100213言辞的重量
ロッキード事件が発覚した当初、自民党の中曽根康弘幹事長から「もみ消し要請」があったとする米側の公文書が見つかった。内容もさることながら、表記が興味深い。言葉をめぐる日米関係の一端を見る思いがする
洛克希德事件暴露时,发现了一份美方文件,记载着自民党干事长中曾根康弘提出的“暗中了结”的请求。其内容自不必说,写法却颇有意思。可谓是有关言辞的日美关系之一端。
文書を読むと、もみ消す意味の「HUSH UP」に続けて(MOMIKESU)と日本語のローマ字表記を残している。この「もみ消す」は政治的陰影に満ちた要請のキーワードだ。単純に「HUSH UP」に置き換えていいものか。訳した米側担当者は悩んだのに違いない
读其文本,发现在表达不声张的“HUSH UP”后面还留有对应的日语单词(译注:もみ消す)的罗马字拼写“MOMIKESU”。这个“暗中了结”就是充满政治阴影的关键词。可以简单地将其置换成“HUSH UP”吗?美方的译员肯定为此伤过脑筋。
戦争末期にポツダム宣言を「黙殺」するとした日本の回答を思い出す。徹底抗戦派を抱えつつ終戦を模索していた政府には、ぎりぎりの表現だったという。これが相手方には「無視」「拒絶」の意味に英訳されて伝わったとされる
这叫我想起了战争末期日本针对波茨坦宣言的答复:“黙殺(译注:不置可否。)”。据说这已是背着死硬派包袱而尚在寻求停战之路的政府所能作出的最低限度的表达了。而这一表达被英译成了“无视”、“拒绝”的意思反馈了过去。
広島と長崎の惨事はそれから間もなくだった。『ベルリッツの世界言葉百科』には「この一語の英訳が違っていたら原爆投下はなかったかもしれない」とあるそうだ。鳥飼玖美子さんの『歴史をかえた誤訳』に経緯が詳しく書かれている
广岛、长崎的惨剧就发生在此后不久。据说在《贝立兹世界语言百科》中有“该词若能作出不同的英译,或许就不会扔原子弹了”的说法。在鸟饲玖美子女士的《改变历史的误译》一书中,就此中原委有详尽的叙述。
日米繊維交渉の佐藤・ニクソン会談では、「善処する」が「最善を尽くす」と通訳された。だが佐藤首相は、「善処する」の日本的な意味どおり何もしなかった。腹芸的な言葉がまっすぐに訳されて、日米関係はこじれていった
而在日美纺织品交涉的佐藤•尼克松会谈中,“妥善处理”被口译成“极尽全力”。佐藤首相谨遵“妥善处理”的日本式含义,没作任何处理。意在言外的词语遭到字面意义的简单翻译,结果弄僵了日美关系。
そしていま、鳩山首相の「トラスト・ミー」である。政治的陰影をかなぐり捨てた直球を、もみ消す術(すべ)はないようだ。一つの言葉がときに背負う重みを、冒頭の文書から思い巡らせてみた。
再来看看鸠山首相的“托拉斯托-米(译注:即:trust me<相信我>)”。这是个抛却了政治阴影的直线球,似乎无法“暗中了结”了。开头的那个公文,令我联想到了一个言辞有时所承担的重量。