①、
解 説
(1)「お~になる」+「て」+「いらっしゃる」と、敬語を「て」でつなぐ敬語連結の用法です。二重敬語ではなく、正しい表現です。
(2)は「お~になる」ですでに敬意を表しているところへ、「なられました」と二重の敬語をつかっています。二重敬語であり、過剰な表現です。
(3)「お~になる」は、動作主に敬意を表する尊敬語です。正しい表現です。
②、
解 説
(1)は「お越しになる」+「~られる」で二重敬語で、過剰な表現です。
(2)は「お見えになる」+「~られる」で二重敬語で、過剰な表現です。
(3)は「いたしました」と社長に対して謙譲しているものの、田中様に対して「お連れする」と失礼な表現です。「ご案内いたしました」のほうがいいでしょう。
(4)は「お~になる」の敬語表現で適切です。「見える」は一語で尊敬語ですが、「習慣として定着している二重敬語」なので正しい表現です。
③、
解 説
(1)「参ります」は、ここでは「立てなくても失礼に当たらない第三者」を謙譲する働きを持つ「丁重語」です。正しい表現です。
(2)自分側をへりくだって、相手を立てる謙譲語Iです。正しい表現です。
(3)「参ります」は、ここでは「立てなくても失礼に当たらない事物」を謙譲する働きを持つ「丁重語」です。正しい表現です。
(4)「相手(お客様)」を低くして「受付」を立てているので、間違った謙譲語のつかい方です。
④、
解 説
(1)「拝見する」は「見る」の謙譲表現です。正しい表現です。
(2)「拝見する」は一語で「見る」の謙譲表現です。さらに「いたします」と謙譲表現を加えるのはやや過剰です。
(3)(2)同様、過剰な表現です。また「させていただく」には、「相手の許可を得て」という意味もあります。先方から送られてきたものなので、用法としてもふさわしくありません。
(4)文法的に誤用です。「さ入れ言葉」と言われ、「さ」が余計です。「見せていただきました」が正しい表現です。
⑤、
解 説
「ご(お)~してください」は「ご(お)~する」という謙譲語に「ください」を付けたものです。相手の動作に付けるのは間違いです。
(1)(2)いずれも「て」「して」が入っており、相手を謙譲しています。また(4)は敬意が表現されていません。
(3)が正しい表現です。