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发表于 2007-8-2 13:04:19
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天声人語( L, C: E4 J2 i* n7 ]/ v
! @0 H! W& _7 S2 ^7 B2007年08月02日(木曜日)付) _# d- j, \* S/ z. B9 [ v% G8 z
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1 [2 s# [% K1 Y, M毎年8月になると、大阪から1冊の本を送っていただく。庶民の戦争体験を集めたもので、『孫たちへの証言』と題がついている。この夏で区切りの20集目を数える。刷り上がったばかりの本が、今年も届いた。1 ?5 }: T6 N$ o0 v- o& H
( P3 h& I+ a; Q* I( ?& R 手にとって項を繰る。玉砕の島サイパンから奇跡的に生きて帰った女性。学友の無残な遺体を防空壕(ごう)から運び出した男性。子ども6人を連れて厳寒の朝鮮から逃れた母親……。74編が収録されている。とつとつと飾らない文が、それゆえに、戦争の罪深さを訴えかける。) i. W* s; x. J; R% ^
/ B: ~$ A. S; _& Z4 {" l 出版社を営む福山琢磨さん(73)が編集してきた。原稿は毎年募集する。収録候補を選び、電話や手紙で筆者に問い合わせて、手を入れていく。手間のかかる作業だが、損得抜きで、名もなき人々の苦難にこだわってきた。
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6 m, `, B2 {$ t* D( _7 Y5 G 大所高所からの歴史だけでは「戦争」は見えない。だが小さな物語を丹念に集めていけば、やがてはモザイク画のように実相が浮かぶ。そんな信念に支えられた。20年間の応募は1万3000を超え、収録は1599編にのぼる。「庶民の戦争史」と呼んで恥じない数だろう。
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今年は100歳の人の原稿が初めて載った。震えがちな肉筆とともに、介護ヘルパーの聞き書きが同封されていた。「伝えたい」という執念を、福山さんは感じた。
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体験者の高齢化は進み、4人に3人を戦後生まれが占める時代である。戦争をめぐる日本人の記憶の泉から、わずかに残る水をくみ上げて、「記録」にとどめる。涸(か)れる前に一滴でも多くをと、応募のある限り刊行を続けるそうだ |
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