天地无情
2011年3月12日(土)付
テレビ画面を正視することができなかった。がれきと海水の混じり合った津波が、濁流のように家を、畑を、道路を呑(の)みこんでいく。走っている車に波がのしかかる。ああ、だれが乗っているのだ。お父さん?お母さん?兄さん姉さん?――だれかにつながる、かけがえのない命が呑まれていく。
电视的画面实在无法正视。混合了瓦砾与海水的海啸波,如同浊流一般吞噬着房屋、农田、道路。巨浪追赶着行驶的汽车。啊,车上坐的是谁?父亲?母亲?哥哥?姐姐?那属于某人的,无法重来的生命就要被吞噬。
マグニチュード8.8の猛烈な揺れ。被害はどれほど広がるのか。震源から遠い東京でも震度5強で揺れた。黒煙を上げるビルが職場の窓から間近に見える。この一文を書いている間にも、大地は不気味に揺れ続けている。
里氏8.8级的强烈摇晃。受灾范围有多大呢?远离震源的东京也经历了5级左右的摇晃。从办公室的窗口可以看到黑烟从近处一栋楼冒出。就在写这篇文章的时候,大地还在不怀好意地持续摇晃。
三陸地方は津波の常襲地とされる。過去の幾多の犠牲と引き換えにつくられた様々な手だても、自然の猛威に破られた。天変地異の脅威をあらためて思う。各地の爪痕の少しでも小さいことを、ただただ祈る。
三陆地区一直是海啸重灾区。用过去的巨大牺牲换来的各种保护设施,在这次大自然的淫威之下也都土崩瓦解。这次灾难让人再次见识到天地异变的巨大威力。此时此刻,只能默默祈祷,各地的受灾程度能轻一些,那怕轻一点点也好。
日本列島はプレートのぶつかり合う上に乗る。その危うさを物理学者の寺田寅彦は「国土全体が一つのつり橋の上にかかっているようなもの」とたとえた。「つり橋の鋼索が、あすにも断たれるかもしれない」と警鐘を鳴らした。その鋼索が、切れた。
日本列岛位于大陆板块碰撞带之上。物理学家寺田寅彦形容其危险程度“就像整个国土置于一座吊桥之上“。他警告说:“这吊桥的钢索,说不定明天就会断”。如今,这钢索真的断了。
気象庁によれば、東北沖から関東沖まで、数百キロにわたって断層が動いたようだ。点ではなく線である。予想される東海地震や東南海地震に匹敵する巨大地震が起きた。明治以来の観測史上国内最大という。
据气象厅报道,似乎从东北外海到关东外海长达数百公里断层发生了移动。不是点,而是线。从而引发了不亚于预想的东海地震和东南海地震的强烈地震。据报道,这是从明治时代有地震观测史以来国内发生的强度最大的地震。
夜が明ければさらなる被害が確かめられよう。生命、財産、故郷の町並み。失われたものの大きさに打ちのめされる人たちとの絆を失うまい。こんなときにつなぐための手が、私たちの心にはある。
进一步的受灾情况大概要天亮后才能确认。生命、财产、故乡的街道,失去这些宝贵东西让许多人难以承受。我们一定要紧紧抓住他们的双手。在这个时候大家要牵起来的手,就在我们每个人的心中。