和平之歌
2010年12月8日(水)付
歌手のクミコさん(56)にお会いした。暮れのNHK紅白歌合戦で「INORI」を歌う。広島市の平和記念公園に立つ原爆の子の像。そのモデルとなった佐々木禎子(さだこ)さんを悼み、静かに平和を訴える曲だ。
前几天跟56岁的歌手久美子见过面。她将在今年除夕的NHK红白歌会上演唱≪祈祷≫一曲。在广岛市和平纪念公园竖立着一尊原子弹爆炸儿童塑像。这尊像的原型人物叫佐佐木祯子。≪祈祷≫就是为悼念她而创作的,一首静静地祈求和平的歌曲。
禎子さんは2歳で被爆、10年後に白血病で亡くなった。回復を念じて鶴を折り続けた話は広く知られる。「彼女の短い人生を借りて、戦没者の無数の思いを伝えたい。歌い手の使命を感じます」。納めの舞台、音符の一つ一つで鶴を折り、世界へ、天へと飛ばす。
祯子在两岁时遭受原子弹爆炸辐射,10年后死于白血病。她为了祈求康复而坚持折叠纸鹤的故事广为人知。“我希望借助她短暂的人生,传达我对战争中失去生命的人们的无尽思念。我觉得这是我作为歌手的使命。”久美子这样说道。除夕的舞台上,她将用一个个音符折成纸鹤,让它们飞向全世界、飞向天界。
69年前のきょう、日本は太平洋戦争に突入した。真珠湾から広島、長崎に至る44カ月、日本人だけでも300余万の命が失われ、被爆者の苦痛は今も続いている。どこかで戻る道はなかったかと、今さらながら思う。
69年前的今天,日本强势加入太平洋战争。从珍珠港事件到广岛、长崎被炸的44个月中,单单日本人就有300多万人失去了生命,而遭受原子弹爆炸者的痛苦则延续至今。我现在还会想,要是时间能回到当初,这一切都能避免发生该多好啊。
陸軍は米英と戦う決意を夏に固め、陸相の東条英機が首相になると開戦内閣だと喜んだ。海軍も覚悟を決める。「戦うも亡国かもしれぬが、戦わずしての亡国は魂までも喪失する永久の亡国である」(永野修身(おさ・み)軍令部総長)。
当年夏天,陆军已经下了跟美英开战的决心。而陆军统帅东条英机就任首相后内阁欢欣鼓舞。海军也做好了战斗的打算。“打也许会亡国,但不战而亡就是连灵魂都丧失掉的永远的亡国了。”(军部总司令永野修身)
民のあずかり知らない「亡国覚悟」の戦いに、新聞や知識人も加担した。内外に息苦しさが募る日本に、今また勇ましい言説が飛び交う。いつか来た道にはさせないと、改めて折り鶴の少女に誓いたい。
对这场妄顾百姓死活的“作好亡国打算”的战争,当时的报纸和知识分子也起了推波助澜的作用。而今天,在内忧外患频发的日本,这种逞强的言论又开始满天飞了。我想再一次对折纸鹤的少女发誓,我们决不重蹈覆辙。
本日はジョン・レノン暗殺から30年でもある。〈皆が新しいテレビの代わりに平和を求めれば、それはなる〉の至言を思う。戦争も平和も、つまりは人の意思である。皆がテレビを買い替えた年、同じ力強さで平和の輪が広がるよう祈りながら、除夜の熱唱に聴き入るとする。
今天也是约翰・列农被暗杀30年的日子。想起他说过的一句至理名言:“如果大家都去追求和平而不是新的电视机的话,和平就会实现。”战争也好和平也好,说白了都是人的意志。希望大家在更新了家里的电视机的这一年,能以同样的热情祈求和平之圈的扩大。让我们边祈祷边细心聆听除夕之夜的演唱。