100207读者来信
欄へのご感想の中には、ただ黙するしかないようなものがある。埋葬地に木を植える「樹木葬」を取り上げた過日の小文にも、そのようなお便りをいただいた。
投给本栏的读者感想中,有一些看了只能默然相对。前些天,提到在墓地种树的“树葬”的一文刊登后,就收到了这样的来信。
「いつ折れるとも知れない心を老夫婦で支え合いながら、娘のために樹木葬の適地を探しています」。次女を34歳で亡くしたばかりのご夫婦からだった。乳がんの告知からわずか1年半。夫と、告知の直後に生まれた男児が残された。
“我们老夫妻相互勉励支撑着随时都可能崩溃的心灵,在给女儿寻找合适的树葬墓地”。这封信来自一对刚刚失去了34岁的次女的老夫妇。他们的女儿被告知患了乳腺癌后,仅仅维持了一年半的生命。身后留下了丈夫和一个被告知患病后不久出生的男孩。
遺言めいたメモには、病のため震える字で家族葬の希望と、お墓にはオリーブかローズマリーを植えてほしいとあったそうだ。若い人ほど木の勢いは強かろうと書いた小欄を、励ましと受け止めていただいた。偶然に言葉もない。ご連絡すると、お二人は乳がん撲滅への願いを静かに語られた。
据说女儿在类似于遗嘱的便条上,用因病痛而发颤的字体写下了举行亲属葬礼(译注:仅有亲友参加的小范围葬礼。)的愿望,并希望在其墓前种上橄榄树或迷迭香。本栏曾经写过,墓主人越是年轻种在墓前的树长得越是旺盛,而她则将此文理解为一种鼓励。这样的偶然,令我无言以对。与那对老夫妇取得了联系后,他们平静地述说了消灭乳腺癌的心愿。
同じ34歳で逝った女性を悼む歌がある。小学生の姉妹の親でもあった。〈遺児ふたり長き髪もつ明日よりは母に代わりて誰が結ばむ〉羽場百合子。作者は朝日歌壇にも入選を重ねた元教師で、弱き者を思いやる歌風が際立つ。
有一首诗歌是悼念一位同样在34岁去世的女性的。那是一位拥有一对小学生姐妹的母亲。“明日起/谁来代替亲娘/梳理两位遗孤长长辫发”羽场百合子。作者曾是一位老师,作品曾多次入选《朝日歌坛》(译注:《朝日新闻》的一个诗歌栏目。),其同情弱者的风格十分引人瞩目。
どんな死も悲しいけれど、若い母親のそれは切ない。お母さんは風になり木になって、わが子に声援を送り続ける。他の母親より少し短い、真珠のような思い出を抱きしめながら。
死亡总是令人悲哀的,而年轻母亲的夭亡尤为沉痛。年轻的母亲怀着比其他母亲较为短暂的、珍珠一般的记忆,化成风、化成树,不断地声援着自己孩子的成长。
乳がんに侵された先の女性は、幼子にも走り書きを残していた。〈男の子はやさしくなければいけません。まわりの人の言うことをよくきいて。いっぱいおでかけにつれていってもらうんだよ。本もいっぱいよんで、音楽もいっぱいきいて……〉。連なる「いっぱい」に、母性の叫びを聴く。
那位被乳腺癌夺去了生命的那位女性,也给年幼的孩子匆匆留下了一些字句。“男孩子不可粗暴无礼。要好好地听周围人的话。让他们多多地带你出去。要多多地读书,多多地听音乐……”。从这一连串的“多多地”上,我们似乎能听到那位母亲内心的呼唤。