動画も見られますよ
NHK(日本放送教会)は、これまで日本の小学生から高校生までを対象にテレビで配信していた学校放送番組をインターネットで提供し始めました。
現在、17の番組をインターネットで視聴することができます。日本語を勉強している人にとって分かりやすく説明になっています。
根気強く続けて見てね!!!
http://www.nhk.or.jp/school/homepage/index.html
http://www.nhk.or.jp/syakai5/ja/frame.html
下の文字の説明は音声とは少し違いますが、ほとんど一致しています。聞き取れないときにご参考ください。
日本国土の特徴は?
1億2000万人以上もの人々が暮(く)らすわたしたちの国、日本。日本は、ユーラシア大陸の東、中華(ちゅうか)人民共和国やロシア連邦(れんぽう)、そして朝鮮(ちょうせん)半島と、海をはさんでとなり合うところにあります。周囲を海で囲まれ、北海道、本州、四国、九州の四つの大きな島、そしてそれ以外のおよそ7000にもおよぶ小さな島々から成り立っています。面積はおよそ38万平方km。ドイツと同じくらいの大きさです。では、日本の東西南北の端(はし)を見てみましょう。
日本の東西南北の端は?
北の端(はし)、択捉島(えとろふとう)は、全長204km。鳥取県と同じくらいの面積です。西の端、沖縄県の与那国島(よなぐにじま)は、沖縄本島の西、およそ500kmにうかぶ島です。東の端は、南鳥島(みなみとりしま)。東京からおよそ2000kmはなれたところにあり、行政上は東京都。気象庁や自衛隊の施設(しせつ)があります。南の端、沖ノ鳥島(おきのとりしま)は、サンゴ礁(しょう)の海にうかぶ、たたみ3畳(じょう)ほどの小さな無人島です。択捉島から沖ノ鳥島までは、およそ3300kmもはなれています。
日本の4分の3は「山」
日本の地形にはどんな特徴(とくちょう)があるのでしょうか。平地(へいち)を緑、山地(さんち)を茶色で表した地図を見ると、山地が多いことがわかります。実は、日本は国土の4分の3が「山」なのです。本州の中央付近には日本有数の高い山が集まっています。「日本アルプス」とよばれる高さ3000m級の山々です。日本アルプスは、日本を横切るようにならんだ飛騨(ひだ)山脈、木曽(きそ)山脈、赤石(あかいし)山脈という三つの山脈から成り立っています。
山地とともに生きる工夫
日本では昔からこうした山地を利用する工夫がされてきました。和歌山県、奈良県、三重県にまたがる紀伊山地(きいさんち)。温かくしめった気候のため樹木(じゅもく)が育ちやすく、古くから林業がさかんです。奈良県の川上村も、そうした地域(ちいき)の一つ。山をおおうスギやヒノキの林は、人の手によって植えられた人工林です。川上村では、木を切りたおして木材として利用する一方で、苗木(なえぎ)を植え、何百年ものあいだ森を守り、育ててきました。そのスギは「吉野杉(よしのすぎ)」とよばれ、高級木材として出荷されています。
山地を利用した段々畑
日本人はほかにもさまざまな方法で山地を利用してきました。愛媛県宇和島市。山が海岸線ぎりぎりまでせまり、平地がほとんどありません。そこで、急な斜面(しゃめん)を利用する、ある工夫がされてきました。「段々(だんだん)畑」です。およそ300年前から作られてきたといわれています。石をひとつひとつ積み上げて石垣(いしがき)を作り、土がくずれ落ちないようにしています。せまいところでは、幅(はば)1mに満たない畑もあります。ここで作られるジャガイモは南斜面のため日当たりがよく、ホクホクしておいしいと評判です。
短くて急な日本の川
