100306蝴蝶翩翩话惊蛰
自然界などで、ささいな変化が重大な結果をもたらすことを「バタフライ効果」という。チョウの羽ばたきによる空気の震えが、巡り巡って地球の反対側で気象異変を引き起こす、との例えらしい。
自然界中某些轻微的变化有时会造成很严重的后果,即所谓的“蝴蝶效应”。这种说法似乎是来自这么一个比喻:一只蝴蝶煽动翅膀时引起的空气振动,不断地传播后会造成地球相反一侧的气象突变。
嵐を呼ぶかどうかはさておき、チョウが飛ぶ様はどこか神秘的だ。昔は霊魂と結びつけて語られた。風に任せているようで、時に意思のようなものがのぞく。捕まりそうで、捕まらない。〈めちやくちやに手をふり蝶(ちょう)にふれんとす〉山口青邨(せいそん)。
是否会造成暴风雨暂且不论,不过蝴蝶飞舞时的姿态确实有点神秘。从前,在谈论它时总要和灵魂扯在一起。看似随风飞舞,时而又好像在喻示着什么。 眼看就要捉到了,却又让它溜走了。“上下左右紧挥手,翩翩彩蝶难沾边”山口青邨。
「チョウ小型センサー」と題する記事を読んだ。東京大学の研究チームが、チョウの羽に検出器をつけて飛翔(ひしょう)の仕組みを調べているそうだ。センサーは1ミリ四方。シリコンの薄板のたわみで、羽にかかる空気の圧力を測る。
我读过一篇题为《蝶载小型传感器》的报道。说的是东京大学的一个研究小组在蝴蝶翅膀上安了一个传感器,用来研究其飞行的机理。传感器只有一毫米见方,用薄硅片制成,根据它的弯曲程度可测定飞行时羽翼所受到的空气压力。
クロアゲハで実験したところ、飛び上がる時には通常の飛翔の倍の力がかかっていた。センサーの重さはチョウの0.15%というから、人ならミカンを持ち歩く感覚だろうか。トンボでも試し、虫が飛ぶ様子を解明したいという。
针对黑凤蝶的实验表明,在向上飞行时所承受的压力是通常飞行时的两倍。传感器的重量是蝴蝶体重的0.15%,蝴蝶带着它飞大概就和人手里拿着一个桔子走路的感觉差不多吧。据说为了探明昆虫飞行的状况,他们也在蜻蜓身上做了类似的实验。
俳句の世界では、出が遅い大型のアゲハは「夏の蝶」とするそうだ。単に「蝶」といえば、これからの季題である。モンシロチョウは菜の花やキャベツ畑の上を、ポカポカと弾むように漂う。〈初蝶の触れゆく先の草青む〉野澤節子。
在俳句的世界里,据说将羽化较迟的大型凤蝶称之为“夏蝶”。单说“蝶”的话,那就是下一个季节的主题了。纹白蝶就要在油菜花或卷心菜地的上方翩翩起舞了。“幼蝶初展翅,芳草萋萋任逗留”野泽节子。
チョウの古名は「かわひらこ」とか。楽しげに舞う姿を目に浮かべれば、その語感にひざを打つ。この虫が呼ぶべきは、やはり嵐より春である。きょうは、冬ごもりの生き物がはい出るとされる啓蟄(けいちつ)だ。行きつ戻りつ、ひと雨ごとに季節のページがめくられる。
蝴蝶的古名为“かわひらこ”。当它那快乐飞舞的身姿浮现在你眼前时,你就会为这个词的语感拍案叫绝了(译注:在日语中,“かわひらこ”这个词的发音能让人联想起飘飘摇摇的景象,可惜翻译不出来)。在现实的大自然中这种昆虫所招来不是暴风雨而是春天。今天是惊蛰,冬眠中的生物就要出洞了。四季,循环往复着。每下一场雨,季节这本书就将翻过一页。