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悪霊シリーズ第2巻 悪霊がホントにいっぱい
时间:2007-09-20 09:57:43  来源:|  作者:

【悪霊がホントにいっぱい!】
              小野不由美

 

プロローグ


 もしも、あなたの家に幽霊《ゆうれい》が出るとする。
 やっぱりあなたは困《こま》るよねぇ。気味は悪いし、幽霊が出たりするといろいろと不都合《ふつごう》なこともあるもんね。
 あなたは、とうぜん、なんとかしたいと思う。
 どうする?
 あたしに言わせるなら、あなたは山手線《やまのてせん》に仱毪伽¥猡筏猡ⅳ胜郡瑬|京《とうきょう》の人間じゃないんだったら、まず東京駅だか上野《うえの》駅だかに行かなきゃならないけどね。
 山手線に仱盲郡闇i谷《しぶや》で降りる。べつに半蔵門《はんぞうもん》線でも銀座《ぎんざ》線でも、東横《とうよこ》線でも、井《い》の頭《かしら》線でもかまわない。とにかく渋谷に行けばいい。着《つ》いたら、かの有名なハチ公前へ。そしてあたりの優《やさ》しそうな人をとっつかまえて、「道玄坂《どうげんざか》はどこですか」と聞こう。
 道玄坂がわかったら、坂をのぼる。しばらく歩くとレンガ色のアンティークなビルが見えるはず。一階が広場みたいになったビルだよ。
 ――あったね?
 ビルに着いたら、噴水《ふんすい》のわきのエスカレーターで二階へあがる。一階にある喫茶店やブティックに眼をくれてはいけない。なかなかオシャレなお店ばかりで、つい入りたい気分になっちゃうけど。
 二階に着いたらあたりを見まわしてみよう。ブルーグレーのドアが見えたかな?
 そのドアには上品な模様いりのすりガラスがはまってて、そこに金色の繊細な字体で「SPR」というロゴがはいっている。その下に同じく金色で、「Shibuya Psychic Research」とあるはず。
 まっすぐドアをめざそう。
 え、喫茶店じゃないのかって? とんでもない、喫茶店じゃないよ。喫茶店では、幽霊に困っているあなたの役にはたたないもんね。
 それに、喫茶店とまちがえて飛びこむと、冷たい扱いを受けることになっている。場合によっては、「英語が読めないんですか?」とイヤミを言われることもある。
「Shibuya Psychic Research」。――すなわち、「渋谷サイキックリサーチ」。
 わかる?
「サイキック・リサーチ」は「心霊現象の調査」。「渋谷サイキック・リサーチ」というのは、渋谷にある心霊現象の調査事務所、ということなのね。所長が渋谷という名字だから、ひょっとしたら、渋谷さんちの心霊現象調査事務所、という意味なのかもしんない。まぁ、どちらにしても、要はよく電柱に張ってあるやつよ。
『憑《つ》きもの、幽霊《ゆうれい》、よろず相談申し受けます』
 幽霊を追い払ったり、憑きものを退治したりするやつ。
 さて、あとは勇気を出してドアを開《あ》けるだけ。
 中は、広い上品なオフィスになっている。ふつうは、あたしがお客を出迎えるんだけど、そうでない場合もあるよ。あたしはアルバイトだから、常にいるというわけじゃないの。
 あたしがいないときは、背が高くて痩《や》せててアイソのない男の人が迎えてくれる。その彼さえいなくて、誰《だれ》も出迎えてくれないことも、たまにはある。そういう時はたいがい、正面の応接セットに、そーぜつに顔のいい男のコがふんぞりかえっている。年は十六、七。若いからといって、彼をアルバイトとまちがえることだけは、ぜったいにしちゃだめだぞ。彼はおそろしくプライドが高いので、そういうまちがいを犯した人間を断固として許さないのだ。
 なんたって彼は、天上天下唯我独尊《ゆいがどくそん》的ナルシスト。略してナルちゃん。
 ナルの機嫌《きげん》そこなわなければ、あなたは安心して相談ができる。きっと彼は、あなたの悩みを解決してくれることだろう。
 ……気が向けば。

「渋谷サイなんとかというのは、ここでいいのよね?」
 ドアを開けてはいってきたのは、みなりのいいお金持ちっぽいご婦人だった。
 あたしはこの日バイトの日で、しかも休憩時間中でもなく、すなわちオフィスにいたので、オバサンはあたしに出迎えてもらえた。
「はい。ご相談ですか?」
 あたしは営業用の笑顔をつくる。彼女の眼はしかし、立ち上がったあたしを素通りして、この日はたまたまソファーで本を読んでいたナルのほうに向いた。
「ちょっと、ぼうや」
 ……知らないということは危険なことだ。オバサン、そいつに向かって「ぼうや」なんて言うのはやめたほうがいいぞ、あぶないから。虎《とら》に向かって「タマ」と呼ぶがごとし。
 あたしは、
「失礼ですが、どんなご用件ですか?」
 ていねいな声とさわやかな笑顔で聞いてやったのに、オバサンはチラッと視線を投げただけであたしを無視した。
 ……ほほう。
 あたしを無視したまま、ツカツカとナルによって、
「ちょっと、ぼうや、この事務所のひと?」
 ナルは振り向かない。「ぼうや」と呼ばれて振り向くはずがない。
 あたしはけなげにも、オバサンに優しく声をかける。
「あの、失礼ですけど」
 オバサンは、またも無視。
 ……いいかげんにしろよっ! いい年をして礼儀も知らんのか、こいつっ!
「あの、ご用件でしたら、わたしがうけたまわりますが」
 怒鳴《どな》ってやりたいが、そこはガマン。あたしは、丁寧《ていねい》な声で聞く。オバサンはあたしを振りかえって無遠慮《ぶえんりょ》な眼でジロジロ見た。そうしてフンと鼻で笑う。
 ……こ、こいつーっ。
 それからナルに、
「ちょっと、ぼうや、わたしはお客なのよ!」
「お客……?」
 ナルのどこか投げやりな冷たい声。視線を本に落としたまま。
「そうよ。返事くらいしたらどう? カンジ悪いわねぇ」
 ……どっちが?
 ナルはそっけない声を出す。
「おひきとりを」
「――なによ、わたしは客だと言ってるでしょ?」
「最低限の礼儀も知らないような下品な客の依頼を受けるほど、仕事に困《こま》っていませんから」
 ……えらい。よく言った。
 真っ赤になるオバサンの顔。
「失礼な……日 責任者を出しなさい! ひとこと言ってやるからっ!」
 ……けっ。おろかものめ。
 ナルがスラリと立ち上がって、オバサンのほうにむきなおる。冷たいまなざし。それだけでどんな人間をも黙らせる威圧感がある。漆钉筏盲长筏误姢绕狳の眼、上から下まで氦幛伪摔稀⒚烂病钉婴埭Α筏螑櫮Г恧撙郡い恰


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