防衛大学校長の五百旗頭(いおきべ)真さんは、阪神大震災のとき神戸大学の教授だった。すさまじい揺れの恐怖を、「大地の悪魔は突然、家を持ち上げ地面にたたきつけ、両手で家を引き裂こうとした」と語っている。そして思ったそうだ。「本気で殺しに来ている!」▼ニュージーランドを襲った地震も、同じ直下型だった。揺れの加速度は阪神を上回るという。美しい街、クライストチャーチの恐怖はいかばかりだったか。大地の悪魔は70人を超す命を奪い、なお300人の安否がわかっていない▼人気の渡航地だけに多くの日本人が居合わせた。今も多くと連絡が取れない。ひときわむごいぺしゃんこのビルには、富山市の外国語専門学校の学生たちがいた。この瞬間にも、異土のがれきの下で細る命の灯がある。想像するのはつらい▼日本人だけではない。東京の小紙夕刊で見た、泣き崩れる親子3人の写真に胸を突かれた。倒壊に巻き込まれた母親が「絶望」だと告げられたという。必死にがれきをかき分けたのだろうか、父親の手はささくれていた▼去年亡くなった歌人の竹山広さんに、阪神震災を詠んだ一首がある。〈居合はせし居合はせざりしことつひに天運にして居合はせし人よ〉。そのときそこに「居合わせた人」よ――。鎮魂の調べは、自身の長崎での被爆体験が根にあるという▼居合わせる運命に人知は及ばない。しかし今、悲運から命を救えるかどうかには人知は及ぶ。希望を捨てず、一人でも多い救出を諦めるべからず。ねばり強く、一秒でも早く、を現地に願う。
防卫大学校长的五百旗头真先生在阪神大地震的时候正是神户大学的教授,在形容地震剧烈摇晃的恐惧时说【大地的恶魔突然将房子举起并摔在地上,又用双手来撕裂我的家】。那时候他这样想【真是来抹杀我们的!】▼此次袭击了新西兰的地震,也是直下型。地震的加速度据说超过了阪神。美丽的基督城的恐怖又会是何种程度啊,大地的恶魔夺走了70多人的生命,300多人的安危至今不明▼有名的观光地吸引了许多的日本人。其中的许多人至今下落不明。在那座因被压扁而更令人痛心的大楼里,有富山市外语专科学校的学生们,每每想到此时此刻在异土他乡的残垣下渐式渐微的生命之火心中就痛苦万分。▼不只是日本人,东京版的本报晚刊上哭泣中的一家三人的照片让人看得痛彻心肺,据说是因为被告知被卷入坍塌中的母亲已然无望。想必曾经疯狂地扒开残骸的缘故,父亲的手指伤痕累累▼去年过世的诗人竹山广先生曾经有首阪神地震的词。【遭遇也罢,不遭遇也罢,所有由天命安排了境遇的人哟】。彼时彼地遭遇此景的人哟--。安魂曲的基调,源自诗人自身所遭遇的长崎被(原子弹所)炸的体验。▼遭遇的命运人知不可及。但而今,从悲运中拯救生命的可否却是我们可以做到的。不绝望,绝不可放弃再多救一人的努力,顽强地,争分夺秒地,我遥祝当地(的人们)。
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