100126基地迁移
記者を続けていると、取材相手のはっとする言葉に出合うことがある。「民主主義はもうこりごりだ」は忘れがたい。コザ市(いまの沖縄市)の元市長で10年ほど前に97歳で亡くなった大山朝常(ちょうじょう)さんが、絞り出すような声で言った。
记者做得久了,就会在采访时听到一些出人意料的言论。“民主主义已经让人受够了”,这句话就叫人难以忘怀。这是古座市(现在的冲绳市)前任市长大山朝常从牙缝里挤出来的一句话。他已在10年去世了,享年97岁。
元教育者だった。沖縄戦で息子2人、娘1人、母と兄を失った。戦後は政治家として「基地はいらない」と訴え続けた。ところが減りもしない。本土による、本土のための民主主義が苦難を島に押しつけている。日本政府への深い失望が、「こりごり」の一語には込められていた。
他本是个教育工作者,冲绳战役夺去了他的两个儿子、一个女儿还有母亲和哥哥。战后,他作为一名政治家不断地呼吁:“我们不要(美军)基地”,但毫无效果。基于本土的、为了本土利益的民主主义不断地将苦难强加到这个岛上。“受够了”这一话就饱含着对日本政府的深深失望。
そんな基地のひとつ普天間飛行場をめぐって、名護市の民意は移設への異議を申し立てた。市長選で、移設に反対する稲嶺進氏が現職を破った。結果は重い。政府が軽んずれば、「本土のための民主主義」が繰り返されることになろう。
针对这样的基地之一——普天间机场,名护市的民意对其迁入表达了强烈抗议。在这次的市长选举上,反对迁入的稻岭进战胜了现任市长。这个结果是沉重的。如果政府对此掉以轻心,则“为了本土利益的民主主义”又将重演了吧。
心配なのは鳩山首相の腹のすわり具合だ。戻る橋を焼かれたとも言われる。風見鶏を決め込んでいて青くなったかもしれない。いずれにせよ数カ月で政治家としてのすべてが問われよう。もう「宇宙人」を言い訳にはできない。
令人担心的是鸠山首相的胆量到底有多大。有人认为他已经无路可退了。或许他已决定做一棵墙头草并吓得脸色苍白了吧。不管怎样,数月之后,他作为政治家的一切都将经受考验。再也不无法“宇宙人”(译注:因鸠山由纪夫老是讲些不着边际的话,故而被人称作“宇宙人”。)的姿态来忽悠人了。
戦争で壊滅し、戦後は基地の島になった故郷を「不沈母艦」にたとえて悲しんだのは詩人の山之口貘(ばく)だった。その密集ぶりは、米国防総省の元高官に「小さな籠(かご)に、あまりに多くの卵を入れている」と言わせもした
诗人山之口貘曾悲愤地将在战争中遭受破坏,战后又成为军事基地的故乡比作“不沉的航空母舰”。而基地的密集度(译注:冲绳岛上共有美军基地41处,占冲绳全岛总面积的20%)又被美国国防部某前任高官称作“一个小篮子里放了过多的鸡蛋”。
「日本の安全保障じゃない。本土の安全保障のために基地がある」。そんな大山さんの声も耳の奥に残る。普天間という危うい卵をつまんで立ちつくす首相は、どこの籠に入れる心づもりなのか。
“美军基地并不是日本的安全保障,而是本土的安全保障”。大山先生的这句话至今仍留在我的内心深处。现在,手捏着普天间这枚危险的鸡蛋傻站着的首相,到底想把它放到哪个篮子里去呢?