モーダル ・ シフト --- 輸送手段を変更するという意から、環境保全分野では、現在物流運輸の主流となっているトラックなどから環境負荷の少ない鉄道や船舶などに輸送手段に切り替えていく対策をいう。結果、二酸化炭素排出抑制、エネルギー節減、道路交通騒音の低減などの効果が見込まれるが、受け皿となる鉄道や港湾の体制整備なども必要となっている。
木材ラベリング制度 --- 適正に管理された森林から産出された木材をラベリングし、その流通を促進させるとともに、森林の保護をはかろうとする制度。一定の基準により評価 ・ 認証するもので、森林の衰退を防止し、林業の活性化につながることも期待されている。
木質ペレット --- おがくずや木くずなどの間伐材、製材廃材、林地残材といった木質系の副産物、廃棄木材などの粉砕物を圧縮してできた固形燃料。水分が少なく、高温で燃焼するダイオキシンの発生を大幅にカットできる。また、燃焼時に有害物質を出す心配がなく地球温暖化防止効果もあることから、再生可能エネルギーとしての効果も期待されている。
モニタリング --- 気象変動などの自然現象による生態系への影響、人間の生産活動による生物への影響を追跡調査すること。通常、季節による変化、時間推移による変化などを毎回特定の地点において同じ方法で、長期的に調査して、その影響を把握していく必要がある。
モントリオール議定書 --- オゾン層の保護対策として、 1985 年に締結された「オゾン層保護のためのウィーン条約」に基づき、 87 年 9 月、カナダのモントリオール採択された議定書。オゾン層を破壊するおそれのある物質(フロンなど)を特定し、環境への排出抑制のための規制措置を定めている。
夜間電力 --- 夜間に発電される電力のことで、昼間電力に比べ安価で、化石燃料の使用割合が低いため二酸化炭素排出量が少ない。環境負荷とコスト安を同時に達成できるとして、夜間に電力を貯蔵して昼間に利用する事業所が増えている。夜間電力の利用は、昼間の電力消費量を軽減できることから、電力需要の負荷を平準化でき、設備を効率よく活用できる利点もある。
焼畑 --- 山野や森で雑草などを焼き払って、焼け跡を農地として利用する農業のこと。焼いた後に残る灰を肥料とするため地力の消耗が激しく、消耗すると放置して数年~数十年後に再び焼畑をして耕作する必要があり、また数年ごとに新たな農地が必要となることから森林破壊が問題とされる。日本では 1960 年代にピークを迎えたが、現在では衰退している。
屋久島 --- 鹿児島県にある日本を代表する自然の宝庫として国際的にも高く評価され、 1993 年に世界遺産に登録された島。特に、屋久島固有種の天然性スギである屋久杉のうち樹齢 6000 年ともいわれる「縄文杉」は屋久島の自然の象徴で、観光も制限されるなど厳しく管理されている。また、同島ではゼロエミッションなど環境保護への取り組みも積極的に行われている。
野生生物 --- 自然に生育する動植物のことで、莫大な推計全種数のうち約 175 万種が確認されている。しかし近年、環境の悪化や生息地域の減少、乱獲などにより種の絶滅が急速な勢いで進んでいる。そこで、ワシントン条約や生物多様性条約など多国間条約が締結され、世界各国が野生生物の保護に取り組んでいる。絶滅の恐れのある種は、国際自然保護連合の「レッドデータブック」や、国内では環境省の「日本版レッドデータブック」に一覧としてまとめられている。
有害大気汚染物質 --- 継続的に摂取される場合には人の健康を損なうおそれがある物質で大気の汚染の原因となるものをいう。ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ダイオキシン類の4物質が大気汚染防止法で指定されている。
有機農業 --- 農薬や化学肥料を使用しない、または使用量を減らして安全な食料生産をめざす農法や農業。有機農業で生産された農産物を有機農産物と言う。
有機物 --- 生物に由来する物質の総称であるが、有機化合物の意で使われることが多い。有機化合物は炭素を含む化合物で、無機化合物と区別される。無機(化合)物には、空気、水、鉱物などが含まれる。
湧水(ゆうすい) --- 地下水が崖や谷間から流れ出たもの。湧水はいつでも使える地下水として貴重だが、都市部では地表面の被覆が進んだことから、雨水の浸透不足で地下水位が低下し、湧水が減少傾向にある。またトンネルや地下鉄などの地下構築物が地下水の流れを遮断し、湧水や付近の井戸を枯渇させることが多くなってきた。さらに、開発により湧水地点そのものがなくなるケースも増えている。
遊離ホルムアルデヒド量 ( ppm ) --- ホルマリンは、繊維製品の表面処理(防しわ ・ 防縮) ・ 改質において使用されることがある。しかし、遊離したホルムアルデヒドは急性毒性があり、皮膚や粘膜に対する刺激が強く、気中濃度がある程度以上の水準になると人体に様々な環境影響を及ぼす。このため、「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律(厚生省)」、「ホルマリン樹脂加工について(通産省通達)」などの衣服を対象とする法規等に適合することが求められます。エコマークの基準では、製品中の遊離ホルムアルデヒドの残留量が乳幼児用:残留しない、肌に直接触れるもの(下着、寝衣、手袋、靴下等):75ppm以下とし、数値が低いほど人体への影響が少ない。