壮一君は現在では、サンダカン付近に大きなゴム植林を営んでいて、手紙には、そのゴム林の写真と、壮一君の最近の写真とが、同封してありました。もう三十歳です。鼻下に気取ったひげを生やして、立派な大人になっていました。
お父様も、お母様も、妹の早苗さんも、まだ小学生の弟の荘二君も、大喜びでした。下関で船を下りて、飛行機で帰ってくるというので、その日が待ち遠しくて仕方がありません。
さて、一方羽柴家を襲った、非常な恐怖といいますのは、ほかならぬ「二十面相」の恐ろしい予告状です。予告状の文面は、「余がいかなる人物であるかは、貴下も新聞紙上にてご承知であろう。貴下は、かつてロマノフ王家の宝冠を飾りし大ダイヤモンド六個を、貴下の家宝として、珍蔵せられると確聞する。
余はこのたび、右六個のダイヤモンドを、貴下より無償にて譲り受ける決心をした。近日中に頂戴に参上するつもりである。
正確な日時はおってご通知する。ずいぶんご用心なさるが良かろう。」
とういうので、終わりに「二十面相」と署名してありました。
壮一现在在山打根一带经营着一片大的橡胶树林。信封里同时寄来了橡胶树林的照片和壮一的近照.壮一已经三十岁,已经长大成一个优秀的大人了,他那鼻子下面长着像模像样的胡子。
父亲,母亲,妹妹早苗,还有上小学的弟弟壮二大家都非常的高兴.听说壮一要在下关下船,然后乘坐飞机回来,大家都急切期盼这天的到来。
那么另一方面,袭击羽柴一家的非常恐怖事情无非就是那可怕的预告通知涵,预告通知涵上写着:想必阁下已经通过报纸知晓我是何等人物了吧![据可靠消息称,阁下将曾经装饰过罗曼诺夫王室皇冠的六颗大钻石,作为阁下的传家宝来珍藏.
我决定近日无偿接受阁下的六颗钻石,并打算在近几天内来登门拜访,准确的日期和时间随后再通知阁下.即便是戒备森严也无妨.],在信的末尾的署名为[二十面相]。