网上泄题事件
2011年3月1日(火)付
明治から昭和初めの法学者で東大などの教授だった岡田朝太郎は、岡田三面子(さんめんし)の名で川柳を詠んでいた。いつの時代の学舎(まなびや)にも不心得者はいたようで、こんな一句を残している。〈良心の唇青しカンニング〉。説明不要のストレートパンチである。
明治时期到昭和初年的法学专家,曾在东京大学等大学担任教授的冈田朝太郎曾以冈田三面子的笔名发表过川柳诗。其中一首诗是这样写的:“考试作弊者,良心受煎熬”。看来,无论哪个年代,校园里总会有那么些不知检点的人。这首诗对这种人的形容可谓直接了当,正中要害。
京都大学の入試問題の一部が試験中にインターネットに流れた件は、偽計業務妨害にあたる可能性もあるという。そうなれば犯罪だ。不心得者は顔を青くしていようか。刑法学の権威で執行猶予制度を創案したという三面子も、さぞ天上で嘆いているに違いない。
据说,京都大学的部分入学考试试题被人在网上泄漏一事,有可能划归欺诈妨害他人业务的范畴。这样的话就等同于犯罪了。那些不知检点之人会吓得脸都变青吗?刑法学的权威,据说还是缓刑制度的起草人的冈田先生听了这个消息,肯定也会在天上叹气连连。
まじめに勉強してきた者が、「いま一歩」のために道を誤ったとは思いづらい。愉快犯か、「あわよくば」のバクチ型受験か。いずれにせよ、やることの卑小と及ぼす影響の大きさのアンバランスが、ネット時代を象徴する。
很难想象,这是那些一直辛辛苦苦、认认真真学习的考生为了“临门一脚”而犯下的过错。应该不是有些人专门想制造劲爆话题,就是那些想碰运气的赌博型考生的所为。无论是哪一种,这种所作的行为之卑小与所产生的影响之巨大的强烈反差,也恰恰是互联网时代的象征。
同志社や立教、早稲田でも同様の不正が見つかっている。まんまと合格したのだろうか。だが他人はだませても、自分をごまかす狡(ずる)さにたけた若者などそうはいまい。心に負い目を宿しての大学生活が、充実するとも思えない。
同志社大学、立教大学及早稻田大学也发生了同类的泄题事件。当事人也许就此可进入名校就读,然而就算骗得了其他人,年轻人当中应该没有老练到连自己都骗得过去的人。心中始终装着愧疚的大学生活,不可能过得愉快充实。
カンニング捜査で思い出すが、かの名探偵シャーロック・ホームズにも、試験問題を盗み見た「犯人」を捜す一話があった。快刀乱麻を断つ推理で謎を解きつつ、根はまじめな学生の前途を思い人情味あふれる解決をもたらす。
看到警方着手侦查作弊案件,我想起大侦探歇洛克・福尔摩斯也有侦查盗取试题的“犯人”的情节。福尔摩斯以快刀斩乱麻式的推理揭开了谜底,最终为认真学习的学生的前途着想,找到了充满人情味的解决方法。
ホームズは諭す。「一度は低いところへ君は落ちた。将来どんな高いところへ君が昇るか、楽しみにしていよう」(阿部知二訳)。同じ言葉をかけるに値する人物なら、自ら名乗り出るはずである。
福尔摩斯对犯人是这样说的:“你现在是落入了人生的低谷,但将来你可以爬上怎么样的高峰呢,我将拭目以待”(阿部知二译)。如果你是配得上使用同一句话的人物,就应该自己主动出来自首。