクスルサスペンションの最も一般的な形式で、商用車の後輪用として多く使われている。
車軸の両側、前後方向にリーフスプリング(板バネ)を置きショックアブソーバーを取り付けた構造で、スプリングが直接車軸を保持しているため発進・制動時にワインドアップやホッピングを起こしやすく、また横力がかかったときのアライメント変化でアクスルステアを生じやすいなど、振動乗り心地や操縦安定性が劣るので乗用車にはほとんど使われなくなった。
リミテッドスリップデフ limited slip differential(LSD)
差動制限装置。ノンスリップデフとも呼ばれる。駆動輪のグリップを失うとディファレンシャルギアの働きによりタイヤの空転が発生する。この現象を防ぐため、左右の駆動輪に回転速度の違いを制限したり、ロックしたりする機能をデフという。回転速度の差動を発生させるのにギヤやクラッチを使う摩擦式LSD、回転差を利用する回転数感応式LSDがある
流体クラッチ fluid coupling
流体継手、フルードカップリングとも呼ばれている。ドーナッツ形のオイルケースの中に羽を持った車を向かい合わせにセットし、羽を回すとオイルの流速でタービンも回転するしくみの装置。ATのトルクコンバーターの原形。当初は、AT車、軽自動車に使われていたが、高速時の伝達ロスが多く現在では使われていない。
流体式リターダ fluid type retarder
大型トラックの補助ブレーキであるリターダの一種。トランスミッションブレーキとも呼ばれている。流体クラッチと似た構造で、ローターを回転させてオイルをステーターに送り込むと回転抵抗が発生し制動力を生む。
リングギア
環状歯車のことで、主にフライホイールにはめられた始動用大歯車(図参照)やファイナルドライブ用受け歯車などに使われている
レギュレーター Regulator
調整装置、調整器の総称。
液体や気体の流量を調整する調整弁をレギュレーターというが、他にも窓の開閉調整を行うウインド・レギュレーターなどがある。
ローリング (rolling)
走行中の車が旋回したり、横風を受けた時に発生する横方向への傾きの事をいう。車の中心軸の回転運動成分をローリング、その回転角度をロール角という。
ロールオーバー (rollover)
車の横転、転覆のことをいう。重心位置が高く、トレッドの狭い車ほど転覆しやすい傾向がある。
ロックアップ (lock-up)
トルクコンバーター(トルコン)のポンプ側とタービン側を直結することをいう。トルコンはオイルの流れによって動力を伝えるのでエネルギーロスが発生する。このため、ポンプとタービンの回転を同調させ相互にロックすることが考えられた。予め決められた速度以上になるとトルコン内のオイルの流れを変え、タービンにつけられているクラッチ(ロックアップクラッチ)がポンプのフロントカバーに押し付けられ、一体となって回転する構造となっている。
ワンウェイ・クールドEGR
Oneway Cooled Exhaust Gas Recirculation
EGRは、一度排出されたガスの一部(EGRガス)を再び吸入空気(新気)と混合させることで、燃焼室内の酸素量を抑制します。これにより、シリンダ内の燃焼がゆるやかになり、燃焼温度が低下し、NOxを低減することができます。すでに中・小型商業車で採用され、すぐれた効果を発揮しています。EGRはコンピュータで自動制御され、エンジン回転数や負荷に応じて最適なEGRの量をコントロールします。
ギガのインタークーラーターボ系には、EGRガスの通路に冷却装置を装備しました。高温になったEGRガスをクーラーで冷却し、新気と混合させることで、通常のEGRよりさらに燃焼温度を低下させ、NOxの低減に貢献します(クールドEGR)。また、冷却されることで吸入空気の密度が増加し、空気量が増えます。これにより、燃料を完全な燃焼に近づけることが可能になるため、PM・黒煙も低減します。
さらにいすゞではこのEGRシステムに世界で初めて逆止弁を採用しました。これにより、EGRガス通路内への新気の侵入を防ぎ、EGRガスを逆流させず、一方向(ワンウェイ)にのみ流すことで、EGRの量を増加させることができました。
ワンウェイ・クラッチ One-Way Clutch 一方向にだけ回転力を伝え、逆方向には空転する装置。
ワンボックス One Box
車内を一つの箱(ワンボックス)に見立て、乗客や荷物を運搬するのに適している。
エンジンがキャビンの下に収まる事から、キャブオーバーと呼ばれる事もある。
10/15モード燃費
運輸省(現 国土交通省)が公認した乗用車燃費基準のひとつ。
「10モード燃費」は、1948年から採用されている方式で、最高速度40km/hの都市内を想定した運転パターンをモード化(運転状態)し、エンジンが暖まった状態からの燃料消費量、排出ガス成分を測定するもの。
1991年からは、エンジンが冷えた状態から測定する「15モード」が加わり、公式燃費も「10/15モード」となり、最高速度も70km/hと実状に沿うものに変更された。
但し、実際にはこのようなモード走行となることは希であり、乗用車の実用燃費は、一般的に公表燃費より悪くなる