山からはいくつもの川が海に向かって流れています。外国の川と比べると、日本の川は短くて流れが急です。日本でいちばん長い信濃川(しなのがわ)で、川の流れが土地のようすを変える仕組みを見ていきましょう。信濃川は関東山地の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)で生まれます。本流にあたる千曲川(ちくまがわ)と、飛騨山脈で生まれた支流の犀川(さいがわ)が長野県で合流。新潟県に入ると信濃川と名前を変え、越後(えちご)平野を通って日本海に注ぎます。支流もふくめたこの流れ全体を、信濃川水系(すいけい)といいます。
平野を作る川
山で生まれた川の流れは水量を増しながら低い土地へと流れ、途中(とちゅう)で土や砂(すな)をけずり、下流へと撙婴蓼埂¥长Δ筏客沥渖挨eもってできる平地を「堆積(たいせき)平野」といいます。信濃川の下流に広がる越後平野も、堆積平野の一つです。川が海に注ぐところにできる平野は「三角州(さんかくす)」ともよばれます。水持ちがよい三角州の特徴(とくちょう)を生かし、越後平野では米作りがさかんに行われています。川が平野を作り、そこに人が集まる。信濃川の河口にある人口80万の都市、新潟市は、こうして生まれたのです。
平野に集中する都市
日本の主な平野は、越後平野と同じく、大きな川の河口付近に広がっています。さらに、人口の多い主な都市も、そのほとんどが平野にあります。日本で最も広い平野、関東平野。利根川や荒川(あらかわ)などの流域(りゅういき)を中心に広がる平野です。ここには横浜市やさいたま市など、人口100万以上の大都市が集中しています。政治・経済(けいざい)の中心、東京都も、関東平野の一部です。ここには日本の人口のおよそ1割(わり)がくらしています。
四季の変化、地域による気候のちがい
日本の気候の特徴は、四季がはっきりしていることです。そして、国土が南北に細長いため、北と南、太平洋側と日本海側でそれぞれ気候がちがいます。北海道は、緯度(いど)が高いため気温が低く、台風や梅雨(つゆ)のえいきょうを受けにくく、降水(こうすい)量が少ないのが特徴です。そのため、ジャガイモ、小麦、大豆など、寒さに強く雨が少なくても育つ作物が広い土地を活かして作られています。一方、南にある南西諸島(しょとう)は一年中気温が高いのが特徴で、パイナップルやさとうきびの栽培(さいばい)がさかんに行われています。
太平洋側と日本海側
太平洋側を中心とした地域(ちいき)は冬に晴れることが多く、みかんのさいばいに適しています。秋から冬にかけての収穫(しゅうかく)期に日光がよく当たるほど、甘い(あまい)みかんが育つといわれています。日本海側は太平洋側とは反対に、夏は晴れますが冬の降水(こうすい)量は多くなります。その多くが雪で、大雪が降る地域も少なくありません。しかし春になるとこの雪がとけ、農業用水として田畑をうるおします。越後平野をはじめ、米作りがさかんな地域でもあります。
内陸と瀬戸内
内陸性の気候は、標高が高いため夏でもすずしく、降水(こうすい)量が少ないのが特徴(とくちょう)です。こうした気候を利用して、レタスなど高原野菜の栽培(さいばい)がさかんです。瀬戸内(せとうち)の気候は、年間を通して温暖(おんだん)で雨が少なく、水不足になる場所も少なくありません。そのため、古くから人工のため池が数多く作られてきました。ため池の水は必要に応じて放水され、米や小麦などの農作物を作るのに使われます。ため池は、雨の少ない瀬戸内の気候でも農作物を作るため、古くから伝わる知恵(ちえ)なのです。
地形、気候四季折々の表情
山が多く、平野が少ない日本の国土。四季折々に表情を変えるその姿(すがた)に、昔からわたしたち日本人は向き合ってきました。自分たちの住んでいる地域(ちいき)の地形や気候を知ることで、暮(く)らしを豊かにする工夫を、さまざまな形で続けてきたのです。