男人的脸
2010年12月3日(金)付
この時節、深酒した店の手洗いで、何をやってるんだと我に返ることがある。鏡の顔は赤くふやけてスキだらけ。懲りないやつと突き放してはみるが、どこをどう見ても自分の面である。
最近,好几次喝高了后,在酒馆的洗手间缓过神来时自责不已。镜子里的脸涨得通红沾满水珠。心里在骂这个屡教不改的家伙,可手捂住脸放开再看,怎么看还是自己的脸。
歌舞伎俳優の市川海老蔵さん(32)が、飲み明かした末に殴られ、顔に大けがをした。〈いい酒は朝が知っている〉という広告がある。手術を終え、大いに我に返っている頃だろう。顔が命の役者、それも見目と美声で売る人気者だ。成田屋相伝のにらみなど、芸に障らぬよう祈りたい。
32岁的歌舞伎演员海老藏彻夜狂饮,结果被人殴打,脸部严重受伤。有个广告词是这样写的“好酒晨早知”。海老藏现在应该已经做完手术,大大清醒过来了吧。脸是演员的命,更何况他是以容貌和嗓子为卖点的偶像派。希望成田屋代代相传的“瞪眼”等技艺不会因此受影响。
海老蔵さんならずとも、顔は印象を左右する。本紙「be」の読者調査では、7割近くが「男性の容姿は重要」と答えた。モテるかどうかだけでなく、就職や仕事でも見た目が物を言うと、多くが考えている。
即使不是海老藏,一个人的脸还是会很大程度影响别人对他的印象的。本报“be”栏目所作的读者调查,近7成的人认为男性的容貌很重要。很多人认为男人的容貌的好坏不单影响其受不受女性欢迎,在就职和工作方面也是至关重的。
古来、見かけをとやかく言われるのは男より女だった。現に、顔に傷が残る労働災害では、女性がより手厚く補償されてきた。「女性のほうが外見に高い関心を持ち、傷による不利益や精神的苦痛が大きい」(厚労省)との理屈である。
自古以来,对外貌的重视程度一直是女性甚于男性的。如今,在脸部伤残的职业劳动赔偿方面,女性得到的赔偿也一直高于男性。厚劳省给出的理由是“女性更重视外表,因而由于伤残所造成的损失和精神痛苦更大。”
ところが今年、風向きが変わった。金属を溶かす作業で顔をやけどした男性が、補償の男女差は憲法違反だと訴え、認められたためだ。心の痛みに性差はないとする判決を受け、国は労災保険法の見直しを急ぐ。
不过,今年形势已发生逆转。一名由于从事金属溶解工作导致脸部灼伤的男子提出诉讼,称这种脸部伤残赔偿的男女的差别违反宪法。最终他取得胜诉。政府接受了在精神痛苦方面并没有性的差别这个判决,现在正忙于修订劳动灾害保险法。
もちろん、無傷ならいいというものではない。お年寄りの顔に趣があるのは、越えた労苦や納めた悲哀が刻まれるからだろう。深手はともかく、心身のささくれ、まんざらでもない。誰に見せるでも、花道をゆくわけでもないけれど、いい顔で齢(よわい)を重ねたい。
当然,也不是说没有受伤就是好的。老年人的脸之所以有魅力,是因为经历的风霜劳苦和收藏的悲哀都刻在脸上了。多灾多难之人姑且不论,心身上的一些小波折也不完全是坏事。尽管无论怎么看,我前面都不可能是鲜花和掌声铺满的大道,但我还是希望自己能以一付好的容颜来走过今后的岁月。