4バッグ・エアサス 4 Bag Air Suspension
2本のリアアクスルをそれぞれ4つのエアスプリングによって支持する4バッグエアサスペンション。
ヨーロッパで「ロードフレンドリー・サスペンション=道路の損傷をやわらげる」として普及してきたこのメカニズムを、いすゞは高速走行や山間路の多い日本の道路事情に合わせた新しい4バッグエアサスペンションとして開発(15件の特許出願中)。
荷台部分をすべてエアスプリングによって支えているため、荷台の前端から後端にいたるまで、振動を大幅に低減します。
路面の凸凹に追従するのはタイヤの上下動だけで、あらゆる積荷の高品質輸送に威力を発揮します。
4バルブ化 4 Valves
1気筒あたり吸気2バルブ、排気2バルブの4バルブ化し、4気筒で合計16のバルブを採用することで、 シリンダへの吸入・排気空気量を増やし吸排気効率を向上。
より良い燃焼状態を形成し、PM・黒煙の低減、 燃費の向上に貢献します
4WD Four wheel drive
前後四輪を自動に駆動させる方式。トランスファーと呼ばれる動力を前後輪に分配出来る装置を備えている。常に4輪が駆動するフルタイム4WDと必要な時に4輪を駆動させることが出来るパートタイム4WDがある。
A.B.S (antilock brake system)
滑りやすい路面状況下で、ブレーキをかけた場合、タイヤがロックしないようにコントロールするシステム。コンピューター制御で、タイヤがロックするとブレーキを緩め、転がり出すとブレーキをかけることにより、タイヤが最大限の摩擦力をだせるようにするシステム。
4×4(前1軸・後1軸/2軸駆動)
トラックの車軸構造の表記でフォーバイフォーと読み、全輪(タイヤをつける場所)数×駆動輪(動力を路面に伝えるタイヤ)数を表している。
4×4の場合、全輪数が"4"、駆動輪数が"4"となり、下記の図のように前1軸・後1軸/2軸駆動のことをいう。
全輪が駆動する4輪駆動で、降雪地帯などで使用する小型・中型トラック、大型除雪車に使用される。
ASR anti-slip regulator, acceleration skid control
トラクションコントロールシステムの名称。
anti-slip regulatorは、四輪のホイールスピンを検出し、コントロールユニットが走行状態に合せてエンジン出力を制御するもの。
acceleration skid controlは、エンジンのスロットルとブレーキを制御して加速時の駆動輪のスキッドを抑えるのが特徴。
CV Commercial Vehicle(コマーシャル・ビークル)の略で、商用車のこと。トラックやバスなど、もっぱら商業用に設計・開発・販売された車両。
CNG Compressed Natural Gas
圧縮天然ガスのこと。成分の約90%はメタンであり、燃料ボンベに20Mpaの圧力で圧縮充填、常用気体状態で燃料として使用する。代替エネルギーの中では、水素と並んで生涯CO2の排出が最も少ない(ガソリン比約70%)。
LNG Liquefied Natural Gas
メタンを主成分とする天然ガスをマイナス162℃に冷却,加圧して液化したもの。再び気化して利用する。原油に比べ埋蔵量が多く、また排出するCO2が石炭や石油よりも少なく、環境負荷が低い
LPG Liquefied Petroleum Gas Vehicle 液化石油ガス。
DME(ジメチルエーテル)
石炭や天然ガスから製造される燃料。運搬や貯蔵が容易であり、現在のディーゼルエンジンの燃料である軽油に代わる燃料と期待されている。
特徴として黒煙がまったくなく、PMやNOxも非常に少なく、燃費も軽油と同等となる。
DOHC(ダブル・オーバー・ヘッド・カムシャッフト)
Double Overhead Camshaft
二本のカムシャフトがシリンダーヘッド内に配置されているもので、対をなした(ツイン)二本のカムシャフトがあることからツインカムとも呼ばれる
DPF、連続再生式DPF
Diesel Particulate Filter, Continuous DPF
DPF(Diesel Particulate Filter)とは、ディーゼルパティキュレートフィルター=ディーゼル微粒子除去装置のこと。
いすゞDPFシステムは、セラミックファイバー製のフィルターでPM・黒煙をキャッチし、フィルターに密着したヒーターで焼却するシステムです。
ディーゼルエンジンで大きな問題となっているPM・黒煙の除去に有効な技術として、いま注目を集めています。
連続再生式DPFはPM・黒煙をキャッチするフィルターを2つ備えています。しかし、2つのフィルターを同時に使っているわけではありません。
つまり、一方のフィルターにPM・黒煙が溜まるともうひとつのフィルターに捕集を切り替えることで除去能力を維持するのです。
ETC Electronic Toll Collection System
