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悪霊シリーズ第6巻 悪霊とよばないで
时间:2007-09-20 10:01:10  来源:|  作者:

【悪霊とよばないで】
          小野不由美

 

プロローグ


「では……」
 ひそめられた低い声。ネイビーブルーの服を着た女が身を仱瓿訾筏啤ⅴ渐榨々`がきしみをあげる。では、と女はもう一度繰《く》り返した。
「調査の内容を報告してください」
「はい。――氏名、渋谷一也《しぶやかずや》。職業、『渋谷サイキック・リサーチ』の所長。本調査員の懸命《けんめい》の努力によって判明したところによりますと、誕生日は九月十九日。現在、満十七歳です」
「『懸命の努力』うんぬんは言わなくてもよろしい。調査員は事実だけを報告しなさい。――十七というと学生のはずですが?」
「学校に行っているようすはありません」
 女は足を組む。天井《てんじょう》をあおいで少し考えこんだあと、
「乙女《おとめ》座ね。性格の悪いほうの乙女座だわ」
 妙《みょう》にきっぱりと断言した。
「そうですね。私の観察によりますと、血液型はA型かO型だと思われます」
「ありそうね」
 女がうなずいたとき、黙《だま》って会話を聞いていた男が急に口をはさんだ。
「Aって聞いたぜ。でも、そういうのはさー、関係ねぇだろ?」
 女は男をにらみつける。
「オブザーバーは発言しないように。――調査員、続けてください」
「はい。住所は不明、自宅の電話番号も不明です」
「徹底した秘密主義ね。家族は?」
「不明です。ただ両親がいるのはまちがいないようですね。父親は大学の教授とか」
「出身地は?」
「それも不明です。ただ、東京の地理にあまり詳《くわ》しくありませんので、東京で生まれ育ったのではないようです」
「そう……。事務所の経営状態はどうかしら?」
「よくはわかりませんが……もうかってはいないと思います。仕事の量も多くありませんし、依頼料も多額ではないので」
「仕事をしていないわりには、スタッフは多いわね。助手と……アルバイトがふたり。いったい、それだけのお金がどこから出てるわけ?」
「わかりません。不思議《ふしぎ》ですね。……いわゆる、アレじゃないでしょうか。『あるところにはある』」
 おもしろくなさそうに会話を聞いていた男が軽く笑いをもらした。女がふたたび男をにらむ。それから、もう一度身を仱瓿訾筏俊


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