善心书包
2011年1月13日(木)付
茨木のり子さんの詩「みずうみ」から引く。「〈だいたいお母さんてものはさ/しいん/としたとこがなくちゃいけないんだ〉/名台詞(めいせりふ)を聴くものかな!/ふりかえると/お下げとお河童(かっぱ)と/二つのランドセルがゆれてゆく/落葉の道……」。
以下诗句引自茨木纪子的诗≪湖≫。“妈妈呀/可不能没有安安静静的特质/哟,是谁在念人生金句?/回头一看/两个可爱的女孩/背上两个书包一摇一晃/渐渐远去/在铺满落叶的小径……”。
「ランドセル」の一語が利いている。子どもの成長の道連れである。ランドセルが歩いているような後ろ姿で入学し、やがて負けずに背負えるほどに育つ。詩人を驚かす「名台詞」も口にするようになる。背中の親友は、小さな喜怒哀楽を6年間、黙って見守ってくれる優しい存在だ。
“书包”一词是整首诗的重点。它是孩子们成长的伙伴。孩子刚进学校时,背着书包的背影看起来就像是一个大书包在走,可不久就不甘示弱地长得轻松自如地背着书包到处走了。甚至还能说出让诗人大吃一惊的“人生金句”。这个背上的亲密伙伴整整六年,默默地亲切地守护着孩子们。
そんな「親友」が10個、前橋市の児童相談所に置かれたのは暮れのクリスマスだった。それを誘い水に、情けの泉がわき出すように、「タイガーマスク」の主人公を名乗る善意が広まっている。
10个这样的“亲密伙伴”在去年年底的圣诞节时被人放在前桥市的儿童商议所的桌面。如同那句滴水之恩涌泉相报所形容的那样,当初以≪老虎面具≫的主人公命名的善举如今已成燎原之势。
最初の善意への共感が相次ぐのも、「ランドセル」が利いていよう。ぴかぴかのランドセル姿は、子どもが貧と富、幸と不幸で分け隔てされてはならないことの象徴だ。初代タイガーマスク氏の、ささやかだが、志ある一灯だったろう。
人们之所以对最初的善举不断产生共鸣,可以说“书包”这一形象是起了很大作用的。闪闪发亮的书包,象征着不能用贫与富幸福与不幸将孩子们分隔开来。这是第一代的老虎面具先生给我们开启的一盏小小却充满信念的明灯。
市井の善意とは異なるが、山形県庄内町を思い浮かべる。ランドセルを新入生全員に贈り続けていて、今年も187人が新品をもらう。「子どもたちが地域の宝だという思いを、町民みんなで分かち合うのです」は原田真樹町長の弁だ。
我又联想到山形县庄内镇。这个镇与上述民间善举不同,是一直坚持给新入学的小学生赠送新书包。今年又有187名小学生拿到了政府的礼物。原田真树镇长的解释是:“我们此举是让全镇居民分享孩子是本地之宝这个理念。”
一つ一つは小さな善意が、「社会で子を育てる」という脆(もろ)い理念を、確かな意識に高める力になればいい。人みな人の世の子。めぐる春、善意のランドセルをゆらす小さな背に幸いあれと願う。
希望这一个个小小的善意,能成为将“全社会共同养育孩子”这个脆弱的理念提升为坚实的意识的力量。每个人都是这个人世间的孩子。祝福这个春天将背上善心书包的每一位小朋友。