ETC(ノンストップ自動料金収受システム)とは、車両に搭載したETC車載器にETCカード(ICカード)を挿入し、有料道路の料金所に設置された路側アンテナとの間の無線通信により、車両を停止させずに通行料金を支払うシステム。渋滞の解消、道路管理費の削減、料金所周辺の大気汚染や、騒音などの軽減等の社会的効果が期待されている。
FF Front engine Front wheel drive
車両の前部にエンジンを搭載し、前輪を駆動させる方式。2つのFはフロントを意味する。英語ではFWDと略される。
FR Front engine Rear wheel drive
Fは、フロント。Rはリアを意味する。エンジンを車両の前部に搭載し後輪を駆動する方式。
GVM
Gross Vehicle Massの略で、車両総質量のこと。
従来はGVW(Gross Vehicle Weight=車両総重量)が使われていた。
同じ重力の元では、両者とも同じ数値となる。
HSA(ヒル・スタート・エイド) Hill Start Aid コンピューター制御により、車両を停止させた際のブレーキ力を記憶し、ブレーキペダルから足を離しても停止情報を保持するブレーキ補助装置です。
坂道発進や長い信号待ち、また渋滞の停止中にブレーキから足を解放できるため運転疲労を大幅に軽減します。
NOx還元触媒 Nox Convert Catalyst
ディーゼルエンジンのクリーン化のための後処理技術の一つ。
発生したNOxをN2とO2に戻す触媒のこと。
現在、さまざまな方法
O2(酸素)センサー 排ガス中の酸素を検出するセンサーで、空燃比が理論空燃比に対して薄いか濃いかを調べるもの。
が模索されている。
OHC(オーバー・ヘッド・カムシャフト) Overhead Camshaft
カムシャフトがシリンダーヘッド内に配置されていること。
動弁機構がコンパクトで稼動部分が軽く、高速でも安定したバルブの開閉ができるのが特徴。
OHV(オーバー・ヘッド・バルブ) Overhead Valve
吸排気弁(バルブ)がシリンダーヘッドに取り付けられていること。
一般にはOHVといえば、カムシャフトをシリンダーヘッドより低い位置に置き、プッシュロッドとロッカーアームでバルブを作動させるプッシュロッド方式を指す。
PM(粒子状物質) Particulate Matter
Particulate Matter:粒子状物質の略。
排出される炭素粒子の周りに、着火性や清浄性を高めるさまざまな化合物が付着したもの。黒煙もPMのひとつで、約1000種の化合物がくっついてできる。
ディーゼルエンジンは燃焼室で空気と燃料が混ざり合う時に、部分的に空気不足の場所ができる。そのため、燃料の不完全燃焼がおこり、これが黒煙となって排出される。完全燃焼で生成するNOxとの同時低減が困難。
PMキャタコンバータ PM Cata-Converter
燃焼室で不完全燃焼を起こすとPM・黒煙の他に、燃料に含まれる炭素と、燃料や空気の水素が結合してHC が発生します。
酸化触媒は、エンジンから排出されるPMとHCを化学反応を利用して無害な物質に転換する 後処理技術です。
PM成分中のSOF分と呼ばれる未燃HC、潤滑油HCを貴金属触媒により酸化させ、水と二酸化炭素に還元。
排気系の途中に取り付け、排気ガスのすべてを通過させることでPMやHCを大幅に低減します。
PTO Power take off
エンジンの動力を走行以外の用途に使うために、トランスミッションやトランスファーに取付けられている動力取出し装置のこと。
ダンプカーやミキサー車等に装着されている
SOF成分 Soluble Organic Fraction Element
Soluble Organic Fractionの略で、可溶性有機成分のこと。
燃え残った燃料や潤滑油が結集、または凝固して粒子化したもので、青煙や白煙の正体。
SPM Suspended Particulate Matter
大気中に浮遊する粒子状物質であって
SUV Sport Utility Vehicle
SUVは、スポーツ・ユーティリティ・ビークルの略で、日本ではRV(Recreational Vehicle=レクリエーショナル・ビークルの略)という言葉で一般的に呼ばれている車種です。
TICS Timing Injection rate Control System
走行負荷・エンジン回転数等を各種センサーで検出し、最も効率の良い状態で燃料噴射量と噴射時期を自動制御するシステムです。カムリフトとプランジャ径を従来型よりも大きくすることで、エンジン全回転域で高圧燃料噴射(最大噴射1200気圧)を可能とし、PM・黒煙の低減に貢献します。
また、走行負荷に応じて噴射時期を制御することでNOxを低減します。さらに、低回転域から噴射圧力を上げることができるため、発進・加速からゆとりの低速トルクを発揮します。
VGターボ(バリアブル・ジオメトリー) Variable Giometry
ターボの弱点である排気エネルギーが低いエンジン低回転時でも効率良く過給するためのシステム。
タービンハウジングのノズル開度を調整することにより、タービンの回転数を最適化する。 |
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