《天声人語》09月25日付 $ j7 }# g4 G& b+ j- d" F8 |' Q( l
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パラリンピックが開かれているアテネから西の方に約400キロ、レフカダはイオニア海に浮かぶ小さな島である。「怪談」や「知られぬ日本の面影」を著したラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、1850年に、この島で生まれた。 8 V4 T- y+ @1 a, C0 M8 k |+ l. o9 d( F, k9 E
出生地はリュカディアと呼ばれていた。それは「放浪」を意味すると言われている(『小泉八雲事典』恒文社)。母の国ギリシャから、父の出身地アイルランド、さらに英、米、仏領西インド諸島などを経て、1890年には日本へ。ハーンの人生の旅も長かった。 / s% D- c4 [ t' y
# i9 l) H/ \' L+ a 松江、熊本で教えた後に東大の英文学の講師となる。「小泉先生は英文学の泰斗でもあり、また文豪として世界に響いたえらい方であるのに、自分のやうな駆け出しの書生上りのものが、その後釜に据わつたところで、到底立派な講義ができるわけのものでもない」。ハーンの後任の講師となった夏目漱石が、妻にもらしたという。 2 M1 }$ L- \3 c0 l9 m. ^3 a ' k2 y( w1 c& q- R- H/ s ハーンは100年前の9月26日、狭心症で他界した。新宿区立大久保小学校の前に「終焉(しゅうえん)の地」の碑がある。昨日、その筋向かいの八雲記念公園へ行ってみた。 ! i( ]# y- I/ `3 t; \ : Z$ d. t9 g2 K( I1 l) B 新宿区とレフカダは友好都市になっており、ギリシャ政府から贈られたハーンの胸像がある。像は西の方を向いていた。妻節子が「思ひ出の記」であげていた、ハーンの好きだった物を思い浮かべた。夕焼け、夏、海、遊泳、淋しい墓地などの最初に「西」とあった。 : c% h7 L1 X( N6 i6 {
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像の近くに茂るオリーブの葉先にシジミチョウが舞っている。セミやアリやチョウもまた「パパの一番のお友達」だったという。