和草(にこぐさ) にっこり微笑んで
生えたばかりの柔らかい草や、葉や、茎の柔らかい部分を「和草」といいます。
「和し」は、柔らかいとか、細かいという意味。「柔(じゅう)」という字を当てたりもします。
「葦垣(よしがき)の中の和草にこやかに我と笑まして人に知らぬな」
「和草のように、にこやかに私に微笑みかけたりして、二人の仲が、ほかの人にばれないようにね」という意味です。
「にこにこ」「にっこり」などの擬態語も、ここから来ているようです。
英語の三倍はあるという日本語の擬音語と擬態語は、外国泣かせたとか。
でも、私たちには微妙なニュアンスの違いが分かりますね。日本人として受け継いできた、言葉の感覚の奥深さ(おくぶかさ)を感じます。
和草(にこぐさ) 名 刚吐新绿的柔软的小草
葦垣(よしがき) 名 篱笆墙
にこやか 形动 笑嘻嘻 和蔼可亲
ばれる 自一 暴露 败露
にっこり 副 嫣然一笑
ニュアンス 名 微妙差别
卯の花曇(うのはなぐもり)
四月のことを卯月というのは、卯の花の咲く季節だからという説が一般的です。卯の花は空木のこと。幹(みき)の中が空洞(くうどう)なので、こう呼ばれつようになりました。
こぼれつように咲く白い花は、よく、雪やつき、雲、波などにたとえられます。卯月の雪、雪見草(ゆきみぐさ)、夏雪草(なつゆきぐさ)、潮見草(しおみぐさ)、水晶花(すいしょうか)など、さまざまな異称(いしょう)でも呼ばれてきました。
「卯の花腐し」といえば、この時期、卯の花を腐らせるように降る長雨(ながあめ)のことです。
そして、この時期の曇りがちな空が「卯の花曇り」です。晴れの日もよし、雨の日もよし、曇りの日もまたよし。
卯の花の背景には、どんな空模様も似合います。
卯の花(うのはな) 名 卯花 水晶花
空木(いつぎ) 名 溲疏花 水晶花
幹(みき) 名 枝干
こぼれる 自一 凋谢
空模様(そらもよう) 名 天气状况