2007年09月15日(土曜日)付
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ツクツクボウシが季節を結ぶ独唱を終えつつある。ここ数日で、虫の声は樹上から草むらに移った。動いたのは自然の音源だけではない。取材のざわめきもまた、首相官邸や国会から自民党本部へと所を変えた。
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# ^. ^, o& K7 [% J* d3 o7 l 自民党の総裁選が告示された。優位とされる福田康夫氏は戦後13人目の首相の長男、麻生太郎氏は同3人目の孫だ。「8人目の孫」が職を投げ出した後は、子と孫の争いらしい。政治の世襲化を煮詰めたような光景に、つい嘆息する。
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40歳まで会社員だった福田氏は、首相になった父上の秘書官として政界に入った。後継ぎで衆院選に出た時は「独立した一人の人間として見てほしい」と父離れを強調した。「あんな年寄りと比べないでよ」は初登院の弁だ。: b3 I3 ^/ D4 H* X
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逆に「祖父は私の原点」と、近さを糧にしてきたのが麻生氏。22歳で米国に留学し、母親に車をねだった。「危ないから」と拒まれ、大磯に手紙を出す。吉田茂はたちまち説得してくれた。「孫にいい顔する祖父をかわいいと思った」と自著にある。, ] O9 p5 n Z
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血筋との距離のとり方は各様だ。親の仕事や地位は選べない。政治の家に生まれても、向き不向きがあろう。地盤だ看板だと担がれ、祭られ、重圧につぶれる人もいる。首相であれば国民の不幸だ。お二人が並の七光りでないことを願う。
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, ^4 v# d, _( i$ L, n0 e 虫なら、木で鳴くか草で鳴くのかは血が決める。ほかも選べただろうに、父や祖父と同じ木、同じ草で、まさに鳴かんとする両人。どちらの声になるにせよ、「有権者の血」しか引かない大多数の耳に届けばよいが。 |